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Verification of the contribution ofandchains involved in the formation of hemoglobin hinge and switch region structure

Research Project

Project/Area Number 23K04660
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 32010:Fundamental physical chemistry-related
Research InstitutionUniversity of Tsukuba

Principal Investigator

長友 重紀  筑波大学, 数理物質系, 講師 (80373190)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 庄司 光男  筑波大学, 計算科学研究センター, 教授 (00593550)
Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
Keywordsヘモグロビン / hinge / βサブユニット / 四次構造変化 / switch
Outline of Research at the Start

ヘモグロビン(Hb)の機能(協同的酸素結合)発現にかかわる四次構造変化へのα鎖とβ鎖への寄与は申請者のこれまでの分光に基づく研究により,α鎖とβ鎖で異なっていることを見出しているが,この構造変化に寄与するα鎖とβ鎖の役割の違いについて,とりわけβ鎖についてはβ鎖へのリガンド結合による変位の伝達に関して,明確な説明がなされていない.四次構造変化において重要なhinge, switch領域の構造とα鎖,β鎖間のヘム近傍構造の微細な違いの具体的記述を通して,ヘモグロビンの協同効果発現機構の具体的な提案を試みる.本研究においては原子レベルでの議論ができる結晶構造解析と理論計算を駆使して研究を推進する.

Outline of Annual Research Achievements

本申請課題「ヘモグロビンのhingeとswitch領域構造の形成に関わるα鎖とβ鎖の寄与の検証」は,実験と理論の両方から実施する.しかしながら,課題内容が実験系で達成されなければ理論による裏付けが意味をなさなくなるので,1年目は実験系を中心に実施した.分光実験(紫外共鳴ラマン)より,ヘモグロビンβ鎖への配位子(CO)結合により,hinge領域に存在するトリプトファン(Trp)の強度変化が観測される一方,チロシン(Tyr)の振動には顕著な変化がみられないことがわかっているので,最初にβ鎖への配位子(CO)結合によるswitch, hingeへの構造変化を調べることを行った.αFe3+βFe2+-deoxy(以下ハーフdeoxy形と記す)とαFe3+βFe2+-CO(以下ハーフCO形と記す)の結晶を作成し,結晶構造解析が高分解能(1.4 Å)で達成されたので,原子間距離の詳細な記述が可能になった.switch領域ではヘモグロビンβ鎖への配位子(CO)結合の有る無しにかかわらず水素結合(Tyrα42のフェノールのO原子とAspβ99のカルボキシ基のO間に形成される水素結合)が維持されていたが,ハーフdeoxy形とハーフCO形ではhinge領域のAspα94のカルボキシ基のO原子とTrpβ37のインドール環のN間の原子間距離が0.9 Å伸長していることが明らかになった.これはβ鎖への配位子結合による効果がswitch領域には影響を及ぼさず,hinge領域にのみ”原子間距離の伸長”という形で影響を及ぼしていることが明らかになった.この内容は分光実験とも一致する.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

課題であるヘモグロビンのβ鎖への配位子結合がhinge領域の構造変化を引き起こすかどうかを調べるためにα鎖がFe3+で配位子が結合しない原子価混成ヘモグロビン(αFe3+βFe2+-O2)を調製した.ここに一酸化炭素(CO)を結合させたαFe3+βFe2+-CO(以下ハーフCO形と記す)ヘモグロビンと脱酸素下(窒素雰囲気化)にしてβ鎖から酸素を除去してβ鎖に配位子が結合しないαFe3+βFe2+-deoxy(以下ハーフdeoxy形と記す)ヘモグロビンの結晶を作成し,それぞれ結晶構造解析を行った.その結果,どちらも分解能1.4 Åで構造解析が達成され,ハーフdeoxy形ヘモグロビンからCOがβ鎖に配位したハーフCO形ヘモグロビンで0.9 Åのhinge領域の原子間距離(Aspα94のカルボキシ基のO原子とTrpβ37のインドール環のN)の伸長が明らかになった.これまでに振動分光(紫外共鳴ラマン分光:TyrとTrpの振動スペクトルを得ることができる)においてヘモグロビンのβ鎖への配位子(CO)結合ではTyrには変化がなく,Trpの強度減少のみが観測されることが知られていたが,本結晶構造解析により,β鎖への配位子(CO)結合により引き起こされるヘモグロビン分子の構造変化がhinge領域の原子間距離の伸長にあることが明らかになった.

Strategy for Future Research Activity

β鎖への配位子(CO)結合により,ヘモグロビンのhingeを形成するAspα94のカルボキシ基のO原子とTrpβ37のインドール環のNの間の伸長が起こることを結晶構造解析によって明らかになった.β鎖への配位子結合によりβ鎖のFe-His結合がヘム方向へ引き込まれるが,このことによりHisが含まれるβ鎖のF-ヘリックスもまたヘム方向へ引き込まれることによりヘム方向への変位(移動)が起こる.この変位は0.5 Å程度と見積もられるが,この変位がどのようにしてヘモグロビンのhingeを形成するAspα94のカルボキシ基のO原子とTrpβ37のインドール環のNの間の伸長へとつながるのか,その経路を明らかにすることが次の課題となる.科研費の申請書類にも記したが,理論計算により,量子古典混合計算(QM/MM法)あるいは古典分子動力学計算(CMD法)を用いてβ鎖のFe-Hisの動きによるアミノ酸残基の変位(β鎖のF-ヘリックスの変位)を伴うhingeの構造変化のメカニズム(機構)を明らかにすることが次の課題である.理論計算ではQM/MMによりヘム鉄力場を十分に検証し,その後でCMDによる理論解析を進める.この理由は以下に記すように,CMD法では汎用のヘム鉄力場の記述が正確でないため,ヘム鉄力場の十分な検証が必要となる.

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (2 results)

All 2023

All Presentation (2 results)

  • [Presentation] ヘモグロビンM IwateとM BostonのFe-O伸縮振動の理論計算の改良およびヘモグロビンAとの構造の比較2023

    • Author(s)
      長友重紀,寺田拓人,庄司光男,重田育照,中谷清治,廣田俊,柳澤幸子,久保稔,北川禎三,長井雅子,大木規央,朴三用,柴山修哉
    • Organizer
      第49回生体分子科学討論会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] Crystallographic structures of four kinds of Hemoglobin M which has Fe-Tyr coordination bond2023

    • Author(s)
      Shigenori Nagatomo, Ayana Sato-Tomita, Yumi Semba, Akihisa Miyagawa, Kiyoharu Nakatani, Mio Ohki, Kenji Mizutani, Sam-Yong Park, Naoya Shibayama
    • Organizer
      The 61th Annual Meeting of the Biophysical Society of Japan
    • Related Report
      2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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