Project/Area Number |
23K04887
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 36010:Inorganic compounds and inorganic materials chemistry-related
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
藤井 孝太郎 東京工業大学, 理学院, 助教 (30635123)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 酸化物イオン伝導体 / 酸ハロゲン化物 / イオン伝導体 |
Outline of Research at the Start |
従来は,酸化物イオン伝導体であれば金属酸化物,ハロゲン化物イオン伝導体であれば金属ハロゲン化物を中心に研究がされてきた.本課題では,酸化物イオンとハロゲン化物イオンを同時に含む金属酸ハロゲン化物の合成・電気的特性の評価・構造解析や理論計算に基づく伝導メカニズムの解明を通して,新しいイオン伝導体の創製と金属酸ハロゲン化物におけるイオン伝導の学理構築を目指す.
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Outline of Annual Research Achievements |
セラミックス酸化物イオン伝導体は,固体酸化物形燃料電池や酸素センサー等に応用ができるため次世代のエネルギー問題を解決する糸口となる重要な材料である.これまで多くの酸化物イオン伝導体が発見,研究されてきたが,そのほとんどは金属酸化物に限定されている.一方,アニオン種としてハロゲン化物イオンも含む酸ハロゲン化物(metal oxyhalides)の酸化物イオン伝導体は報告事例が極端に少なく,未だに多くの新しい酸化物イオン伝導体が潜んでいる可能性がある材料群である.本研究課題では,特に酸ハロゲン化物に注目し,種々の戦略で,合成・物性評価を行い新しい酸化物イオン伝導体を探索し,構造解析と理論計算によって機能発現の要因解明を行うことを目的としている.酸化物イオン伝導体の候補材料は,プロトン伝導を示すものもあるため,プロトン伝導の特性についても検討を行う. 2023年度は,Biを含むoxychloride(酸塩化物)に注目した材料探索により,既存の材料を大きく上回るイオン伝導度をもつ酸化物イオン伝導体を発見することに成功した.複数の材料を合成し,最も高い伝導度を示す組成について詳細を調べた.また高温中性子回折に基づく構造解析から,酸化物イオン伝導経路を明らかにし,理論計算からその妥当性についても議論した.この他にも伝導度の高い酸化物イオン伝導体やプロトン伝導体を発見した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
発見した酸化物イオン伝導体は,実用材料であるイットリア安定化ジルコニア(YSZ)などよりも圧倒的に高い伝導度をもっており,本課題の戦略である酸ハロゲン化物に注目した研究が革新的な酸化物イオン伝導体の創成に効果的であることを示す結果である.また,その高いイオン伝導度を示す構造的な要因も明らかにできており,今後の新材料探索指針に大きく寄与する重要な成果が得られたといえる.
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度に発見した材料が示す高いイオン伝導度に注目し,材料探索指針をさらに改良して研究を進める.また,他にも比較的高い伝導度を示す材料が見つかっているため,今後,詳細な電気化学測定を進め,組成の改良も行うことで酸化物イオン伝導度の高い新材料を創っていく.見つけた新材料については,X線や中性子を利用した構造解析や,理論計算を用いて,イオン伝導度と構造の関係を明らかにしていく.
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