Project/Area Number |
23K04927
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 37010:Bio-related chemistry
|
Research Institution | Tokyo University of Agriculture and Technology |
Principal Investigator |
内田 紀之 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 特任助教 (20782204)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
|
Keywords | ウイルス / リポソーム / がん / ナノキャリア / 膜変形 |
Outline of Research at the Start |
ウイルスの高い増殖能を利用してがん組織を効果的に死滅させるいわゆる“ウイルス療法”は進行度が高いがん疾患に対しても高い治療効果が期待できるため、現在大きな注目を集めている。しかしながら、ウイルスは血中内で免疫細胞によって除去されてしまうため、これまでその応用は限定的であった。最近申請者は光応答性膜伸長分子を組み込んだリポソームがエンドサイトーシス様の膜分裂を起こし、この膜変形現象を利用することで、ウイルスが活性を保持した状態でリポソーム内に封入されることを見出している。本研究課題では、この膜変形リポソームをウイルスキャリアとして利用することで、侵襲性が低い血中投与型ウイルス療法の実現を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
ウイルスの高い増殖能を利用してがん組織を効果的に死滅させるいわゆる“ウイルス療法”は、グレード4の進行度が高いがん疾患や脳腫瘍など、従来の手法では治療が困難ながんに対しても高い治療効果が期待できるため、現在大きな注目を集めている。しかしながら、ウイルスは血中内に投与すると免疫細胞によって除去されてしまう。このため、ウイルス療法の応用は侵襲性の高い、がん患部への直接投与に限定されてきた。より実用性が高い非侵襲的なウイルス療法の実現に向け、本課題では膜変形リポソームにウイルスを高効率で封入させることで血中におけるウイルスの安定性を向上させ、従来の問題点を解決する血中投与型ウイルス療法の実現を目指した。 本課題を実施する上でのモデルケースとして、ファージディスプレイ法に利用されるウイルスであるM13バクテリオファージウイルス(M13ファージ)が共存した状態で膜変形を誘導することでM13ファージの膜変形リポソーム内部へ封入を試みた。また、膜変形リポソームの構成要素を最適化することで、より高効率でウイルスを取り込む膜変形リポソームの開発を行なった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マイクロスケールのM13ファージを膜変形リポソームに取り込むことで、外部環境から隔離し、無毒化することに成功した。また、カチオン性のペプチドが親水基に導入された受容体を開発し、それをDOPC、DPPC、コレステロールの三成分からなるベシクルに導入したところ、より安価でウイルスを取り込む膜変形リポソームの開発に成功した。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後はM13ファージを内包したリポソームの表面修飾による機能化を試みる。また、生体内への投与を視野に入れ、M13ファージを封入したリポソームの生体適合性を細胞毒性実験やマウス実験などにより評価し、ウイルス療法の実現に向けた足掛かりを構築する。
|