Project/Area Number |
23K04805
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 34020:Analytical chemistry-related
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
下赤 卓史 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (40609921)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥520,000 (Direct Cost: ¥400,000、Indirect Cost: ¥120,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,990,000 (Direct Cost: ¥2,300,000、Indirect Cost: ¥690,000)
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Keywords | 有機フッ素化合物 / 気水界面 / 赤外分光法 / 界面化学 / フルオラス溶媒 / 振動分光法 / 液液界面 |
Outline of Research at the Start |
本研究では,これまで研究例が少ない水とフルオラス溶媒の液液界面に着目し,界面で起こる化学現象を探ることを目的とする.近年,フルオラス溶媒をはじめとする有機フッ素化合物の分子間相互作用は,C-F結合に局在する大きな双極子支配であることがわかってきており,水表面のフルオラス溶媒は双極子―双極子相互作用に起因する界面特異的な親和性を示すことがわかってきた.この特徴的な界面を利用し,機能性材料の配向や集合構造の制御を目指した研究を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
有機溶媒の水素原子がフッ素原子で置換されたフルオラス溶媒は,分子レベルの微視的な視点で見るとその相互作用はC-F基に局在した大きな双極子支配であり,直鎖状のフルオラス溶媒はこの相互作用特性によって水表面の水分子との相互作用が顕著となって“界面特異的な高い親和性”を示すことがわかってきた.本課題では,この知見をもとに水とフルオラス溶媒の液液界面に注目する.水と有機溶媒を用いた水/油界面には見られない性質によって有機分子の特異な吸着や配向制御の場となる可能性があり,そのポテンシャルを探ることを最終的な目標としている. 本課題では「フルオラス溶媒が水表面に残存する」という現象を,分子構造の異なる各種フルオラス溶媒についても調べ,分子間相互作用の違いの観点から体系的にまとめることをはじめの目的とする(テーマ1).これらの知見をもとに,水とフルオラス溶媒の液液界面へと対象を移し,両相の界面における分子配向について,適した分光手法を検討しながら明らかにする(テーマ2).さらに,確立した分光手法を用いて界面に導入した有機分子や高分子の配向性を議論し,集合構造の制御や化学反応の場としてのポテンシャルを探る(テーマ3). 令和5年度は,これらのうちテーマ1に取り組むべく,赤外分光装置や界面化学測定の装置の立ち上げを行った.とくに,気水界面の展開単分子膜の表面圧―表面積等温曲線測定が測定できる環境になり,疎水鎖末端に有機フッ素基を導入した長鎖脂肪酸について,興味深い現象が明らかになりつつある.具体的には,自己集合能が低い短鎖の有機フッ素基でも分子構造の制御によって集合性を向上させうることが示唆されており,短鎖の有機フッ素化合物でも撥水・撥油性といった機能が達成される可能性があり,今後検討を進める.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和5年の4月に異動したため,これまで利用していた装置が使えなくなるなど研究環境が大きく変化した.そこで,本課題を進めるうえで不可欠な装置を検討し,移設や立ち上げを行った.その結果,赤外分光測定や表面圧―表面積等温曲線測定が可能な状態になり,本課題を進める状況が整いつつある.
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度に,本課題を進めるための実験環境の整備がすすんだことで,テーマ1に関する研究の展開が現実的になった.ただし,保有している赤外分光装置で水面上の吸着膜を測定した実績が無いため,実験条件を探ることから始める.他にも,R5年に取り組んで明らかになってきた有機フッ素基を導入した長鎖脂肪酸の新しい描像について,再現性の確認や追加実験を行って,成果としてまとめることも目標とする.
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