Project/Area Number |
23K04459
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 26060:Metals production and resources production-related
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
山根 岳志 富山大学, 学術研究部都市デザイン学系, 助教 (60272895)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 二重拡散対流 / 連続鋳造 / 偏析 / 透明作動流体 / 可視化 / 数値シミュレーション / 側方凝固 |
Outline of Research at the Start |
連続鋳造において度々問題とされるブリッジングと呼ばれる中央偏析をターゲットとしてその生成機構と二重拡散対流が及ぼす影響,問題が生じる臨界鋳造条件について化学工学的な解析手法で検討し,対流制御という観点から偏析抑制法の策定を行うことを目的とする.このために,連続鋳造を模擬した左右冷却凝固を行う低温模型実験,数値シミュレーションを用いた現象予測,問題発生が予測される条件を対象に模擬的な金属鋳造実験を実施する.
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題で注目する二重拡散対流は凝固過程の液相中に濃度の異なる領域を現出することができ、また二重拡散対流に曝される凝固界面は凹凸を形成することからも,組織内部の濃度変調や連続鋳造において度々問題とされるブリッジングと呼ばれる中央偏析に影響する可能性がある.本研究では連続鋳造過程のブリッジングの生成機構と二重拡散対流が及ぼす影響,問題が生じる臨界鋳造条件について化学工学的な解析手法で検討し対流制御という観点から偏析抑制法の策定を行うことを目的とする.また,二重拡散対流の特徴からその制御により、不純物や介在物の局在化とそれらの除去にも役割を果たすことが期待でき,冷却方法と組織濃度分布との関係の検討から二重拡散対流利用による連続鋳造工程における不純物除去法の提案も試みる. 連続鋳造低温模型実験のパートとして,実施初年度は専用の縦長のテストセクションを製作し,温度勾配と濃度勾配の共存系となる連続鋳造を模擬した水溶液の左右冷却凝固実験に着手した. 数値シミュレーションのパートとして,二重拡散対流が金属の凝固プロセスにおいて関与している可能性の検討を行うべく,連続鋳造の簡易モデルとして,水平一方向凝固を対象としたシミュレーションコードの開発に着手した. 連続鋳造金属模擬実験パートとして,新規導入した3ゾーンチューブ型の電気炉内に,そして溶湯鋳型内に二重拡散対流が発生する温度勾配を作れるよう装置のセットアップに着手した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
連続鋳造金属模擬実験パートとして,新規導入した3ゾーンチューブ型の電気炉内に,そして溶湯鋳型内に二重拡散対流が発生する温度勾配を作れるよう装置のセットアップを進めているところであるが.今回導入の電気炉は海外製であり,コロナ禍での世界的な電子部品不足による大幅な納品遅れ(納品11月末日)と,さらに申請者の研究室の新築棟への引っ越しも重なり,1月に漸く同装置が稼働可能となり,これが当初予定(8月中)より大幅に遅れたことが予定外であった. しかしながら,凝固温度下におかれた深い冷却壁に挟まれた空間(テストセクション)内に水溶液を少量ずつ注入する方法で下方より連続的に凝固させる方法を採用し,連続鋳造における溶湯外側の凝固シェルの生成と,凝固シェルで保持された溶湯の中心方向への凝固進行が再現できた.まずは初期濃度として過共晶条件,つまりは溶質対流が上向きとなる条件において二重拡散対流が安定的に発生しやすいことが確認できた. 数値シミュレーションのパートとして,二重拡散対流が金属の凝固プロセスにおいて関与している可能性の検討を行うべく,連続鋳造の簡易モデルとして,水平一方向凝固を対象としたシミュレーションコードの開発に着手した.使用する支配方程式の離散化に有限体積法を,対流項にハイブリッド法を,圧力項の解法にSIMPLE法を採用し,作成したプログラムコードでの計算結果は,NH4Cl-H2O系を対象とした過去の水溶液で凝固実験と比較しておおむね妥当であることが確認できた.また次段階で実施するSn-Pb,Fe-C,Al-Siの二元系合金系について,必要物性値の収集も完了した.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の成果を踏まえて次の研究課題に取り組む. ①【連続鋳造金属模擬実験の実施】 実験装置のセットアップと専用鋳型の設計製作,それを垂直移動させる機構を設計製作し,炉内温度分布ならびに温度勾配,溶湯の冷却速度を任意に制御できる電気炉システムを完成させる.操作パラメータは「冷却温度」と連続鋳造でいう「ビレット径」および「引き抜き速度」である.ここで,試料合金の入った鋳型幅とその鋳型の炉内垂直移動速度が「ビレット径」と「引き抜き速度」に相当するとして実験する.その後,本格的に同装置を用いて以下の検証実験を実施する.実プロセスで偏析が生じる凝固条件の解明と,対流制御という観点からの偏析抑制法の策定を行う. ②【連続鋳造低温模型実験の実施】 初期濃度,アスペクト比,冷却壁壁間温度差,引き抜き速度に相当する液面上昇速度をパラメータとして流れ場の可視化実験・PIV画像解析を行い,各種条件の影響として,液相内での多重対流発達過程,凝固界面形状の違いの把握を行う.それを通して,二重拡散対流とブリッジングを含めた偏析の因果関係を考察する. ③【数値シミュレーションの実施】 現状からさらに予測精度の向上を図るべく水溶液系を対象に,モデルの見直し・パラメータの最適化,再計算を行い繰り返す.その上で二元系合金系(Sn-Pb,Fe-C,Al-Si)を対象としたシミュレーションを実施し,偏析,ブリッジング形成の予測を試みる.
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