Project/Area Number |
23K04654
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 31020:Earth resource engineering, Energy sciences-related
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Research Institution | Meijo University |
Principal Investigator |
細田 晃文 名城大学, 農学部, 准教授 (50434618)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2025: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2024: ¥650,000 (Direct Cost: ¥500,000、Indirect Cost: ¥150,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 銅イオン耐性 / Aspergillus / ゲノム解析 / 銅還元微生物 / バイオミネラリゼーション / 銅耐性遺伝子 / 遺伝子組換え / 銅リサイクル |
Outline of Research at the Start |
銅は環境負荷の高い方法でリサイクルされ,その生物毒性により生物による金属製錬に適さないと考えられている.申請者は,これまでに銅イオンを還元する銅還元嫌気性細菌の培養物を構築し,その細菌群集構造解析から銅還元能や耐性能を有する細菌種が優占化したことを見出したが,この銅イオン還元濃度では実用的な銅廃棄物のバイオミネラリゼーションに適さないという課題が生じた.そこで申請者が保有する高い銅耐性能を有する糸状菌の銅耐性遺伝子の同定と嫌気性銅還元細菌への銅耐性能の導入およびその細菌を用いた実用的銅廃棄物処理を目指した.本研究による嫌気性銅還元細菌を得ることは,新たな銅リサイクルにつながると期待できる.
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究では,申請者が保有する銅耐性および金属還元能を有する糸状菌Fr-B株 (Aspergillus versicolorと近縁)のゲノムDNA抽出およびナノポアシークエンスとMGIseqのハイブリッドアッセンブルによりドラフトゲノムを決定した.Fr-B株のゲノム解析の結果,34.5Mbpの配列が決定し,scaffoldsが2044配列また推定遺伝子領域(ORF)は1,070,371配列見つかった。近縁であるA. versicolor D5のORF数は12,702であるが,今回得られた結果はその約90倍であったことから,解析したFr-B株のゲノムDNA配列が断片化していたといったことが推察された.しかしながら,今回のゲノム配列決定により同属の既知株で明らかにされているゲノム配列と近い塩基配列決定ができたと考えられた.得られたゲノム情報に基づきBlast+プログラムによって銅耐性に関与すると考えられる遺伝子の相同性検索を行った.その結果,Aspergillus nidulans(A. versicolorとの近縁種)のTPA:copper resistance P-type ATPase(CrpA,YgAおよびCrdA)の3つの遺伝子が銅耐性に関与する候補遺伝子として見出された.遺伝子配列の情報から,CrpAは1,211アミノ酸残基,YgAは1,182アミノ酸残基,CrdAは109アミノ酸残基であることが分かった.この結果に基づき,当該遺伝子をクローン化するため,一定期間培養したFr-B株からのRNA抽出およびcDNAの合成を目指したが,RNA抽出条件が適切ではなかったため,短鎖化していないcDNAを得られなかった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画では,同定した銅耐性に関与する候補遺伝子のクローン化を行うため,RNA抽出とcDNA合成までを行う予定であった.RNA抽出方法が適切でなかった可能性があり,合成したcDNAから候補遺伝子を得るためのPCRを行ったが,目的遺伝子サイズの増幅が認められなかった.この状況を解決するため,培養条件として銅イオン濃度を変更してFr-B株を培養し,RNA抽出およびcDNA合成を行う.また,同時にcDNAから増幅するプライマー配列の見直しも行う.目的遺伝子の増幅が達成できれば,速やかにタンパク質発現用のクローニングベクターを構築し,大腸菌への形質転換および銅耐性の確認を行う予定である.以上の結果より,本研究はわずかに進捗が遅れていると判断している.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,RNA抽出条件を見直し,RNA抽出と長鎖のcDNA合成を行い,候補遺伝子CrpA,YgAおよびCrdAのPCR増幅およびクローン化を行い,大腸菌への形質転換と銅耐性の確認を行う.もし,候補遺伝子の銅耐性が顕著でない場合は,Fr-B株そのものの候補遺伝子を破壊する実験を行い,銅耐性遺伝子であるかの確認を行う.
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