Project/Area Number |
23K04665
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 32010:Fundamental physical chemistry-related
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
山口 毅 名古屋大学, 工学研究科, 助教 (80345917)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥3,510,000 (Direct Cost: ¥2,700,000、Indirect Cost: ¥810,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | 濃厚電解液 / リチウムイオン電池 / 粘弾性 / 構造緩和 / 横波超音波 / 濃厚電解質溶液 / 粘度 / リチウム塩 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、リチウムイオン電池の新規電解液材料として注目されているリチウム塩の濃厚電解質溶液を対象として、申請者らが開発したGHz領域での液体の粘弾性測定法を軸として、中性子準弾性散乱測定や分子動力学シミュレーションを組み合わせることで、リチウム塩の濃厚電解質溶液の粘弾性緩和が溶媒の化学種や塩濃度を変化させることでどのように変化するのか、また巨視的粘弾性緩和がどのような微視的ダイナミクスと相関しているのかを検討し、これら濃厚電解質溶液の粘度の微視的機構を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
Lithium bis(trifluromethanesulfonyl)amide (LiTFSA)の水溶液、Propylene carbonate (PC)溶液、Dimethyl carbonate (DMC)溶液について、濃度を変えて25℃で粘弾性緩和スペクトルを測定した。測定周波数域は5 MHz ~ 3 GHzであり、測定は金電極付QCM-D法(5 ~ 205 MHz)と無電極水晶振動子を用いたQCM-D法(65 MHz ~ 3 GHz)を併用して用いた。 三つの異なる溶媒中のスペクトルを同一定常粘度で比較すると、水とPCは緩和時間がほぼ等しく、DMC溶液の緩和は他の二種の溶媒中より若干遅かった。また、DMCと水・PCとの違いは濃度の増加とともに大きくなった。同一溶媒中での緩和の濃度依存性に関しては、緩和時間の濃度依存性は概ね定常濃度の濃度依存性に従ったが、水やPCでは緩和時間の濃度依存性は定常粘度のものよりも若干小さく、DMCではその逆の傾向が見られた。今後の研究で溶媒や塩の種類を変えて詳細に検討する必要があるが、現在のところ、DMCは誘電率が低いために塩の凝集が水・PC溶液中より進みやすいことが原因と推測している。 濃厚水溶液中の粘弾性緩和スペクトルを超音波スペクトロスコピーで測定した体積粘性率の周波数依存性と比較すると、両者の緩和は概ね一致し、ずり粘性と体積粘性は同種の微視的構造緩和を反映していることが示唆された。既報の中性子準弾性散乱スペクトルとの比較からは、8 ~ 12 nm-1付近に見られるアニオンのパッキング構造の緩和の重要性が示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
三種類の溶媒の比較によって、粘弾性緩和に対する定常粘度とは異なる溶媒効果の存在を示すことができた。また、J-PARC MLFのDNA分光器を用いた中性子準弾性散乱の公募課題にも採択されており、中性子準弾性散乱の基礎となる熱力学データ、緩和データの取得も終了している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和6年度は、極性の異なる溶媒や塩の種類を変えて測定を行い、イオン会合が粘弾性挙動と関係しているという仮説の検討を行う。また、J-PARC MLFの後方散乱型分光器DNAを用いて濃度が異なる水溶液の中性子準弾性散乱を測定し、粘弾性緩和との比較から、緩和時間の濃度依存性と微視的ダイナミクスとの関係を検討する。さらに、溶媒が異なる濃厚電解液について、海外の研究グループと協力して中性子準弾性散乱や超音波スペクトロスコピーとも併せた解析を行うことを検討している。
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