Project/Area Number |
23K04560
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 28050:Nano/micro-systems-related
|
Research Institution | Azabu University |
Principal Investigator |
三澤 宣雄 麻布大学, 獣医学部, 講師 (70442530)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
|
Keywords | 匂いセンサ / 脂質二重膜 / 嗅覚受容体 / 長頭犬種 |
Outline of Research at the Start |
本研究では電気計測用に作製したチップ内で嗅覚受容体の生合成を再現するとともに、匂い分子を高効率で取り込めるように犬の鼻腔を模した構造をチップと融合して匂い検出の高感度化を狙う。犬と同様もしくはそれ以上の匂いへの敏感さが達成できれば、これまでの匂いセンサでは実現されていない「匂い源探索」や「微量な匂い成分の感知・識別」など、新たな匂いセンシング応用への展開が期待できる。
|
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は人工生体膜の電位計測用に作製した微小チャンバー内での嗅覚受容体の再構成および匂い物質検出の高感度化を最終目的として、2023年度は脂質膜形成のためのデバイス作製と電位計測準備に注力した。 はじめに計測用デバイスとしてテフロン製のチャンバーを試作し、横穴が設けられた2つのチャンバーが細孔を有する1枚のシートを挟み込むデザインとした。当初は鉛直方向上下に生体膜内外を模したcis-trans領域を設ける計画であったが、脂質膜形成の際に液量やチャンバー形状が等しい二領域間に脂質膜を設ける方が安定した膜になると判断し、上記のデザインとした。脂質膜の支持体となる細孔を有するシートを様々な材料で検討した結果、溶液のろ過操作に用いられるフィルターが有効であることを見出し、一定の処理を施すことで当該フィルターを介して導通が取れることを確認した。 2023年度の後半からは市販品として入手可能な膜タンパク質を用いて形成脂質膜が二分子膜であることの確認に入る計画であったが、前述の細孔を有する膜材料の選定とその処理方法の探索に時間を要したことと、膜電位計測用の小型増幅器の調達が遅れたことから研究進捗は前述の段階にとどまっている。また、ミネラルオイルを介した揮発性有機分子の水溶液への溶け込み量の評価も並行して行う予定であったが、前述と同様の理由から未着手である。しかしながら、これまでになく簡便に脂質膜の支持体を設定できる可能性を見出したことで、液-液界面で形成される脂質二重膜の実験加速が今後、期待できる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2023年度の目標は「脂質膜形成デバイスの作製と膜タンパク質再構成系の試行」であり、デバイス作製についてはほぼ達成できたが、脂質膜-膜タンパク質の再構成系の実験までは至っていないため。また、匂い物質の溶け込み評価実験や雰囲気ガスの取り込み機構の検討は未着手に終わり、当初の計画よりも進捗がやや遅れていると判断した。
|
Strategy for Future Research Activity |
形成した脂質膜が二分子性の膜であることを市販の膜タンパク質を用いて最優先で確認し、学会等での対外発表に臨む計画である。また、2024年度後半では電位計測チャンバー内での嗅覚受容体の無細胞発現に着手したい。発現させる嗅覚受容体は当初の計画通り、昆虫の化学受容体を想定している。しかしながら、進捗が芳しくない場合は計測チャンバーとは独立した系で脂質小胞共存下での無細胞発現系を試行し、脂質二重膜形成後の電位計測チャンバー内の溶液に添加する方針を取る。
|