Project/Area Number |
23K04430
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26040:Structural materials and functional materials-related
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Research Institution | National Institutes for Quantum Science and Technology |
Principal Investigator |
大道 正明 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 高崎量子応用研究所 先端機能材料研究部, 主幹研究員 (10625453)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 放射線グラフト重合 / 構造解析 / パターン解析 / グラフト鎖 / 熱分解挙動 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、グラフト重合材料の熱分解挙動がグラフト鎖の分布構造によって異なるという点に着目し、モノマー濃度を変化させることで、グラフト鎖の分布構造を表面局所型から表層・深層均一型まで作成し、それぞれの熱分解挙動を測定することで、グラフト鎖の分布構造と熱分解挙動の相関性をとり、熱分解挙動に対してパターン認識を適用する。そうすることで、溶媒や線量などのグラフト重合反応パラメータがグラフト鎖分布に与える影響を定量化することを目的とする。最終的には、反応パラメータを調整することで、グラフト鎖の精密構造制御に挑戦し、低環境負荷反応条件下での、グラフト重合材料の機能性の最適化を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
グラフト重合において、固液反応であるため、モノマー溶液の接触性や電子線照射の照射線量の差異などで基材の場所によるグラフト率の違いが存在している。そのため、グラフト重合の微細な構造変化よりも基材からの採取場所の差異が熱分解挙動に大きく影響を及ぼし、熱分解挙動による微細な構造変化の検出を困難にしていた。本年度においては、前述の問題を解決するために、グラフト基材に対して、凍結粉砕処理を行うことで、グラフト重合サンプルの均質化を試みた。その結果、グラフト基材が粉末になることで、均質化されグラフト重合サンプルの平均的な熱分解挙動を測定できた。また、この均質化により、グラフト率が既知のアクリル酸グラフト重合サンプルの熱分解挙動とグラフト率が未知のグラフト重合サンプルの熱分解挙動を比較することで、未知サンプルのグラフト率を高精度に求めることに成功した。本手法は非常に少ない量でグラフト率を測定可能なことから、局所的なグラフト率を測定することが可能である。膜厚が700-800μmのコットン繊維において、250keVの加速電圧で電子線を照射し、アクリル酸のグラフト重合を行い、本手法で、照射面、中心部、反対面のグラフト率を比較したところ、それぞれの場所でのグラフト率の違いを検出できた。このように、これまで測定が困難であった電子線加速器などによる線量ムラや、モノマー濃度のムラなどによって生じるグラフト率のムラを定量することが期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和5年度において、熱分解挙動からグラフト率を求めることに成功しており、研究課題について一定の成果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度においては、グラフト率だけでなく、グラフト鎖の構造変化がもたらす熱分解挙動の変化を評価し、グラフト構造の解析手法の確立を目指す。具体的には、モノマー濃度を変化させることで、表層から深層までさまざまなグラフト構造を持つグラフト基材を作成し、それぞれの熱分解挙動を評価し、それらの熱分解挙動に対して、パターン認識を適用する予定である。
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