Project/Area Number |
23K04860
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 35020:Polymer materials-related
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
宇野 貴浩 三重大学, 工学研究科, 准教授 (50324546)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
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Keywords | 両親媒性 / ホモポリマー / ラジカル重合 / アニオン重合 / 立体規則性 / 抽出能 / 温度応答性 / 両親媒性ホモポリマー / 置換アクリル酸誘導体 |
Outline of Research at the Start |
一分子内に親水性基と疎水性基の両方を有する様々なα-置換アクリル酸誘導体モノマーを合成し、それらの精密重合により分子量や立体規則性などの構造が精密に制御された両親媒性ホモポリマーを合成する。 さらに得られた両親媒性ホモポリマーの溶解性や溶液中での会合挙動などの両親媒特性を評価することを通じて、ポリマーの構造と特性との相関関係を明らかにし、構造の制御に基づいた特異な機能性を発現する両親媒性材料の開発を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では構造制御に基づいた機能性を示す両親媒性高分子材料を開発するために、一分子内に親水性基と疎水性基の両方を有する様々なα-置換アクリル酸誘導体モノマーの精密重合により分子量や立体規則性などの構造が精密に制御された両親媒性ホモポリマーを合成し、それらの両親媒特性を評価することを目的としている。そこで、まず初めに、新たな両親媒性ホモポリマーの合成について以下の検討を行なった。 1)以前に検討を行った親水基としてカルボキシ基、疎水基としてドデシル基を有する両親媒性ホモポリマーは、tert-ブチルエステル型のモノマーを重合した後に、エステル部位を加水分解することにより合成を行っていたが、立体障害が大きいためポリマーの分子量を大きくすることが困難であった。そこで、モノマーの段階で加水分解を行い、カルボン酸型モノマーとして重合反応を検討した。その結果、ラジカル重合において比較的低分子量から高分子量までの広い分子量範囲の両親媒性ホモポリマーの合成に成功した。 2)親水基として低分子量ポリエチレングリコール (PEG) 鎖、疎水基として芳香族置換基を有する新規の両親媒性ホモポリマーの合成について検討を行なった。その結果、疎水基にフェノキシ基を導入した場合、アニオン重合においてフェノキシ基の脱離が併発しポリマーが生成しないことが明らかとなった。そこで、疎水基をベンジルオキシ基に変更したところ、アニオン重合、ラジカル重合ともに分子量10,000程度のポリマーが得られた。得られたポリマーは室温で水に溶解し、温度上昇により白濁する典型的な下限臨界溶液温度 (LCST) 型の温度応答性を示し、ラジカル重合で得られたポリマーとアニオン重合で得られたポリマーでは、その曇点が異なることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究では、①両親媒性ホモポリマーの立体規則性制御を実現する重合条件を明らかにする、②両親媒性ホモポリマーの立体規則性と両親媒特性との相関を明らかにする、という2段階の研究実施計画を立てている。現在までのところ、親水基としてカルボキシ基を有する両親媒性ホモポリマーについては、合成方法の変更により分子量の制御が可能となっている。また、親水基としてPEG鎖を有する新規の両親媒性ホモポリマーの合成について検討した結果、ラジカル重合およびアニオン重合により立体規則性が異なると予想されるポリマーの合成に成功し、その立体規則性の違いが、LCST型の温度応用性に影響する可能性が示唆される結果が得られている。これらのことから、おおむね順調に進展していると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
親水基としてカルボキシ基を有する両親媒性ホモポリマーについては、ラジカル重合では分子量の制御が可能となったため、次に立体規則性の制御について検討を進める。一般的にアニオン重合では立体規則性の制御は可能であるが、カルボキシ基を有するモノマーを重合することはできないため、カルボン酸モノマーの重合が進行する特殊なアニオン重合を検討する必要がある。さらに、立体規則性が制御されたポリマーの抽出能の評価を行い、両親媒特性への立体規則性および分子量の影響を明らかにする。また、疎水基として従来用いている直鎖状のドデシル基に代わって、鎖長や分岐構造が異なる両親媒性ホモポリマーを合成し、両親媒特性への疎水性置換基の効果についても検討する。 一方、親水基としてPEG鎖を有する両親媒性ホモポリマーについては、その両親媒特性、特に温度応答性への立体規則性の影響をより詳細に調査するとともに、分子量やPEG鎖長の影響についても検討を進め、構造制御に基づく特異な機能の発現の可能性を検証する。
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