Project/Area Number |
23K04749
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
萩原 浩一 東京大学, 大学院薬学系研究科(薬学部), 助教 (20804371)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 有機化学 / 天然物合成化学 / アルカロイド / ラジカル反応 / 生物活性天然物 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、種々のイオンチャネルに対する作用を有するC19ジテルペンアルカロイドの効率的かつ網羅的な合成法を確立することを目的とする。本研究課題では、①高酸化度フラグメント同士を連結する収束的合成戦略を採用し、②ラジカル反応による高化学選択的な炭素炭素結合形成反応を巧みに利用する。天然・人工高酸化度C19ジテルペンアルカロイドの網羅的合成法の確立という有機合成化学の難題に対して1つの解を与えると同時に、官能基密集型天然物合成に対する①②の有用性の実証および高度一般化へつながる。
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Outline of Annual Research Achievements |
C19ジテルペンアルカロイドは、キンポウゲ科やバラ科の植物より単離される天然物群である。高度に縮環した6/7/5/6/6/5員環からなる特異な含窒素6環性骨格上に多数の酸素官能基や連続不斉中心を有する、極めて複雑な構造である。本研究課題では、①高酸化度フラグメント同士を連結する収束的合成戦略を採用し、②ラジカル反応による高化学選択的な炭素炭素結合形成反応を巧みに利用することで、アコニチンなどの高酸化度C19ジテルペンアルカロイドの統一的全合成を実現する。 本年度は、カップリング反応に用いるフラグメントの1つであるAE環部の不斉合成法を新たに確立した。メチルエステルを有するシクロヘキサノンに対し、不斉Mannich反応により、第4級炭素を構築しつつ、保護アミン部位を導入した。その後、C1位酸素官能基の前駆体となるシリル基の導入を経て、AE環を構築した。最後に、シリル基のアルコールへの変換、アミンの保護基の除去とエチル基の導入により、AE環フラグメントの合成を完了した。本フラグメントから、我々が既に報告した変換により、タラチサミンを不斉合成できるため、新たなタラチサミンの不斉合成経路を確立できた。 また、C19ジテルペンアルカロイドの合成中間体から新たな骨格変換反応を見出した。これは、今後の新たな戦略での全合成に向けて極めて重要な知見である。 以上のように、本年度は、今後の研究推進に向けて重要な結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、カップリング反応に用いるフラグメントの1つであるAE環部の不斉合成を行った。このフラグメントを用いて、研究計画にあるフラグメントへと導くことができると考えられるため、本成果は、研究推進のため重要なものである。また、C19ジテルペンアルカロイドの合成中間体から新たな骨格変換反応を見出した。これを応用できれば、研究計画に記載の反応以外の手法での全合成が可能になりうる。従って、本年度得られた研究成果は、今後の研究推進に極めて重要なものであり、概ね順調に進行したと言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度合成を実現したAE環フラグメントから、ラジカル反応基質の合成に向け、C3位の酸素官能基導入を行う。その後、官能基化されたC環との連結反応を経て、ラジカル環化基質へ導き、鍵反応となる連則反応による骨格を検討・実現する。本反応を様々な基質に適用することで、C19ジテルペンアルカロイドの統一的な合成法へと昇華し、複数の天然物へ導く。また、本年度見出した骨格構築法を応用したC19ジテルペンアルカロイド合成も検討する。
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