Project/Area Number |
23K04778
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 34010:Inorganic/coordination chemistry-related
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
田嶋 智之 岡山大学, 環境生命自然科学学域, 准教授 (90467275)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | ホウ素クラスター / ホウ素中性子捕捉療法 / 分子修飾 / 糖 / グルコース / 中性子補足療法 / トランスポーター |
Outline of Research at the Start |
本研究では、ホウ素中性子捕捉療法への応用が期待されるホウ素クラスターに対し、本申請者のこれまでの研究により得られた有機典型元素化学、有機化学、分子クラスターに関する合成力と知見を活用し、グルコーストランスポーターを介した新しいホウ素クラスター分子薬剤の開発を行う。これまでがん細胞選択性の低いホウ素クラスターに対し、ホウ素中性子捕捉療法で必要不可欠な①がん細胞選択的性の増加、②細胞内ホウ素濃度の増加という機能にターゲットをしぼり、生体分子との相互作用や分子認識(細胞内外の物質輸送、トランスポーターの利用)の多様性の違いを考慮したホウ素薬剤の開発を探索する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ホウ素中性子捕捉療法への応用が期待されるホウ素クラスターに対し、本提案者のこれまでの研究により得られた有機典型元素化学、有機化学、ナノ炭素材料、分子集合体の知見を活用し、新しいホウ素薬剤開発を行う。これまで生体イメージング能が確立しておらず、がん細胞選択性の低いホウ素クラスターに対し、ホウ素中性子捕捉療法で必要不可欠な①生体イメージンク能の付与、②がん細胞選択的性の増加、③細胞内ホウ素濃度の増加という機能にターゲットをしぼり、ホウ素クラスターの研究を小分子、中分子、高分子(超分子)という分子サイズに応じた研究を系統的に行うことで、ホウ素クラスターの分子技術を体系化する。BSHをホウ素薬剤へと応用する上で課題となっている ①in vivoイメージング、②細胞内への送達、③がん細胞選択性 という3点の機能を同時に達成するためには、薬剤分子にどういうパーツをどのような反応をもちいて化学修飾するのか?という分子構造や素反応の多様性(小分子医薬品)のみならず、生体分子との相互作用や分子認識の多様性(細胞内外の物質輸送、トランスポーターの利用、たんぱく質・膜との相互作用、細胞認識に必要な官能基の特定など)の違いを考慮したホウ素薬剤の開発を探索し、解明したいという学術的な要求が存在している。本研究課題は、生体内の細胞の代謝や輸送などの仕組みの違いを考慮し、薬剤分子の構造だけでなく、分子のサイズに所望される生体内の細胞の代謝や輸送などの仕組みを考慮した小分子~中分子、超分子にいたるまでの精緻なホウ素薬剤の設計・合成法を志向する点、生体イメージング材料の開発の観点で新規性・独創性が高い。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
小分子ホウ素薬剤の開発においては、合成に有用な素反応開発、がん細胞選択性を発現する糖類のスクリーニング、基礎的機能を解明するために、細胞内への蓄積・ホウ素クラスターに糖(グルコース、グルコサミン、フコース)を導入したホウ素薬剤の合成を行った。さらに10Bの細胞毒性評価については、U87 delta EGFRを用いたWST-1 assay法により行い、細胞導入量の評価は、ICP発光分光分析法を用いて行った。 膵臓癌に対するBNCTのための新規ホウ素薬剤を検討するため、現行のBNCT用ホウ素アミノ酸(BPA)薬剤の膵癌への取り込みを評価したところ、BPA取り込みトランスポーターであるアミノ酸トランスポーターLAT11の発現は膵癌では低く、CA19-9の高い膵癌ではさらに低かった。対照的に、グルコーストランスポーターはCA19-9の高い膵臓がんで高く、LAT1の発現と逆相関していた。膵癌におけるEPR効果の低さを考慮し、グルコースにホウ素BSHを結合させた低分子Glucose-BSHを合成し、膵癌における特異的取り込みを確認した。Glucose-BSHの取り込みは腫瘍微小環境に適合した環境で確認された。
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Strategy for Future Research Activity |
がん細胞への選択的な取り込み能に加え、特定の細胞や臓器への薬剤集積を確認するために、19F-MRIの手法を利用する分子設計を考えている。従来のFラベルでは、ホウ素薬剤ではなく、分子認識を司るアミノ酸や糖骨格にFを導入する手法が多く用いられている。本研究ではCA19-9高値のがん細胞への選択的な集積を活かすため、分子認識を司る糖骨格にFを導入せず、ホウ素クラスター上にフッ素を導入することを考えている。しかしながら、ホウ素クラスターのフッ素化反応では、HFやF2ガスなど危険で取り扱いが難しいF化剤を用いるような反応しか知られていない。本研究では、有機合成でよく用いられているようなF-等価体やF+等価体を用いたホウ素クラスターの直接F化反応の開拓を行いたい。その結果、本研究の目的であるBSHをホウ素薬剤へと応用するための基盤技術として、「生体イメージング能の付与」、「がん細胞選択性の向上」「ホウ素濃度の増加」という3点の機能に関する分子技術の基盤に対し礎となるものと考えられる。
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