Project/Area Number |
23K04678
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 32010:Fundamental physical chemistry-related
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
北村 勇吉 静岡大学, 工学部, 助教 (00855702)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
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Keywords | 分光スペクトル解析 / アンサンブル学習器 / 量子化学的記述子 / 構造機能相関 / ソルバトクロミズムシフト |
Outline of Research at the Start |
本研究課題は,多数の異種分子が複雑に相互作用する溶液系および生体系のスペクトルを対象として,(A)量子化学的記述子を用いたアンサンブル機械学習モデルによる分子スペクトルの予測精度の向上,(B)重要な特徴量データ(記述子)の構造を可視化し、解釈を与えることによって機能と構造間の相関関係を網羅的に解明する。構造ダイナミクスと分光スペクトル形状との相関関係解析の汎用化・高精度化する新規手法を開発する。ペプチド鎖の2次構造に関連するアミドI, IIモードや色素分子のソルバトクロミズムシフトなどに適用し,従来のモデルでは考慮されていなかった「隠れた因子」を明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は,多数の異種分子が複雑に相互作用する溶液系および生体系のスペクトルを対象として,(A)量子化学的記述子を用いたアンサンブル機械学習モデルによる外部摂動応答スペクトルの予測精度の向上,(B)得られた予測モデルに対して,統計解析手法を適用して重要な特徴量データ(記述子)の構造を可視化し、解釈を与えることによって機能と構造間の相関関係を網羅的に解明する理論手法の確立を目標とした研究計画を策定するものである。前者については,量子化学的記述子を用いた機械学習手法を基づくスペクトル予測モデルを構築することによって,構造ダイナミクスと分光スペクトル形状との相関関係解析の汎用化・高精度化する新規手法を開発する。後者では,ペプチド鎖の2次構造に関連するアミドI, IIモードや色素分子のソルバトクロミズムシフトなどに適用し,従来のモデルでは考慮されていなかった「隠れた因子」を明らかにすることを目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
水素結合系振動プローブ分子において,原子上の電場や静電ポテンシャルから静電相互作用を用いた数理モデルを仮定し,構造変化や溶媒配向に依存した振動数シフトが調べた。従来の数理・機械学習モデルでは原子上の作用点に基づいているが,「原子以外の作用点を含む電場記述子」によって電子分布の異方性や分極効果を正確に記述することができることが判ってる。このアプローチを発展させて,OH官能基の近傍での静電ポテンシャルの空間分布から構築された静電ポテンシャルマトリックスに基づいた機械学習モデルを構築し、水90量体振動解析データ群に対して適用し,モデル性能を検討した。主成分分析(PCA)によって静電記述子の次元縮約を行い,得られた固有値から静電ポテンシャル記述子を構築することで、過学習を避けることが判った。さらに,線形回帰や決定木ベースを組み合わせたアンサンブル学習器によって,静電ポテンシャルに対するsum ruleを満たしつつ予測モデルの高精度化を実現できた。これらの成果は招待講演1件、一般講演2件を行った。 また,次年度に実施を予定しているアミドIモードへの展開に関連して,ペプチド分子やタンパク質におけるpH依存した高次構造に対する分子シミュレーションにおける研究が予定よりも早期に進捗が見られた。これまで開発してきた配置選択pH法においてプロトン化状態変化プロセスを検証し,カルボキシル基における等価性を考慮した遷移モデルによってサンプリング効率の向上によって,pKa値の予測性が高まることが判った。また,ヘモグロビンタンパク質に対して設定pHに対してヒスチジン側鎖のpHを変化させたシミュレーションを実行し、Bohr効果について知見を得ることができた。これらの成果は英語学術論文1件、国際学会講演1件、一般講演4件を行った。 以上のように、本年度は当初の研究計画以上に進展しており,多くの成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
ペプチドのアミドI, IIモードの分光シグナル特性の解析に適用する。生体分子の立体構造変化に応答するスペクトル形状との相関関係を網羅的に調査し,ペプチド鎖の2次構造依存性や分光シグナル特性に対する水和効果の解明を行う。まずは,N-methylacetamide (NMA)水溶液を用いて,振動数シフトの強い相関関係をもつ重要な構造的変数の決定を行う。先行研究から明らかになっている(a)アミドI, IIモードとC=O距離の強い相関関係,(b)アミドIIモードのN-H…O角,C-N-H…Oの二面角の依存性について自動的に抽出できることを示す。次に,隣接するペプチド基同士の相互作用を含んだモデル分子系として,Protein Data Bank (PDB)に収録されているタンパク質構造を基に作成したNMA二量体モデルを用いる。高次構造のタイプ(αヘリックス,βシートおよびランダムコイル)によってNMA二量体をラベル付けし,3種類のNMA二量体モデルを得る。次に,学習した機械学習モデルを分子動力学シミュレーションに導入し,熱力学平衡条件での平衡構造サンプリングを実行する。得られた立体構造サンプリングから,溶媒和形成や近傍原子配置変化による振動数シフトに対する,電荷移動,分極および非静電的相互作用などによる寄与を網羅的に調査し,これまで着目されていなかった「隠れた因子」を明らかにする。さらに,短時間スケールで構造変化するペプチドやアルツハイマー認知症の原因と考えられているアミロイドβタンパクへも応用することで,タンパク質変性時に見られる特有の分光シグナル特性の起源について新たな示唆を得る。
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