Project/Area Number |
23K04807
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 34020:Analytical chemistry-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
堀田 弘樹 神戸大学, 海事科学研究科, 教授 (80397603)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 抗酸化剤 / カフェイン酸 / 光抗酸化活性 / 光重合 / 重合阻害 |
Outline of Research at the Start |
物体内に広く分布しているポリフェノールは、高い抗酸化活性を持つことが知られている。研究代表者は、ポリフェノールの一種であるカフェイン酸が、紫外光照射に対して特異的な電気化学挙動を示すことを見出した。この現象は、紫外光照射によりラジカル捕捉活性が向上すること(光抗酸化活性)を示唆しており、植物をはじめ、生体の紫外光に対する生体防御を理解するため、大変重要な発見である。本研究の目的は、カフェイン酸はじめ、その他ポリフェノール類の光抗酸化反応を正確に評価する測定手法を確立するとともに、カフェイン酸の光抗酸化活性機構を解明することである。
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Outline of Annual Research Achievements |
植物体内に広く分布しているポリフェノールは、高い抗酸化活性を持つことが知られている。研究代表者は、植物中に広く存在しているポリフェノール類のうち、カフェイン酸などの一部の抗酸化剤は紫外光により活性を高める効果があることを見出した。カフェイン酸の光による抗酸化活性の変化、すなわち光抗酸化活性のメカニズムを明らかにすることとともに、光抗酸化活性を評価するための測定系を確立することを目的とする。 今年度は、以下の二つのテーマについて同時並行で検討を進めてきた。 1. カフェイン酸の光抗酸化活性の機構解明について:光照射に伴うサイクリックボルタモグラムの変化について、波長依存性を確認し、カフェイン酸の光吸収に伴う変化であることが確認された。トランス体よりもシス体の方が、酸化されにくく正電位側へのシフトが起こる。また、シス体は不可逆的な酸化を起こし、かつ電極表面で重合膜と思われる膜を形成することが示唆された。 2. 光抗酸化活性評価法の確立について 光抗酸化活性を評価するために、光ラジカル重合の阻害活性を評価する系を検討した。 粘度測定用セルに紫外線光源からの入射用ファイバを固定し、撹拌しながら水溶性光ラジカル重合開始剤を溶液に添加して測定を開始した。抗酸化剤の添加ありの場合と、無しの場合を比較し、その差を光抗酸化活性と定義した。重合開始剤を添加して一定時間が経過すると、粘度が急激に上昇し、高分子化が急激に進行することが分かった。このとき抗酸化剤を含まないブランクと比較して、抗酸化剤を含む系では粘度の上昇に時間がかかり、重合開始剤を抗酸化剤がスカベンジしていることが分かった。さらにカフェイン酸については、粘度の上昇が極端に遅くなり光によりラジカル捕捉活性が増大していることが観察された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. カフェイン酸の光抗酸化活性の機構解明について 光照射に伴うサイクリックボルタモグラムの変化について、照射する紫外線の波長依存性を確認した。カフェイン酸の吸収が大きい波長においてよりボルタモグラムの変化が大きくなるため、カフェイン酸の光吸収に伴う変化であることが確認された。照射時間に伴い酸化ピーク電位が正電位側にシフトしていくことがわかった。この電位変化の原因は、はじめはCafのトランス体からシス体への異性化によるものであり、その後は電極表面での膜形成による電子移動速度の低下によるものだと考えられた。電位の変化は、Cafの吸収ピークが大きい330 nmではより速く起き、吸収の小さい250 nmではゆっくりと起きた。このことからカフェイン酸は紫外光を吸収し、トランス体からシス体へと変化する。トランス体よりもシス体の方が、酸化されにくく正電位側へのシフトが起こる。また、シス体は不可逆的な酸化を起こし、かつ電極表面で重合膜と思われる膜を形成することが示唆された。 2. 光抗酸化活性評価法の確立について 光抗酸化活性を評価するために、光ラジカル重合の阻害活性を評価する系を検討した。 粘度測定用セルに紫外線光源からの入射用ファイバを固定し、撹拌しながら重合開始剤を溶液に添加して測定を開始する。抗酸化剤の添加ありの場合と、無しの場合を比較し、その差を光抗酸化活性と定義した。重合開始剤を添加して一定時間が経過すると、粘度が急激に上昇し、高分子化が急激に進行することが分かった。このとき抗酸化剤を含まないブランクと比較して、抗酸化剤を含む系では粘度の上昇に時間がかかり、重合開始剤を抗酸化剤がスカベンジしていることが分かった。さらにカフェイン酸については、粘度の上昇が極端に遅くなり光によりラジカル捕捉活性が増大していることが観察された。
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Strategy for Future Research Activity |
1. カフェイン酸の光抗酸化活性の機構解明について cis-Cafの酸化反応生成物について解析を行いたい。反応機構の不明部分を明らかにするためには生成物の構造を捉えることが最も有効である。この解明には反応生成物のLC/MS分析を主として利用する。光照射したtrans-Caf溶液をHPLCにより分離し、cis体のみを得る。得られたcis体のサイクリックボルタンメトリー測定を行い酸化還元電位の評価、酸化生成物のさらなるHPLC分離を行う。このときフロー系で行うと分解などの副反応が起こりにくいと考えられる。 2. 光抗酸化活性評価法の確立について 反応溶液の粘度の変化による光抗酸化活性の評価法について検討を行ってきたが、反応時に温度の変化も同時に進行していることが分かっている。そこで、温度の正確な測定により光抗酸化活性の評価が可能であるか確認を行う。また、色素を添加した系での重合に伴う光吸収の変化を観察し、吸収スペクトル測定により光抗酸化活性の評価ができないか検討を行う。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)