放射線の三次元影と人工知能が拓く放射線イメージングの新機軸
Project/Area Number |
23K04641
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 31010:Nuclear engineering-related
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
北山 佳治 国立研究開発法人日本原子力研究開発機構, 福島研究開発部門 福島研究開発拠点 廃炉環境国際共同研究センター, 研究職 (20883945)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野上 光博 東北大学, 工学研究科, 助手 (10847304)
人見 啓太朗 東北大学, 工学研究科, 准教授 (60382660)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,730,000 (Direct Cost: ¥2,100,000、Indirect Cost: ¥630,000)
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Keywords | ガンマ線イメージング / ガンマ線イメージャー / 三次元影 / 機械学習 / C3G / C3-G |
Outline of Research at the Start |
放射線イメージング技術は医療や天文学などで利用されてきた。近年は福島環境回復など多岐にわたる応用がなされている。しかし、主要なイメージング技術は、現代の複雑な要求を満足しているとは言い難い。多様化していくニーズに対して、次世代の放射線イメージング技術が必要である。本研究では放射線の三次元影を用いる手法を放射線イメージングの新規軸として提案する。本手法は、空間に無作為に配置した遮蔽体によって形成される放射線フラックスの空間的な濃淡(三次元影)パターンを人工知能が解釈するものである。本研究により、既存手法と同等以上の高空間分解能で全天球視野イメージングが可能となり、関連分野の飛躍的発展が実現する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、空間に三次元的に配置したガンマ線検出器の応答パターンから、ガンマ線源の位置を逆推定する手法を確立し、その手法を利用したガンマ線イメージャーの開発を行うことを目的としている。今年度は、本手法の角度分解能や方向推定精度といったイメージャーの性能に強く影響を与えるパラメータの探索と、その最適化手法についての検討を実施した。 研究の結果、各検出器の応答強度のコントラストが低く、また似たような応答パターンが複数の位置で出現するような方向からガンマ線が入射すると角度分解能が悪化することが分かった。応答パターンのコントラストや一意性の高さは、遮蔽体と検出器の配置によって決定されることから、我々はイメージャージオメトリを設計するうえでの重要な指標を得た。ガンマ線の入射方向によって検出器の応答パターンが大きく変わるようなジオメトリを複数パターン考案し、ガンマ線イメージングシミュレーションを実施したところ、大幅な性能向上が確認された。 次年度以降は、いくつかのパラメータについてさらなる詳細な検討を重ね、機械学習的にイメージャージオメトリを最適化する手法について検討する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、イメージング精度と検出器応答パターンの特徴の間の関係性を調査することで、イメージャージオメトリを設計するうえでの重要な指標が、応答パターンのコントラストと一意性の高さであることを突き止めることができた。さらに得られた知見をもとに、イメージャーのジオメトリを改修することで、イメージング精度の向上が確認できた。 以上に示すような成果が得られたため、現在までの進捗状況はおおむね順調に進展していると結論できる。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度の研究の結果、応答パターンのコントラストと一意性の高さが、提案手法のイメージング性能に強く影響を与えることを明らかにした。これらはイメージャージオメトリの設計を行う上で重要な指標である。実際に、得られた知見をもとにジオメトリを見直した結果、イメージング性能の大幅な向上が見られた。 一方で、無数にある遮蔽体と検出器の配置パターンから最適なものを選択する手法については未だ確立できておらず、現状のイメージャージオメトリ設計手法は非効率的である。今後の研究の推進方策としては、イメージング性能を決定する複数のパラメータを機械学習を用いて最適化する手法を模索し、ガンマ線イメージャーの応用先によって最適なジオメトリを効率的に設計できることを目指す。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)