Project/Area Number |
23K04424
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26040:Structural materials and functional materials-related
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
土屋 文 名城大学, 理工学部, 教授 (90302215)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,160,000 (Direct Cost: ¥3,200,000、Indirect Cost: ¥960,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | リチウム / リチウムイオン電池 / リチウムイオン移動機構 / 大気型核反応法 / リチウム蓄積量 / 液体電解質 / その場測定 / 正(負)極/電解質固液界面 / 核反応法 / イオンビームオペランド計測 / リチウム電池 / 電極-液体電解質界面 / リチウム移動解析 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、大気雰囲気において液体中のリチウム濃度を高感度に測定できるイオンビームによる核反応法を用いて、リチウム電池の充放電時における電極-液体電解質界面のリチウムイオン移動量をその場で三次元的に測定(オペランド計測)し、リチウムイオン移動機構を解明するとともに、充放電時の電極および電解質内の過渡的なリチウム蓄積量を定量的に評価する手法を確立することを目的とする。この研究目的を達成するために、① マグネトロンスパッタリング装置を用いたリチウム電池の作製およびリチウム濃度測定用試料ホルダーの作製(令和5年度)、② 電極-電解質界面のリチウムイオン移動量の測定(令和5~7年度)を実施する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、大気雰囲気において液体中のLi濃度を高感度に測定できる核反応(NRA)法をLi+イオン電池に適用することで、(1)電極-液体電解質界面のLi+イオン移動機構を明らかにするとともに、(2)充放電時の電極および電解質内の過渡的なLi+イオン蓄積量を定量的に評価する手法を確立し、より優れたLi+イオン導電性能を有するLi+イオン電池開発の基礎を築くことを目的とした。 厚さ約10 μmのCu薄膜に蒸着した厚さ約38 μmのCを負極、厚さ約15 μmのAl薄膜に蒸着した厚さ約38 μmのLiCoO2(あるいはLi薄膜)を正極、LiPF6を液体電解質、CuおよびAlを集電体としたLi+イオン電池(Al/LiCoO2(Li)/LiPF6/C/Cu)を作製した。次に、作製したLi+イオン電池を赤外線ヒーターにより加熱しながら電圧を印加できる絶縁性試料ホルダーを作製した。さらに、既存の超高真空装置を改良し、NRA法を用いて、温度や電圧を変化させながらその場でLi+イオン電池内のLi濃度測定が大気雰囲気において行えるように工夫した。NRA法の場合、タンデム型加速器からのMeV領域の水素イオン(H+)を直径約1 μmのプローブビームとして用いる。H+イオンは厚さ約200 nmのSi3N4セパレータ膜を透過して真空から大気中の試料表面に対して90°に入射される。H+イオンとLiCoO2/LiPF6中の7Liとの核反応7Li(p,α)4Heにより発生する10 MeVの4He+イオンは、H+イオンの入射方向に対して140°後方に放出され、Si3N4セパレータ膜を透過して大気から真空内へ入り、He+イオンのエネルギーとその個数が半導体検出器(SSD)により検出される。そのエネルギーおよび個数から、深さに対するLi濃度分布を得ることができる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
令和5年度では、大学院生の協力を得て、Li+イオン電池(Au/LiCoO2/LiPF6/C/Pt)試料および絶縁性試料ホルダーの作製、さらに、既存のイオンビーム分析(核反応(NRA)法)装置を用いて、大気雰囲気において電圧を変化させながらその場でLi+イオン電池内のLi濃度を測定する装置の改良を計画通り実施することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度では、令和5年度に作製したLi+イオン電池(Al/LiCoO2(Li)/LiPF6/C/Cu)試料、絶縁性試料ホルダーおよび大気雰囲気用イオンビーム分析(NRA法)装置を利用して、LiCoO2(Li)正極からC負極へ、また、C負極からLiCoO2(Li)正極への電位勾配によりLiPF6液体電解質内を駆動されて流されるLi+イオンの流量をその場で測定するとともに、電気化学測定装置を用いて計測する電流値と比較し、放電時のLi+イオン移動量と電気特性との関連性を調べる。
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