ワイドバンドギャップ半導体結晶の加工変質層厚に非破壊評価法の開発
Project/Area Number |
23K04444
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26050:Material processing and microstructure control-related
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Research Institution | Japan Fine Ceramics Center |
Principal Investigator |
石川 由加里 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 特任主幹研究員 (60416196)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 義弘 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 上級研究員 (70466291)
姚 永昭 一般財団法人ファインセラミックスセンター, その他部局等, 主任研究員 (80523935)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2024: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | GaN / TEM / c+a転位 / ビッカース / スクラッチ / 転位 / 多光子励起顕微鏡 / インデンテーション |
Outline of Research at the Start |
パワーデバイスに適したワイドバンドギャップ半導体(4H-SiC, GaN, Ga2O3, AlN, ダイヤモンド)は、化学的に安定かつ高硬度・脆性材料であるのでウエハ加工で生じた加工変質層の除去が難しく、デバイス性能の劣化、信頼性の低下を引き起こす。従来の加工変質層厚評価は極小面積に限られるため、実際の加工で必要な除去厚とは大きな乖離があった。本提案では、加工によって生じた表面変形サイズ(スクラッチ幅や深さ)と加工変質層厚(転位進展深さ)の比例性を証明した上で、比例性の発生メカニズムを解明する。これらの結果を基に科学的根拠に基づいた加工変質層厚の非破壊評価法を開発することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
市販HVPE-GaN(0001)結晶にビッカース圧痕を形成したモデル試料の狙った転位パタンが観察できる位置を選んでFIBで断面試料を作製した。本試料をTEMで観察し、圧痕表面近傍に形成されるrosette patternを構成する転位が従来報告されているa転位ではなくc+a転位であることを明らかにした。従前に解明した、flower patternの構成転位がa転位、triangular area の転位がc+a転位であることを利用して圧入によって結晶に与えられたエネルギーと転位の生成エネルギーが等しいとの仮定の上でビッカース圧痕サイズ(d)に対する転位パタンサイズを計算すると4.6d(rosette pattern)、11d (flower pattern)、0.98d (triangular area)となり、実験から得られたビッカース圧痕サイズと各転位パタンサイズの相関(3.7d(rosette pattern)、8.4d (flower pattern)、1d (triangular area))と良く整合した。本結果により、rosette patternがa転位として計算した際の逆転現象(16d(rosette pattern)、11d (flower pattern))が解決し、学術的問いのうち明らかにすること5の最大の課題が解消した。 また、圧入で導入された転位のうちrosette patternを構成するc+a転位は光や熱の励起により伸長すること、flower patternを構成するa転位は直線部分で440nm付近で発光するが曲線部分では発光しないことを見出した。これはa転位が分解して部分転位を形成したときの転位構造の組み合わせが直線部分と曲線部分で異なることに起因すると説明した。これらの知見は、デバイス動作における転位の影響を検討する際に重要な情報となる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究においては3年間で項目1~5を完了する計画となっている。 R5年度は、ビッカース圧痕下の転位パタンの評価・解析を通して項目1および項目2のモデルスクラッチ周辺に導入された転位の3次元パタン構造を観察するための技術構築および転位のバーガースベクトルを決定するための技術構築がなされた。また、項目5の根幹となる考え方に問題がないことを確認した。ほぼ計画通りに進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
R6年度は項目1ではモデルスクラッチ周辺に導入された転位の3次元パタン構造の評価、項目2では転位3次元パタン構造の各部における転位バーガースベクトルの同定、項目3の転位の3次元サイズとスクラッチサイズの相関解析を実施する予定である。
R7年度は項目4、5を実施して本研究目標を達成する予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(4 results)