Project/Area Number |
23K04864
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 35020:Polymer materials-related
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
鈴木 登代子 神戸大学, 工学研究科, 助教 (40314504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
南 秀人 神戸大学, 工学研究科, 教授 (20283872)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | ビーズミル / 平板状粒子 / 異形高分子微粒子 / ミクロンスケール加工 / 高分子微粒子 / ボールミル / 変形加工 |
Outline of Research at the Start |
本研究は、円盤状異形(複合)高分子微粒子を剪断応力(機械的加工)により、簡便に且つポリマー種の制限なく作製可能なミリング法を確立し、従来法では作製が困難であった新奇形状の異形高分子微粒子材料を創出することを目的とする。研究代表者らはビーズミルを用いて数種の高分子微粒子をジルコニアビーズと共に撹拌するだけで、それぞれ円盤状粒子に変形し、その変形度も容易に調整可能であることを見出した。有機溶剤を使用せず、工業スケールも可能な革新的な円盤状粒子作製法となりえる。さらに、例えばヤヌス粒子を用いて、その構造を保持した上下で成分の異なるオセロ状粒子など、報告例がない特異な形状の新奇微粒子材料を創出する。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、円盤状粒子作製における上述の問題点<多段階で複雑な作製処方、少量スケール、PS限定>を解決する、新たな円盤状粒子作製手法として、<容易、スケールアップ、ポリマー種の制限無し>なミリング法の確立と体系化を目指している。初年度である本年度は,まずはビーズミルでの撹拌条件と粒子の変形度の関係性を見出すために,粒子サイズの異なるポリスチレン(PS)粒子をモデル系として検討を行った。検討項目は次の通りである。 1)粒子の大きさの影響:大きさの異なるサブミクロンからミクロンサイズのPS粒子は分散重合法およびシード分散重合法により作製を行った。 2)ビーズと試料粒子のサイズ比(曲率比):ビーズミルで撹拌する間に,試料高分子粒子がジルコニアビーズに挟まれるような形で押しつぶされることが,変形機構であると考えている。そのため,曲率比が異なると,粒子との接点が面に近いほど,大きく変形する。 3)変形による試料粒子の物性の変化: ビーズミルを用いてPSラテックスを24時間撹拌した直後に温度を測定すると,30度未満であった。ビーズ間の押しつぶしにより変形すると考えているが,ガラス転移温度以下の変形であるため,変形前後で諸物性に変化がないか確認を行う 4)複合(異形)粒子の作製:まずはPSとポリメタクリル酸メチル(PMMA)からなるコアシェル粒子を作製し,良溶媒のトルエンで膨潤させた後,異なる界面活性剤濃度でトルエンを徐放して異形化させる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である本年度は,次の項目の検討を中心的に行った。 1)粒子の大きさの影響:大きさの異なるサブミクロンからミクロンサイズのPS粒子は分散重合法およびシード分散重合法により作製を行ない,300nmから10ミクロンまでの色々なサイズの単分散PS粒子を作製した。 2)ビーズと試料粒子のサイズ比(曲率比):ジルコニアビーズと粒子のそれぞれのサイズを変えて変形を行ったところ,ビーズがより大きいほど粒子は変形しやすくなり,曲率比が小さすぎると変形しなかった。曲率比をとり関連性を確認したところ,粒子を変形させるためには適切な閾値(ビーズの方が50倍以上大きい必要がある)があることが判明した。また,適切な曲率比であれば,粒子径に依らず,数百nmの大きさであっても粒子は扁平化した。 3)変形による試料粒子の物性の変化:ビーズミルで24時間撹拌し,変形前後のポリスチレン及びポリメタクリル酸メチル(PMMA)粒子のガラス転移温度と分子量をそれぞれ測定したが,いずれも変化は認められなかった。PS,PMMA共に,ミリング前後で分子量の変化がないことが確認でき,ミリングによって分子鎖が切れることはないと明らかとなった。このことから,ビーズ間に挟まれたPS粒子がその衝突のエネルギーによりつぶれることにより変形したことが明らかとなった。 4)複合(異形)粒子の作製:PSとPMMAからなるコアシェル粒子を作製し,良溶媒のトルエンで膨潤させた後,異なる界面活性剤濃度でトルエンを徐放して異形化させた。サブミクロンサイズのダンベル状PS/PMMA粒子を作製し,ビーズミルにて潰してみたところ,サブミクロンサイズの蝶型粒子が作成された。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目は,種々の高分子微粒子を用いてミリング実験を行い、変形度をもとめ、高分子種が変形に及ぼす影響を体系化する。バルク物性と変形度との関連をより明らかにするために、ポリイミドなどの剛直な主鎖構造を有するものや、ガラス転移温度が大きく異なるような高分子種など様々に検討を行う。これを通じて、ミリング法により何故平板化するのか解明する。さらに,2種類以上の高分子微粒子からなる複合粒子を用いて、検討を行う。複合粒子は、コアシェル型やヤヌス型などの真球状だけでなく、雪だるま状など異形形態を付与し、様々な形状の新しい薄板状(複合)粒子を作製する。とくに,所属する研究室にて開発した界面活性剤間水素結合を利用したコロイド構造体創製法への適用を目指し,異なる界面活性剤を有する異形複合粒子を作製して検討を進める。
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