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厳密inverse Kohn-Sham法を使った時間依存DFT理論の構築と数値計算による原理検証

Research Project

Project/Area Number 23K04676
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 32010:Fundamental physical chemistry-related
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

加藤 毅  東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (10321986)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Keywords逆Kohn-Sham積分方程式 / 実時間密度汎関数計算 / 厳密密度汎関数化 / 時間依存密度汎関数理論
Outline of Research at the Start

密度汎関数理論(DFT) は電子系の全ての物性が電子密度から計算可能であることを主張している.従って,物質の動的な性質を知るためには,時間変化する電子密度が計算できればよい.本研究は,非定常状態における厳密な電子密度を数値的に求めるアルゴリズムを構築し,その有効性をモデル計算を通して明らかにすることを目的としている.本研究で提案する時間に依存したDFT計算の一意的な数値解法の精度は,時間に依存した波動関数理論を使った厳密計算結果との比較から検証する.本研究の目的が達成されれば,一般の分子に適用できる,精度のよい,一意的な,時間に依存したDFT計算アルゴリズム開発のための基礎が築かれる.

Outline of Annual Research Achievements

2023年度は,私が提案した逆Kohn-Sham積分方程式を繰り返し算法によって解く場合の標準的な解法の研究を行った.既報“Kohn-Sham potentials by an inverse Kohn-Sham equation and accuracy assessment by virial theorem”, T. Kato and S. Saito,J. Chin. Chem. Soc.70 (2023) 554-569 で開発した手法は一般的ではあったが,標準的ではなかったためである.逆Kohn-Sham積分方程式は第二種のフレドホルム積分方程式の形に纏め上げることができる.このことから数学分野での研究成果を援用することで,占有Kohn-Sham軌道からなるgeminalを構築すると,厳密なKohn-Shamポテンシャル関数を求めるための標準的な繰り返し算法が構築できることを見出した.さらには,この方法に従えば,積分方程式の主要部分を代数方程式に置き換えられて数値計算が簡単化される.この成果は第25回理論化学討論会の場で発表した.
また,時間依存の密度汎関数計算の初期値として必要となる,基底電子状態における全電子エネルギーの厳密密度汎関数化にも取り組んだ.この問題は,一般の密度汎関数理論研究でも未解決の問題であり,その解決には意義があり,科学的に大変重要な問題である.これまでに,厳密な密度汎関数化の定式化を終えている.現在までに全電子エネルギー,あるいは,同じことではあるが,交換相関エネルギーの厳密な表式として「断熱結合公式」が提案されているが,その公式を評価するためには多体波動関数の多数回の計算が必要であり,密度汎関数法を利用する利点が失われる.本研究で見出した密度汎関数公式には多体波動関数の情報が含まれておらず,密度汎関数理論と合目的であるところに意味がある.現在は既報で使ったモデル系を使って,新たに導いた関係式の計算手法,精度を詳しく吟味している.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本研究の目的は,厳密な実時間密度汎関数法の実現方法の確立である.そのためには,主に(1)全電子エネルギーの密度汎関数化(2)複素Kohn-Shamを使った場合の逆Kohn-Sham積分方程式を効率よく解く解法の確立が必要とされる.それらが確立された場合の計算アルゴリズム「対をなすCrank-Nicolson法」は既報で提示済みである.
今年度の成果,「厳密なKohn-Shamポテンシャル関数を求めるための標準的な繰り返し算法の構築」は上記項目(2)を達成するための基礎的な研究となる.また,現在,検討の対象としている全電子エネルギーの厳密密度を使った密度汎関数化は項目(1)そのものである.この課題は,一般の密度汎関数理論研究でも未解決の課題であり,その解決には意義があり,科学的に大変重要な課題である.これまでに,厳密な密度汎関数化の定式化を終えている.全電子エネルギー,あるいは,同じことではあるが,交換相関エネルギーの厳密な表式として「断熱結合公式」が知られているが,その公式を評価するためには多体波動関数の多数回の計算が必要であり,密度汎関数法を利用する利点が失われる.本研究で見出した密度汎関数公式には多体波動関数の情報が含まれておらず,密度汎関数理論と合目的である.

Strategy for Future Research Activity

全電子エネルギーの厳密密度汎関数化の定式化に関して,モデル系を使った数値的な吟味を十分に行い,本研究で提案しようとする厳密な定式化が具体的な問題に適用できるのかを判断する.この厳密密度汎関数化が図られた場合には,既報でそのアイデアを提案している,実時間密度汎関数法の「対をなすCrank-Nicolson法」による実現を目指す.計算の精度を調べるために波動関数理論から厳密な解が計算できるモデル系を使って,本研究で提案する時間発展手法の計算精度の比較研究を行う.
もし,全電子エネルギーの厳密密度汎関数化が数値的には満足なものでないと判断される場合には,波動関数理論を使って実時間密度汎関数法の初期値を準備する.そのようにしても「対をなすCrank-Nicolson法」の実現のために解決しなければならない課題は変更を受けない.

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (2 results)

All 2023

All Presentation (2 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Presentation] Kohn-Shamポテンシャルと占有Kohn-Sham軌道関数の関係2023

    • Author(s)
      加藤 毅,斉藤 真司
    • Organizer
      第25回理論化学討論会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] A bound of the rung toward an exact KS potential2023

    • Author(s)
      Tsuyoshi Kato and Shinji Saito
    • Organizer
      International Symposium on Quantum Frontiers
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Int'l Joint Research / Invited

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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