Circular Polarized Electrochemiluminescent Device using Chiral Lanthanide Complexes Showing Strong Luminescence in Organic Electrolyte Solution
Project/Area Number |
23K04871
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 35030:Organic functional materials-related
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
中村 一希 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (00554320)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,210,000 (Direct Cost: ¥1,700,000、Indirect Cost: ¥510,000)
|
Keywords | 希土類錯体 / 円偏光発光 / 発光増強 / 電気化学発光 |
Outline of Research at the Start |
電気化学発光素子は,溶液やゲル,厚膜状態などから発光可能というユニークな特性を有し,この電気化学発光に円偏光性を付与できれば,既存の固体円偏光発光デバイスとは全く異なる展開が期待される。本研究は,発光色純度が高く,極めて大きな発光円偏光度を示す材料として知られるキラル希土類錯体を用い,希土類錯体の高い発光円偏光性を電気化学発光素子として初めて発現する。これにより,希土類錯体の光電気化学特性の学術的理解や新たな機能設計指針のみならず,生体物質センシングやセキュリティー素子など,従来の発光素子とは異なる様々な分野へ貢献することが期待される。
|
Outline of Annual Research Achievements |
電気化学発光素子は溶液やゲル・厚膜状態などから発光が可能であり,電気化学発光に円偏光発光性を付与できれば,既存の固体円偏光発光デバイスとは全く異なる展開が期待される。本研究では,発光色純度が高く極めて大きな発光円偏光度を示すキラル希土類錯体を用いた円偏光電気化学発光素子の実現を目指す。 本年度は,申請計画書に従い「電気化学発光に適した高強度円偏光を発現するキラル希土類錯体-電解質複合体の創成」を試みた。円偏光発光種となる希土類錯体としてキラルβジケトナート配位子を有するEu(III)錯体を用い,電気化学デバイスへの利用へ必要不可欠な電解質溶液中で高強度円偏光発光を発現する複合体を検討した。 その結果,アルコール溶媒やアセトニトリルなどの有機溶媒中において同錯体とある種のアルキルアンモニウム塩を作用させると,錯体単体の溶液と比べて発光が高強度化しCPLも高強度化することを見出した。また,有機溶媒中のみならず固体状態でのEu(III)錯体とアルキルアンモニウム塩の単純混合や,アルキルアンモニウム塩と類似骨格を有するイミダゾリウム系のイオン液体中においても,Eu(III)錯体の発光強度や円偏光発光性の増強が見られることを明らかとした。 また,申請計画書では次年度実施予定の「キラル希土類錯体-電解質複合体による希土類円偏光ECLデバイスの構築」に関しても検討を開始した。先行検討として,CPLを発さないアキラルなβジケトナートEu(III)錯体を含む電解質溶液を用いた2電極型電気化学デバイスを作成し,Eu(III)錯体の酸化および還元電圧からなる矩形電圧を印加したところ,Eu(III)錯体からの発光である波長600 nm付近のシャープな赤色発光を観測した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本申請研究は大きく分けて2つの取組みからなり,本年度はそのうちの一つであるキラル希土類錯体の発光を如何に電解質溶液中で高強度化するか,という観点の取り組みに注力した。我々がこれまでに見出していたアルキルアンモニウム塩とキラルEu(III)錯体の発光増強はアルコール溶媒中にとどまっていたが,今年度の取組の結果,アルコール溶媒にとどまらず,非プロトン性の溶媒やイオン液体中においても効果を発揮していることが明らかとなった。これらの結果は同複合体の電気化学デバイスへの利用の可能性を示唆するものであり,申請計画に沿って進展していると考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究で,電気化学デバイスへ利用可能なキラル希土類錯体―電解質複合体が得られた。今後は,申請計画に沿って同複合体の電気化学特性の詳細な評価と電気化学発光デバイスへの展開を試みる予定である。電気化学発光デバイスでキラルEu(III)錯体からの発光を実現すれば,希土類錯体からなる円偏光電気化学発光が初めて観測可能と考えられる。
|
Report
(1 results)
Research Products
(23 results)