Project/Area Number |
23K04475
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 27010:Transport phenomena and unit operations-related
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
加藤 雅裕 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (80274257)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
霜田 直宏 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 助教 (50712238)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | パラジウム膜 / 吸引法 / 多孔質ステインレススチール / 水素高選択性 / 耐久性向上 / 水素分離膜 |
Outline of Research at the Start |
パラジウム(Pd)膜は水素を高選択的に透過することができるが,ハンドリングで優位な多孔質ステンレススチール支持体上に,高選択性,高透過性,高耐久性のPd膜を成膜するには,以下の3点が求められる。①Pd緻密膜の形成,②薄膜化による水素の高速拡散,③支持体を構成する金属のPd膜中への拡散の阻止。 本研究では,市販の微粒子を,①吸引により比較的大きな支持体細孔に選択的に導入する。次に,微粒子の脱落防止のため,②吸引しながらベーマイトゾルを支持体表面にディップコートする。最後に,③吸引法を伴う無電解めっきによりPd緻密膜を形成する。このような3つの吸引を駆使することでPd膜の耐久性向上を実現する。
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Outline of Annual Research Achievements |
水素を高選択的に分離可能な金属であるパラジウムは高価であることから、多孔質の支持体上に成膜することで薄膜化が可能である。特に、多孔質ステンレススチール管はハンドリングに優れるため支持体として有望である。しかし、表面が粗いため、支持体表面に直接パラジウム膜を成膜すると、緻密なパラジウム膜の成膜に多くのパラジウムを必要とする。そこで、支持体とパラジウム膜の間に中間層として微粒子を導入する試みが行われている。今年度は特に中間層微粒子として市販の球状シリカビーズを選定した。球状シリカビーズは支持体細孔に吸引法で導入され、粒子間隙にガスの透過経路を残したまま支持体細孔を埋めることができるため、透過性の向上が期待される。 本年度は、球状シリカビーズを吸引導入した支持体へアルミナ層をディップコート法で形成後、吸引を伴う無電解めっきを採用した。過去の検討により、球状シリカビーズを吸引導入することで支持体細孔を易動性をもちながら埋めることで耐久性の向上に寄与することが示されている。今回はさらに吸引めっきを行うことで水素選択性の高い緻密なパラジウム膜の成膜を狙った。その結果、従来の吸引を伴わない無電解めっきで得られたパラジウム膜に比べ、狙い通り水素の高い透過性により水素選択性が3倍程度向上した。これはめっきに吸引を取り入れることで、気体の透過経路を選択的にめっきできることを示し、吸引めっきが緻密なパラジウム膜の成膜に有効であることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は予定通りシリカビーズを中間層微粒子として吸引法で導入した支持体へ、吸引を伴う無電解めっきを実施することで、高い水素選択性をもつ膜の成膜に成功した。 これは、吸引法をパラジウム膜の成膜に有効に取り入れることが、膜性能の向上に寄与することを示している。よって、今後、適した中間層微粒子を選定し、吸引法を駆使することで水素選択性と耐久性の両者の向上が実現可能であると判断される点で、研究がおおむね順調に進展していると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度はシリカビーズを中間層微粒子として選定し、支持体表面への吸引による導入と吸引めっきにより、水素選択性の向上を実現した。これは、吸引めっきにより、パラジウム膜の緻密性が向上したことに起因する。 今年度は、特に耐久性向上に注目して、ゼオライトを中間層微粒子として選定する。これは、過去の検討により、ゼオライトを吸引導入することで、支持体細孔を易動性を維持しながら埋めることが可能であることがわかっているためである。よって、この利点を活かしつつ、吸引めっきを行うことで緻密かつ耐久性の高いパラジウム膜が得られることが期待される。
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