データ同化を用いた原子炉熱流動挙動の高精度評価プログラムの構築
Project/Area Number |
23K04629
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 31010:Nuclear engineering-related
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
石垣 将宏 福井大学, 学術研究院工学系部門, 准教授 (30626007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 意育 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 安全研究・防災支援部門 安全研究センター, 任期付研究員 (50562427)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | データ同化 / 原子炉熱流動 / 数値流体力学 |
Outline of Research at the Start |
原子炉の安全性向上のため,過酷事故時の原子炉内熱流動挙動の高精度評価が必要である。一般に過酷事故時の熱流動挙動は大きな不確かさを含んでいると考えられている。この大きな不確かさの主な要因として,初期条件や境界条件を正確に決定できないこと,熱流動挙動を支配する物理現象の物理モデルが不確かさを有することが考えられる。高精度な解析を実現する上で,これらの不確かさを同時に低減する必要がある。そこで本研究では,実測データと数値解析を融合し高精度の解析値を与える手法であるデータ同化を適用することで,初期条件・境界条件の不確かさの低減および物理モデルの最適化を同時に図り,高精度の熱流動解析を実現する。
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Outline of Annual Research Achievements |
原子炉の安全性を向上させるうえで,原子炉事故時の熱流動挙動,特に過酷事故時の熱流動挙動をより高精度に評価する手法の構築は非常に重要な課題である。これを実現するため,本研究ではデータ同化の手法を用いて,数値流体力学解析の高精度化を実現することを目的とする。今年度は,まず凝縮モデル最適化および乱流物質拡散モデル最適化に大きく影響を及ぼす,大型容器体系内における異なるガス種の混合挙動のデータ同化解析を実施した。大型体系において,観測点が少数でもデータ同化により,観測点のない領域の温度分布が改善され,解析の不確かさを低減させることができた。またデータ同化を行う際に,密度をデータ同化の対象に含めることで質量保存性能が向上することが分かった。これらの知見は過酷事故時の熱流動解析に対して,データ同化を適用することで,解析の高精度化が可能であることを示すものであり,重要な基礎的知見であると考えている。 これまでにデータ同化手法として局所アンサンブル変換カルマンフィルタ(LETKF)を適用して,並列計算を実施してきたが,大量の計算時間を要していた。今年度,LETKFのアルゴリズムおよびデータ入出力の手法を見直し,計算手法を改良したデータ同化の計算コードを実装した。その結果,従来計算コードから数値流体力学解析部分(データ入出力処理を含む)の計算速度を1.3倍,データ同化のための行列演算部分の計算速度を18.6倍,全体として1.8倍の計算の高速化を実現できた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
大型格納容器実験装置内熱流動挙動に対するデータ同化解析を効率的に行うため,計算コードの高速化を実施したが,想定以上に時間を要した。このため,凝縮モデルの最適化のためのデータ同化解析に遅れが生じた。一方で,データ同化解析コードの高速化を達成したため,今後,解析の遅れは解消できるものと想定している。
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Strategy for Future Research Activity |
上述のように凝縮モデルの最適化のためのデータ同化解析に遅れが生じているため,継続して解析を行い,凝縮モデルの最適化を進める。輻射モデルについては数値流体力学解析を実施中であるため,今後データ同化解析を進める。また,乱流物質拡散モデルの最適化も引き続き継続して実施する。
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Report
(1 results)
Research Products
(1 results)