Measurement and Visualization of Nano-Stress Distribution in Polymer Materials in Real Space by Atomic Force Microscopy
Project/Area Number |
23K04851
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 35020:Polymer materials-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
梁 暁斌 東京工業大学, 物質理工学院, 准教授 (60733201)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | ナノ応力 / 可視化 / 原子間力顕微鏡 / 導電性エラストマー / ナノ導電性 / ナノ変形挙動 / ナノ応力分布 / 高分子物性 |
Outline of Research at the Start |
本提案では、独自の変形器具をナノ触診AFM装置に組み込み、変形を制御した状態でナノ弾性率などの物性情報を実測することでナノスケールで材料表面の応力分布を計測する手法の確立を目指す。それによって高分子および高分子複合材料の補強機構や破壊メカニズムなどの研究に寄与したいと考えている。
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Outline of Annual Research Achievements |
過去10年間にわたり、高分子材料のナノ力学的性質を測定するためのナノ触診原子間力顕微鏡(AFM)技術は、多岐にわたる研究領域で強力なツールとして、また産業界においても広範囲に応用されてきた。これまでの研究の大部分は、変形を加えずに試料表面の弾性率や凝着エネルギーなどのナノ力学的性質をナノ触診AFMを通じて評価していた。本研究は、ナノ触診AFM技術を進化させ、変形中の試料にかかる応力をナノスケールで可視化できるようにすることを目指していた。2023年度には、自製の変形装置をAFMに組み込み、フィラー充填ゴムの粘弾性の変化をin-situで追跡した。これにより、初めてナノスケールでの応力分布をin-situで直接観察された。この研究成果は、「ACS Applied Materials & Interfaces」という学術雑誌に掲載された。この新たな手法は、大きな変形を伴う高分子材料の挙動の理解を深め、高分子の破壊や補強といった物性の根本的なメカニズムを解明するための貴重なツールとなった。 さらに、変形ナノメカニカルAFMと導電性AFMを組み合わせることで、ナノフィラーを含む複合導電性エラストマーの微視的な変形と導電性を同時に評価する新しい方法が開発された。このアプローチにより、カーボンブラックとカーボンナノチューブを含む複合導電性エラストマーの導電ネットワーク構造をナノスケールで視覚化され、様々な圧縮ひずみの条件下での微視的応答が追跡され、微視的な電気特性と巨視的な電気特性の間の相関関係が明らかにされた。この研究成果は「ACS Nano」というトップレベルの学術雑誌に掲載された。この技術は導電性エラストマーの導電メカニズムを理解し、その設計を改良するための重要な手段であるとされている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
ナノ触診原子間力顕微鏡を基盤として、in situでナノ応力分布AFMの手法を構築し、これにより初めてナノスケールでの応力分布をin-situで直接観察することが可能となった。さらに、導電性AFMを組み合わせることで、ナノフィラーを含む複合導電性エラストマーの微視的な変形と導電性を同時に評価する新たな手法が開発された。これにより、研究が計画通りに進展していることが明確となる。
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Strategy for Future Research Activity |
本提案では、ナノ触診AFMを基盤にして、変形が制御された状態で材料表面の弾性率などの物性を追跡し、他の測定法では実現が難しいナノスケールの応力分布を測定する手法の確立を目指している。従来のナノ触診AFMでは、連続体力学に基づく弾性体接触モデルを使用し、カンチレバーと未変形試料の接触を評価することで、ナノ物性の測定を実現してきた。しかし、ナノ応力分布AFMでは、カンチレバーが変形中の試料と接触するため、既存の弾性体接触モデルが適用できない課題がある。そのため、2024年度には変形要素を考慮した新しい弾性体接触モデルの確立を目指している。 さらに、現在の手法を用いて、ナノ応力分布と巨視的な応力を比較することで、ナノレベルでの物性機構を明らかにしようとしている。例えば、フィラー充填複合材料においてフィラー分散状態の違いによって生じるマクロ物性の差異の本質を、ナノ応力分布の可視化から解明することが期待される。また、多様な変形モードに対応できる測定技術を開発するために、伸長変形だけでなく曲げ変形や圧縮変形などの多様な変形モードを考案しようとしている。
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Report
(1 results)
Research Products
(7 results)