Project/Area Number |
23K04876
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 35030:Organic functional materials-related
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
長谷川 裕之 島根大学, 学術研究院教育学系, 准教授 (10399537)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 真生 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (80376649)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | ナノ電解法 / ナノ単結晶 / 有機導電体 / 電解結晶成長 / 光結晶成長 / 有機エレクトロニクス |
Outline of Research at the Start |
有機微小単結晶をピンポイントで作製可能な技術によって,結晶構造と連動する電子物性の制御と,微小単結晶をそのまま電子デバイスに利用可能な技術の実現を目指す。有機微小単結晶の作製には,2つの独自の有機微小単結晶作製技術を利用する。電子機能の発現・応用に向け,結晶の微小化と物性にはどのような相関があるか,キャリア量の調整や,高い制御性を持つ微結晶作製技術の実現には何が必要か,という学術的問いに答えるため,①機能分子・対成分の構成と電子物性を連動させる分子間相互作用や分子配列の理解,②独自手法による微結晶の作製精度・効率・電子機能の制御に向けた有効なパラメータの解明の2つを研究目的とし,研究展開する。
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Outline of Annual Research Achievements |
研究計画は,①機能分子・対成分の構成と電子物性を連動させる分子間相互作用や分子配列の理解,および②独自手法による微結晶の作製精度・効率・電子機能の制御に向けた有効なパラメータの解明 ,に沿って進めた。 ①機能分子・対成分の構成と電子物性を連動させる分子間相互作用や分子配列の理解:2023年度は,機能分子集合体の形成が期待される有機導電体材料を中心に,2つの手法で微小単結晶作製を試みた。マグネシウムフタロシアニンを用いたナノ単結晶成長に成功した。今後,結晶中でのディスオーダーなど,対成分の熱揺らぎによる分子配列・電子物性への効果についても検討する。磁気機能物質として,鉄フタロシアニン誘導体による微小単結晶成長も検討した。 ②独自手法による微結晶の作製精度・効率・電子機能の制御に向けた有効なパラメータの解明:共同研究機関において,ナノ電解法の電極基板作成を行った。基板は,シリコン基板上にリソグラフィ等によって,微小間隔(ギャップ)の電極パターンを作製した。微小単結晶の成長様式に与える効果を検討するため,形状が異なる電極基板を用意した。電極基板を用いて微小単結晶のギャップ部分への作製を試み,微小単結晶による架橋構造形成に最適な電解条件を検討した。マグネシウムフタロシアニン系ナノ単結晶については,ギャップ部分への選択的作製に成功した。光誘起結晶成長法では,光照射範囲の制限による位置選択作製を実施するための機器の設計を行った。 ①・②共通項目:マグネシウムフタロシアニン系ナノ単結晶については,結晶構造解析を試みたが,完全な解析には至らず,引き続き取り組む予定である。一方,基礎特性評価として,電流-電圧特性の測定を行った。今後電界効果特性の測定も実施する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
①機能分子・対成分の構成と電子物性を連動させる分子間相互作用や分子配列の理解については,適切な材料選択・合成を行うことが出来ており。順調に進展している。②独自手法による微結晶の作製精度・効率・電子機能の制御に向けた有効なパラメータの解明については,新規ナノ単結晶の作製に成功し,条件の最適化により,位置選択的作製にも成功している。光結晶成長についても機器の設計を進めている。①・②共通項目については,マグネシウムフタロシアニン系ナノ単結晶において電流-電圧効果の詳細を検討し,今後につながる結果を得た。結晶構造については未解決であるが,次年度引き続き検討する予定である。以上から,研究は概ね順調に進展していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
①機能分子・対成分の構成と電子物性を連動させる分子間相互作用や分子配列の理解については,前年度得られた手掛かりを基に,微小単結晶の形成に有利な機能分子材料の設計と微小単結晶作製を試みる。取り込んだ対成分にディスオーダーなどの熱揺らぎがある場合には,電場や磁場を利用し,その動的効果による電子物性に及ぼす効果についても検討する予定である。 ②独自手法による微結晶の作製精度・効率・電子機能の制御に向けた有効なパラメータの解明については,ナノ電解法では,微小単結晶の架橋構造を用いたデバイス作製を試みる。効率的に微小単結晶を配置,配向させるための電解条件,電極構造を検討する。光誘起結晶成長法では,前年度の設計を基に,微小単結晶の作製と配向・配列制御を試みる。デバイスに最適な構造となるための電極構造,光照射条件等を検討する。①・②共通項目については,マグネシウムフタロシアニン系ナノ単結晶の構造を解明するとともに,電界効果を評価する。他の新規材料についても電場効果,磁場効果等の特性評価を行う。構造と物性発現の相関を検討し,対成分の機能分子配列や電子物性への効果を解明する。また,電気化学トランジスタ構造の採り入れに向けた設計に取り掛かる予定である。磁気機能デバイスについては,電場・磁場双方から物性変調を試みる予定である。
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