Project/Area Number |
23K04715
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 33010:Structural organic chemistry and physical organic chemistry-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
北本 雄一 東北大学, 工学研究科, 助教 (50781382)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | ホウ素 / プラナートリフェニルボラン / 架橋型トリフェニルボラン / 多環芳香族炭化水素 / 熱活性化遅延蛍光 / 有機EL / 有機合成 / 高色純度発光 / 発光材料 / 色純度 |
Outline of Research at the Start |
レアメタルを用いない高色純度かつ高効率な発光材料は、高精細さが求められるディスプレイ用途などに必須であり、SDGsの観点からもその研究領域の益々の発展が期待される。本研究では、申請者が独自に見出した、連続的なメタル化と続くホウ素化による三つのC-B結合の一挙構築法を発展させることで、トリフェニルボランのオルト位どうしを様々な元素で架橋した分子(架橋型トリフェニルボラン類)の合成法を確立する。さらに、確立した合成法を用いることで、従来の合成法では得ることが難しいTADF分子の合成を実現し、高色純度かつ高効率な熱活性化遅延蛍光材料の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
ホウ素に結合した三つのフェニル基のオルト位どうしを架橋した化合物のうち,その架橋構造を二つ有するX,X-架橋型トリフェニルボラン類は,高色純度な熱活性化遅延蛍光(TADF)を示すことから高い注目を集めている.本研究では,特に紫-青色の短波長領域の発光や,速い逆項間交差を示す分子の設計・合成を目指す.本年度は,主に以下の成果を得た. 1)ヘテロ元素架橋型トリアリールボラン合成法の開発:これまでの検討で,配位性配向基を利用した直接リチオ化と続くホウ素化によるX,X-架橋型トリフェニルボラン類の合成において,O,O-架橋体とN,N-架橋体の合成に成功している.そこで,異なるヘテロ元素の組み合わせ,すなわちオキソ基とフェニルイミノ基を架橋基に有するベンゼン三量体に対して反応を検討した.異種元素の組み合わせにおいても選択的なリチオ化が進行し,N,O-架橋体の合成に成功した. 2)逆項間交差の速度定数(krisc)の高速化を実現可能な誘導体の設計法およびその合成法の確立:我々の合成法では,ホウ素に対してオルト位にメトキシ基を有していることから,電子吸引性基の導入が可能である.そこで,O,O-架橋体のジヒドロキシ体を得た後,塩化アセチルや無水トリフラートで処理することで,アセトキシ基やトリフラート基を導入した誘導体の合成に成功した. 3)ヘテロ元素架橋型トリアリールボラン類のTADF特性の評価と有機ELへの応用:ポリメタクリル酸メチル薄膜中,N,O-架橋体の各種分光測定を行ったところ,半値幅33 nmの発光極大429 nmの深青色遅延蛍光を示すことを見出した.さらに,電子吸引性基を導入したO,O-架橋体は青紫から深青色の遅延蛍光を示し,各種測定によりkriscを算出したところ,メトキシ基を有するO,O-架橋体に対して最大約15倍速いkriscを示すことを見出した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では,配位性配向基によるメタル化と続くメタル-ホウ素交換(ホウ素化)により三つのC-B結合を一挙に構築する合成法を基軸に,種々のヘテロ元素架橋型トリアリールボランの合成法の確立と,特に紫-深青色を示す高効率な熱活性化遅延蛍光材料の開発に取り組んでいる. 研究計画として,1)ヘテロ元素架橋型トリアリールボラン合成法の開発,2)逆項間交差の速度定数(krisc)の高速化を実現可能な誘導体の設計法およびその合成法の確立,3)ヘテロ元素架橋型トリアリールボラン類のTADF特性の評価と有機ELへの応用,を掲げている.本年度は当初の計画通り,1)の取り組みにより配位性配向基として異種のヘテロ元素架橋基,具体的には窒素原子と酸素原子の組み合わせにおいてもメタル化が進行し,目的のN,O-架橋体が得られることを見出した.また,2)や3)の取り組みにより,電子吸引性基の導入が高効率なTADFに重要なkriscの高速化に寄与しうることを見出した.次年度は,硫黄元素などの異なるヘテロ元素や複素環ユニットの導入,電子吸引性基の効果の方法論としての検証などを進めることで,更なる研究の発展が期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,本年度得られた知見を発展させると同時に,当初の計画に従って以下の検討を行う. 1)ヘテロ元素架橋型トリアリールボラン合成法の開発:本年度の検討により,異なるヘテロ元素の組み合わせであるN,O-架橋体の合成法を確立した.そこで,逆項間交差の速度定数(krisc)の高速化や,多様なアリール基の母骨格への導入法の確率を目指し,硫黄元素などの重原子を架橋基に導入した化合物の合成や,カルバゾールなどの複素環骨格を母骨格に導入する合成を目指す. 2)kriscの高速化を実現可能な誘導体の設計法およびその合成法の確立:本年度の検討により,O,O-架橋体においては電子吸引性基の導入によりkriscが高速化することを見出した.そこで,架橋基を変えた場合にも有効な分子設計法かについて検討するために,本手法をN,O-架橋体やN,N-架橋体へと展開する. 3)ヘテロ元素架橋型トリアリールボラン類のTADF特性の評価と有機ELへの応用:次年度に前述の1)や2)で新たに合成した化合物群について,ホスト薄膜中における色純度や発光色,TADF特性としてkriscを評価する.さらに,本年度に合成を達成した化合物のうち,高色純度な深青色TADF分子については,有機ELの発光材料として搭載し,特に色純度と発光色に着目してその性能を評価する.
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