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低原子価チタン酸化物を活用した高性能担持触媒の開発と作用機構の解明

Research Project

Project/Area Number 23K04493
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 27030:Catalyst and resource chemical process-related
Research InstitutionHokkaido University

Principal Investigator

大友 亮一  北海道大学, 地球環境科学研究院, 准教授 (10776462)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,250,000 (Direct Cost: ¥2,500,000、Indirect Cost: ¥750,000)
Keywords酸化チタン / Ti2O3 / 水素化 / SMSI / マグネリ相チタン酸化物 / 担持コバルト触媒
Outline of Research at the Start

部分的に還元された金属酸化物は還元により生成する低原子価金属に起因した特性を有する.この特性を利用するために,部分的に還元された金属酸化物を担体とした担持触媒が開発されてきた.しかし,還元された金属酸化物によって金属粒子表面が被覆されるなどの問題があった.本研究では,低原子価チタン酸化物を担体とすることで,部分還元されたTiO2担体が抱える問題を回避しながら,低原子価チタンの酸素親和性を活用した高性能な担持金属触媒を開発し,さらにその触媒作用機構を解明する.

Outline of Annual Research Achievements

始めに,低原子価チタン酸化物にPtを担持する方法を検討した.塩化白金酸水溶液を原料として用いて,蒸発乾固による含浸法,析出沈殿法,析出還元法によるTi2O3担体へのPtの担持を行った.調製した触媒を用いてシンナムアルデヒドの水素化を行い,触媒性能を評価した.析出沈殿法,析出還元法ではPtの担持量が少なかったため,高活性な触媒を得ることはできなかった.上記三種類の方法では含浸法が良い担持方法であった.さらに,酸化白金を原料に用いた混練法による担持も検討したが,含浸法で調製した触媒の活性には及ばなかった.これらの検討から,含浸法が最適な担持方法であると判断した.
次に,含浸法によってPt担持量を0.5-5 wt%と変化させてPt/Ti2O3を調製し,担持量が触媒性能に及ぼす影響を検討した.標準反応条件において,3%以下の担持量では生成物収率が10%以下と低かったが,担持量を5%に増加させると収率は50%以上に大きく上昇し,高活性な触媒が得られた.
Ti2O3を担体として高活性な担持コバルト触媒を開発することにも取り組んだ.析出沈殿法によってTi2O3に水酸化コバルトを担持し,これをHe気流中,250 °Cで加熱するとCoO/ Ti2O3が得られ,さらに水素還元するとCo/ Ti2O3が得られた.TiO2など他の担体でも同様の手順で調製した触媒ではコバルトはほとんど還元されずCo3O4として担持された.Ti2O3に担持されたコバルト触媒は,他の担体を用いたコバルト触媒と比較してアニソールの水素化脱酸素反応に対して高い活性を示すことを見出した.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究では,①低原子価チタン酸化物を担体として,SMSIの本質的な問題を回避しながら,低原子価チタンの酸素親和性を活用した高性能な担持金属触媒を開発すること,②Ti2O3を担体として,アニソールの水素化脱酸素反応に高活性を示すコバルト触媒を開発し,この触媒に関するキャラクタリゼーションに基づいて高活性の原因を明らかにすること,を目的としている.
①の検討項目について2023年度の研究によって,Ti2O3にPtを担持する方法について検討を行い,含浸法が適当な方法であることを明らかにした.また,担持量によって触媒活性が大きく変化することも見出し,高活性な触媒をすでに得られた.2024年度以降の研究によって,担持方法の種類や担持量の範囲を拡大することで,より高活性なPt/ Ti2O3を調製する.これらによって検討①の目標は十分に達成できると考えられる.
②の検討項目について,Co/Ti2O3がTiO2など他の担体を用いた触媒と比較してアニソールの水素化脱酸素反応に対して高い活性を示すことをすでに明らかにした.Ti2O3担体の特徴は,コバルトが低酸化数の状態で担持されることであり,これにはTi2O3の還元性が関係していると推測している.2024年度以降の研究では,このCo/ Ti2O3についてキャラクタリゼーションを実施し,活性との関連性を考察する.特に,コバルトの電子状態,水素活性化能について重点的にキャラクタリゼーションを行うことで,Ti2O3の還元性とコバルトの電子状態の因果関係を明らかにし,触媒性能との関係について考察することで②の目標を達成できると考えられる.
以上から,本研究は①,②両方の目標を達成できる見通しがあり,おおむね順調に進んでいると判断した.

Strategy for Future Research Activity

検討項目①について,担持方法の種類や担持量の範囲を拡大することで,より高活性なPt/ Ti2O3を調製する.アークプラズマ蒸着法など担持方法の種類をさらに拡大する.また,Ptの還元方法を水素還元だけでなく,NaBH4など他の還元剤を用いた方法も検討する.担持量によって活性が大きく異なることもわかっているので,担持量の範囲を拡大して,最適な担持量を幅広く探索する.さらに,Ti2O3表面のTi3+は反応性が高く速やかにTi4+に酸化されるため,担持前に担体を還元前処理する効果も検討する.
これまでに得られたPt/ Ti2O3についてXRD, XPS, CO-IR, CO-Pulse, SEM, TEMなどを用いた詳細なキャラクタリゼーションを行って, Pt/ Ti2O3が高活性を示す理由を究明する.
検討項目②について,Co/Ti2O3がTiO2など他の担体を用いた触媒と比較してアニソールの水素化脱酸素反応に対して高い活性を示すことを見出しており,このCo/Ti2O3で高い活性が発現する理由を解明する.Ti2O3が強い還元性を示し,担持されたコバルト酸化物を還元したことで高活性が発現したと考えており,これについて重点的に分析する.Co3O4とTi2O3の間の酸化還元と構造変化のメカニズムを明らかにするため,触媒調製過程,反応前後の触媒サンプルに対してXRD, XPS, CO-Pulse, TEMなどを行う.また,一般的に水素化脱酸素反応では,触媒の水素活性化能が高いことが有利である.この点についても,Co/Ti2O3およびTiO2など他の担体を用いた触媒の水素活性化能を,H2-TPDなどの分析方法によって調べる.触媒反応,キャラクタリゼーションの結果を総合的に勘案して,Ti2O3がコバルトの担持状態,触媒性能に及ぼす影響を考察する.

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (3 results)

All 2024 2023

All Presentation (3 results) (of which Invited: 2 results)

  • [Presentation] Ti2O3担持Pt触媒の調製と触媒性能評価2024

    • Author(s)
      岩﨑天河,佐藤未悠,大友亮一,神谷裕一
    • Organizer
      化学系学協会北海道支部2024年冬季研究発表会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 低原子価をとっ た前周期遷移金属酸化物の合成 と酸触媒特性2023

    • Author(s)
      大友亮一
    • Organizer
      第132 回触媒討論会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Invited
  • [Presentation] 準安定な原子価をとった金属酸化物の 触媒材料としての可能性2023

    • Author(s)
      大友亮一
    • Organizer
      第 98 回触媒化学融合研究センター講演会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Invited

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Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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