安息香酸から光反応を経由して生成するカルボキシラジカルを利用したHAT反応の開発
Project/Area Number |
23K04750
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 33020:Synthetic organic chemistry-related
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
吉見 泰治 福井大学, 学術研究院工学系部門, 教授 (30345673)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | 光レドックス反応 / HAT反応 / 安息香酸 / カルボキシラジカル |
Outline of Research at the Start |
次に挙げる3つの目標をお互いの効率が上がるように明らかにする必要がある。 ①どのような基質でどのくらいの濃度および反応温度が最適かの評価 ②2分子系光レドックス反応において、どのような可視光レドックス触媒が最適かの評価 ③安息香酸の置換基効果や塩基の効果によって反応効率がどのように変化するかの評価 これら①から③を通して、光レドックス反応と安息香酸を用いた HAT 反応の一般性と制限を明らかにし、様々な sp3性 C-H 結合を開裂させ、そこに官能基を導入できるか検討する。それらに加え、生成したアルキルラジカルの新規なラジカル反応の開発も検討する。
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Outline of Annual Research Achievements |
HAT 反応は、ラジカルにより通常反応では反応させることが困難な sp3性 C-H 結合を開裂させ、そこに官能基を導入できる優れた手法である。従来法では、ラジカル開始剤の加熱が必要なため、生成するラジカルが様々な副反応を引き起こしてしまい、合成的に有用な反応例が少なかった。本研究では、室温かつ温和な条件でラジカルを生成できる光レドックス反応を利用して、これらの問題点の解決を試みた。報告者が見出した 2 分子系光レドックス触媒を用いた安息香酸から生成するカルボキシラジカルを HAT 触媒として働かせ、基質からの水素引き抜きによるアルキルラジカル生成と、それに続くラジカル反応の開発を行った。実際に、水素を引き抜きことが容易な2-メチル-1,3-ジオキソランを基質として過剰量用いることで、安息香酸の光レドックス反応によって生成するカルボキシラジカルがその水素を引き抜いてアルキルラジカルが生成し、アクリロニトリルに付加したラジカル付加体を良い収率で得ることに成功した。さらに、その安息香酸もほぼ回収できた。今現在、基質一般性やアルケンの種類の検討を行っている。アルケンとして電子アクセプター性であるアクリル酸エステルなども利用できることがわかってきている。また、基質として環状エーテルやアルコールなども検討している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1年目は効率的な反応条件や基質の設定が目標であったが、幸運なことに良い反応条件を見つけることができ、2年目や3年目の予定である基質一般性やアルケンの種類の検討まで行えている。これら基質・アルケン・安息香酸の置換基検討を行った後、さらなる反応条件の最適化を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
最適な基質・アルケン・安息香酸の置換基を見出し、その濃度効果を検討する予定である。現在まで、基質が大過剰(100当量)必要であり、最適化により、この濃度を低くし、安息香酸の光反応によるHAT反応の有用性を明らかにしていく。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)