Project/Area Number |
23K04492
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 27020:Chemical reaction and process system engineering-related
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Research Institution | Nagaoka National College of Technology |
Principal Investigator |
村上 能規 長岡工業高等専門学校, 物質工学科, 教授 (70293256)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥390,000 (Direct Cost: ¥300,000、Indirect Cost: ¥90,000)
Fiscal Year 2024: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,770,000 (Direct Cost: ¥2,900,000、Indirect Cost: ¥870,000)
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Keywords | ナノバブル / 一重項酸素 / 光 / 外部刺激 / ラジカル / 電子励起 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、まず、ナノバブル内に内包させたオゾンへの光照射とそれによる光分解で一重項酸素を発生させることができるかどうか検討する。次に、「超音波による気泡強制圧壊を用いたラジカル生成制御技術」との融合研究としてナノバブルへの光・超音波照射によるラジカル生成と生成するラジカル種のスイッチング操作とその工学・医工への応用展開を検討、さらに、二酸化炭素削減法としてアンモニアを代替混合燃料として用いることが検討されているが、その結果として排出量増大が懸念されている窒素酸化物の「ナノバブル光照射による電子励起化学種生成と励起種による窒素酸化物の除去法」についても検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
ナノバブルへの外部刺激によるラジカル局所生成法の開発は基礎的な知見に加え、医用・微細加工産業への応用展開が可能な重要な技術である。そこで、本研究では、超音波に加えて光による外部刺激をさらに追加し、これまで全く検討されてこなかったナノバブル光化学反応場を検証することを目的として研究を進めている。まずは、自身の保有する加圧溶解方式のナノバブル発生器において、ナノバブルの寿命をKI法により測定を行った。その結果、ナノバブルの寿命はKI法で検出されるOHラジカル量の減少で測定した結果は短く、他の研究者の動的光散乱、レーザ回折法等の泡径測定器により行われてきたナノバブル寿命測定と比べると短いことがわかった。 引き続き、一重項酸素をナノバブルに生成させる方法として、オゾンの光分解、色素増感反応を使う方法を検討した。オゾンをナノバブルに導入するように加圧溶解式ナノバブル発生器にオゾナイザーを接続し、オゾンをナノバブルに導入できているかをナノバブルの紫外可視吸収分光法により検討した。紫外吸収で測定したオゾンの吸光度は通常のミリバブルの時に比べ、大きく、オゾンがナノバブルに包摂されていることを確認できた。一方で、オゾンの吸収スペクトルは液相にオゾンが溶解したときと同じであり、オゾンがナノバブルに包摂されていることは確認はできなかった。色素増感反応で一重項酸素を生成する予備実験として、ローズベンガル溶液にYAGレーザ2倍波を照射し、一重項酸素を水中に生成させることは確認できた。色素を気相に暴露してレーザを照射しても一重項酸素が生成するとの報告があり、そのような方法を活用することでナノバブル中に導入する方法を今後、検討していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一重項酸素の検出器を購入したが、納期が遅くなった。ナノバブル発生器の性能評価およびナノバブル発生器のナノバブルの寿命が本研究推進の重要な鍵となるので、その測定を優先し、ナノバブルの生成と寿命の測定に専念した。結果として、一重項酸素の検出器によるナノバブル寿命の測定という目標には当該年度では実施することができなかった。また、一重項酸素をナノバブル内に導入するための方法として、オゾンの光分解や色素増感反応を検討したが、オゾン内包ナノバブルの確認が吸収分光によるスペクトルシフトでは確認できず、その他の課題についても解決するまでに手間どってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
ナノバブルは水中に長時間滞在できるため、気体のキャリアー(担体)としてナノバブルの有効性が期待される。また、その光照射によるナノバブル内の気相の電子励起状態の長寿命化とそれを利用した新規光化学反応場の展開を期待している。まずは、オゾンに紫外ランプを照射し、励起酸素原子を生成、水分子と励起酸素原子の反応によるヒドロキシルラジカルの生成ーO(1D)+H2O=2OHー)の確認および色素増感反応で作成した一重項酸素をナノバブル中に包摂できるかどうかを新規購入した近赤外光電子増倍管で確認することを目的としたい。 また、研究を遂行する上での課題としては、ナノバブルに包摂した気体は水中に溶解した分子と平衡を保って存在しており、以下に選択的にナノバブル内の気体のみを励起するかが重要である。方策としては、気体分子をナノバブルに導入する前に、光励起する方法、あるいは、水中で光励起をするが、水中では溶媒による影響で即座に励起状態から基底状態に失活するので、結果的にナノバブル内のみに気体分子の光励起による励起状態が選択的に残存する、の両方の可能性について実験的に検証し、どちらか有効に光照射により生成した電子励起状態のキャリアーとして有効に使うことができるかを検討してみたいと考えている。
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