Project/Area Number |
23K04652
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 31020:Earth resource engineering, Energy sciences-related
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
亀谷 雄樹 千葉工業大学, 工学部, 准教授 (50734422)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 多孔性高分子 / 蒸発孔 / 気液選択性透過 / 粒子層ウィック / エネルギー界面工学 / Atmospheric cooling / Spectral energy design / Water harvesting / Metasurface |
Outline of Research at the Start |
エネルギーと水資源の確保は地球規模での課題であり、海水淡水化などの水処理プロセスへの太陽熱の導入促進は、持続可能な水利用のために重要となる。本研究では、太陽熱蒸留システムで性能向上が求められている放熱技術について、分光エネルギー表面設計と微細加工技術を活用し、大気環境下での自発的な冷却促進を実現する大気放熱マイクロ構造層を創製する。さらに、高度に自立した環境調和型システムを構築するため、周辺技術の開発にも取り組む。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、持続可能なエネルギーと水資源の利用システム構築へ向け、太陽熱を用いる蒸留システムの高性能化のための大気放熱技術の高度化を目的としている。分光エネルギー表面設計に基づく放射冷却と、水の蒸発による熱輸送とを共存させた複合冷却メカニズムを新規に確立し、大気放熱の機能を増強させることを目指している。熱放射層と水輸送層から成るマイクロ構造層を形成することで、放射冷却を行いつつ、冷却水を毛管力で輸送して微小孔から蒸発させる自立的な放熱過程を実現する。マイクロ構造層の基礎特性を明らかにし、コンデンサへ実装して大気放熱を評価することで、先行技術に対する優位性を実証する。 令和5年度は、大気放熱マイクロ構造層の製作プロセス構築、および製作した試料に関する基礎特性の評価に取り組んだ。蒸発孔をもつ熱放射層の作製では、放射冷却に適した光学特性をもつ素材を用いて厚さ数百ミクロンの膜を多孔質状に成型するプロセスを検討した。さらに、マイクロ構造層の形成のため親水性ポリマー多孔質体を熱放射層と組み合わせる手法を構築した。このように製作された試料について、分光計測による放射冷却の機能性を評価した。具体的には、マイクロ構造層における拡散反射を定量評価すべく分光光度計へ積分球を導入して可視~近赤外光の半球反射率を測定するための実験環境を整備し、試料の拡散反射に関する特性を評価した。最後に、熱放射層における蒸発孔の流体透過性の基礎評価として、制御ガス(窒素・空気)を流通させる装置を作製して窒素ガス側での酸素濃度変化を計測することにより、ガス透過速度に関する知見を得た。 以上の実施内容により、次年度以降の研究を進めていくための基盤を構築することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画に記載の実験内容について実験装置の構築や機器の整備、さらにデータの取得を実施することができている。さらに、前年度までの研究課題〔20K05406基盤研究(C)太陽熱蒸留システムにおける界面現象の制御〕から継続的に取り組んでいる環境調和型システム構築のための周辺技術についても、蒸発器の要素技術に関して進展を得た。この成果については国際学術誌上で論文を出版した。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでのところ当初の研究計画に沿った進捗を得られているため、今後の研究についても研究計画に従って推進していく。また、本研究を基課題とした新たな研究課題〔国際共同研究加速基金(国際共同研究強化)23KK0271大気放熱促進のための多孔性メタサーフェスによる複合冷却メカニズムの制御〕に採択されたため、二つの研究課題を連携させることにより国際的にインパクトの高い成果を目指していく。
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