Project/Area Number |
23K04572
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 29010:Applied physical properties-related
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
寺嶋 健成 国立研究開発法人物質・材料研究機構, ナノアーキテクトニクス材料研究センター, 主任研究員 (20551518)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 機械学習 / 磁気冷凍材料 / データ駆動型物質探索 |
Outline of Research at the Start |
物理モデルから容易に演算可能な物理量を記述子とする機械学習を行うことで、解釈性と予測精度の両者に優れたデータ駆動型物質探索を目指す。高いエントロピー変化を示す重希土類を含む磁気冷凍材料開発をターゲットとして、磁気エントロピーの源である結晶場分裂に対し、点電荷モデルと実験値との差を機械学習する。 これにより、従来高コストな実験・計算により推定していた結晶場分裂と磁気エントロピーの温度依存性を、結晶データベースのみから予測可能とし、磁気冷凍候補材料の効率的スクリーニングを実現する。実際の候補物質の合成と磁気エントロピー変化量を含めた物性評価まで行い、新たな機能性材料開発の手法を開拓する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ドメイン知識を活かし材料探索に機械学習を有効に取り入れた物質開発を行い、磁気冷凍材料を対象に実際の合成と実験検証までを行う。 結晶構造を用いた機械学習を行うにあたり、組成と物性値のデータベースと結晶構造のデータベースは別個に存在し、対象の結晶構造が自明ではない問題点がある。両者を照合し、組成と結晶構造と物性値(学習データに用いる場合)が紐づいた、新たなデータセットを構築するプログラムを作成した。このデータを用い、物質の機械学習として提唱されている様々な組成記述子を試した結果、グラフニューラルネットワークをベースとし、ノードに格納する特徴量値として部分置換に対応する改良を自前で施したモデルが高精度を達すると判断した。この結果について応用物理学会で報告した。論文準備中である。 これまで組成記述子と勾配ブースティング学習器を用いて作成してきた機械学習モデルにおいては、個々の組成を入力すると予測物性値を返す一方、モデルが学習した知識を得るのは容易ではなかった。機械学習モデルを解釈可能とするため提唱された手法のうち、記述子の予測値に対する個々の寄与を算出するSHAP解析は、学習元にあるデータの分布から記述子ごとにモデルが与える部分予測値、すなわちモデルのデータの理解が可視化できる。これを材料の組成記述子に用いた場合、高いターゲット値を得るのに有利・不利な元素の組み合わせについて指針が得られ有用であることを示した。本結果はSTAM:Methods誌に発表した。 本提案が対象とする材料の合成探索手法として主であるアーク溶解法に対して、より高い再現性を担保すべく合成プロセスの自動化を行った。この結果について応用物理学会で報告した。論文準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度の研究実施により、検討事項の1つであった、種々の提案された手法からどの組成記述子を用いるべきかについて、結晶の結合角を取り入れたグラフニューラルネットワークALIGNNが妥当と判断に至った。実際に機械学習を実施するには組成と結晶構造とが対応したデータを構築する必要があるが、その対応をつけるプログラムを作成し、その条件もクリアするに至った。また公開されているALIGNNは、材料探索で頻繁に用いられる部分置換に対応していない問題があったが、自前の改良によって部分置換に対応し、その結果学習・予測対象が増加し予測精度も向上することを見出し学会発表している。 このほか機械学習モデルからSHAPと呼ばれる解析を通じて知識、合成方針を得る結果をSTAM:Methods誌に発表し、また合成を効率化する自動化を学会発表するなど、順調に研究が進んでいると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
期間中に見出した磁気冷凍材料について論文化を進めるとともに特許申請を行う予定である。 結晶構造を用いた機械学習を行うにあたり、別々に存在する組成と結晶構造のデータベースを照合し、新たなデータセットを構築する必要がある。前年度の研究から、データベース中にある組成と結晶構造の対応をとるアルゴリズムを構築できた。これを磁気冷凍材料に対して行い、結晶構造の紐づいたデータベースを作成する。また結晶構造を記述子として用いるにあたり、公開されている記述子を様々用い機械学習モデルの検討を行った結果、結晶中の結合角まで取り入れたグラフニューラルネットワークALGINNが他の提案された記述子とアルゴリズムの組み合わせに比べて精度の点で優位と判断するに至った。このため磁気冷凍材料に対してグラフニューラルネットワークをベースとした機械学習モデルを作成し、合成実験検証を行う。 また文献から教師データを抽出収集するのが本提案の1つであるが、これに生成AIを用いた検索拡張生成(RAG)を活用していく予定である。パブリックな生成AIサービスはデータ漏洩の危険性があるため、オープンソースで公開されたLlama3を用いることで、ローカルな自前PCにおいて運用を行い、データの漏洩なく検索拡張生成を実施できるよう推進していく予定である。
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