Exploration of post-semiconductor device mechanisms by hybrid spatial modulation of graphene
Project/Area Number |
23K04525
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 28020:Nanostructural physics-related
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
林 正彦 秋田大学, 教育文化学部, 教授 (60301040)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉岡 英生 奈良女子大学, 自然科学系, 教授 (40252225)
田沼 慶忠 秋田大学, 理工学研究科, 准教授 (90360213)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | graphene / nanoribbon / conductance / strain engineering / carbon / superconductivity / グラフェン / 電気伝導 / ナノデバイス / 空間変調 / 歪み |
Outline of Research at the Start |
グラフェン中の電子はDiracコーンという特異なバンド構造を持つことで知られている。また,Diracコーンは2つあるので,それを区別する自由度「バレー」を持つことも興味深い。本研究では多要素的なハイブリッド空間変調による新奇物性の実現を目的とする。具体的には歪み,形状,局所ドーピング,超伝導接合等の相乗効果の下での電荷・スピン・バレー流の理論的解明と制御方法の確立を目指す。申請者等がこれまで開発してきた電気伝導シミュレーション手法を拡張し,リアルに近いスケールでの計算を行い,より実験に即した理論構築を行いたい。これらを通してグラフェンによる新規デバイス開拓に寄与することを目標とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
代表者を中心として,これまでに開発したナノ伝導体における電気伝導シミュレーションのアルゴリズムを応用して,構造化歪み(周期的歪み)の存在する場合のグラフェン・ナノリボンの電気伝導度について数値計算を行った。具体的には,デバイスの材料となり得るナノリボンに対して,外部から周期的な歪みを加えた場合の電気伝導を,リボンの幅,長さ,結晶方位,歪み周期の関数として計算した。グラフェンでは armchair 方向に歪みが変化すると,擬磁場効果により電気伝導を抑制することが知られているが,有限サイズの系では境界の影響などが絡み合うため自明ではなかった。本研究では tight-binding 近似によって電子系を表し,リードから入射する電子波の散乱行列を計算し,Landauer 公式を用いて電気伝導度を求めた。その結果,armchairリボンの場合には,一定のゲート電圧を加えた時に電気伝導度の抑制が起きることが分かった。一方で,Dirac点近傍での伝導の抑制は顕著ではなかった。抑制が起きるゲート電圧は波数空間においてDirac点から歪みの周期に対応する波数だけ離れた位置の電子エネルギーに対応し,周期変調による半導体的なギャップによると解釈できる。ただし,この抑制機構はリボン幅によって変化する(幅が狭いほど顕著)ことが分かった。現在引き続き,周期歪みに加えて周期的電位変調を加えた場合の計算を進めている。 さらに,研究分担者を中心として,金属フラーレンポリマーにおける擬一次元電子系のスペクトル関数について多チャンネル・ボゾン化法を用いた研究を行い,2種類のわずかに異なった原子配置が,エネルギー準位に顕著な違いを生むことを明らかにした。また,メソスコピックな2次元超伝導体に関して数値計算的なアプローチを用いての渦糸のシミュレーションを行い準古典理論による結果と比較した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の目標通りに,ゲート電位・構造化歪み(周期的等)の存在する場合のグラフェン等から成る伝導体の電気伝導について計算を進めており,研究代表者を中心として,学会発表を行った他,論文として公表する準備を進めている。また,将来的なデバイス応用のために必要となる電気伝導特性の改良についてもいくつかのアイデアを得ており,今後それらを検証していく予定である。さらに,研究分担者とも協力の下で,電子相関や超伝導相関のある場合のナノ伝導体の電気伝導度の計算手法についても準備を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
現在,研究代表者の下でミーティングを行い,研究分担者および研究協力者(実験家)も交えて,グラフェンナノ構造を用いた実現可能なデバイス構造について議論を行う予定である(6月下旬)。今後は,その結果に基づいて研究を進め,実際の実験と比較可能な計算へと研究を進めるとともに,実験家とも協力して,具体的なデータを得ることを目指す。また,研究分担者との協力の下で,バレー自由度や超伝導相関を取りれた新規物理現象についても考察を進める予定である。
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Report
(1 results)
Research Products
(8 results)