高速機械学習と連携させた原子間ポテンシャルの開発と半導体結晶中の点欠陥の解析
Project/Area Number |
23K04604
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 30010:Crystal engineering-related
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
野田 祐輔 岡山県立大学, 情報工学部, 准教授 (20759766)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | シリコン半導体 / 欠陥構造 / 第一原理計算 / 機械学習 / 部分的最小二乗法 / 原子間ポテンシャル / 遺伝的アルゴリズム |
Outline of Research at the Start |
本研究では、第一原理計算の精度を持ち、大規模且つ高速シミュレーションが可能な機械学習型原子間ポテンシャルを用いて、Si結晶中の原子空孔クラスター、自己格子間Siクラスター、酸素クラスターの挙動を原子レベルで解明することを目的とする。任意の原子空孔・自己格子間Si・酸素欠陥の濃度におけるクラスター構造を特定するために、組み合わせ最適化アルゴリズムと機械学習型原子間ポテンシャルを連携させて、想定される大規模クラスター構造を原子レベルで明らかにする。各種欠陥の比率や温度条件による各クラスター構造の安定性を評価し、Si結晶成長過程における欠陥挙動の理解を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
大規模かつ高速シミュレーションが可能な機械学習型原子間ポテンシャルの開発に向けて、部分的最小二乗法(PLS)に基づく全エネルギー・原子間にはたらく力を予測する機械学習モデルを検討した。Si元素のみで構成する結晶構造(Si単結晶、アモルファス構造など)を対象に密度汎関数理論(DFT)に基づく第一原理計算を実行し、DFT計算から得られる全エネルギー・原子間にはたらく力をまとめた訓練データを作成し、PLSによる機械学習モデルを構築した。全エネルギーのみを訓練したPLSモデルの予測精度は約6 [meV/atom]となり、先行研究の機械学習型原子間ポテンシャルと同程度の予測精度となった。また、機械学習型原子間ポテンシャルの代表的な手法である人工ニューラルネットワーク(ANN)原子間ポテンシャルと比べて、機械学習モデルの構築にかかる計算機資源を約1/100、演算時間を約1/700に削減できた。しかし、全エネルギー・原子間にはたらく力の訓練データをPLSで同時に訓練させると、予測精度が著しく悪くなってしまった。 上記のSi単組成の計算と同様に、Si-O二元系の結晶構造(Si単結晶+挿入型O欠陥、α-quartz SiO2など)を対象とする全エネルギーの訓練データを基にPLS機械学習を実行したところ、PLSモデルの予測精度は約19 [meV/atom]となった。この予測精度は先行研究(機械学習型原子間ポテンシャル)の予測精度と比べて少し劣るものの、概ね良い精度の機械学習モデルを構築できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画当初では、1年度にPLS機械学習モデルを基盤とする機械学習型原子間ポテンシャルの手法を確立させる予定であったが、全エネルギー・原子間にはたらく力を同時に予測できる機械学習モデルを構築できなかったため、進捗が少し遅れている。機械学習型原子間ポテンシャルの入力変数(記述子)の種類や次元を増やしてPLS機械学習モデルの改良を試みたが、大きな改善には至らなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
PLSは線形回帰モデルに基づく機械学習の手法であり、予測精度を上げるために入力変数(記述子)の種類や次元を増やす必要があった。その結果、当初の予定よりも入力変数に相当する数値データを確保しなければならず、データ容量やメモリを多く占有してしまうという問題が生じた。2年度では、PLSの代わりにニューラルネットワークモデルの一種であるExtreme Learning Machine(ELM)を採用し、機械学習型原子間ポテンシャルの手法を確立するための機械学習モデルを検討する。ELMでは入力層・隠れ層間の重みパラメータをランダムに与え、隠れ層・出力層間の重みパラメータを1回の逆行列演算のみで求めるため、ANNで使用する誤差逆伝播法と比べて遥かに短い演算時間で機械学習モデルを構築できると想定している。全エネルギー・原子間にはたらく力を同時に予測できるELM機械学習モデルを構築し、十分な予測精度の達成を確認した後、Si結晶中の大規模原子空孔クラスターおよび格子間Si原子クラスターの構造探索に関するシミュレーションを実行する。
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Report
(1 results)
Research Products
(5 results)