Development of a method to control protein structure by redox-active molecules including chaperone-like activity
Project/Area Number |
23K04933
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 37010:Bio-related chemistry
|
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
荒井 堅太 東海大学, 理学部, 講師 (60728062)
|
Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
|
Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
|
Budget Amount *help |
¥4,550,000 (Direct Cost: ¥3,500,000、Indirect Cost: ¥1,050,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
|
Keywords | フォールディング / 触媒 / 変性 / 基質認識 / タンパク質 / シャペロン / 酸化還元 / 分子認識 |
Outline of Research at the Start |
細胞内で生合成された蛋白質は、システイン残基間で正しい位置にジスルフィド(S-S)結合が架橋されることで3次元構造へと変化(フォールディング)し、生理活性を発揮する。この『酸化的フォールディング』は、小胞体内の蛋白質S-S結合異性化酵素(PDI)が、構造未成熟な基質蛋白質を見極めながら触媒的に促進する。一方、酸化ストレス等により細胞内の酸化還元バランスが崩壊すると、PDI機能が低下するとともにS-S結合を掛け違えた構造不全蛋白質の生成・凝集が誘発され、ひいては致命的な神経変性疾患などの原因となる。本研究では、PDIの代替触媒として機能し得る新たな機能性分子の創製を目指す。
|
Outline of Annual Research Achievements |
この研究では、蛋白質ジスルフィド(SS)形成を促進する酸化還元活性部位に構造未成熟蛋白質を捕捉するセンサー部位を統合した先例のないフォールディング酵素様触媒の開発に挑む。細胞内で生合成された蛋白質は、システイン残基間で正しい位置にSS結合が架橋されることで3次元構造へと変化(フォールディング)し、生理活性を発揮する。この『酸化的フォールディング』は、小胞体内の蛋白質SS結合異性化酵素(PDI)が、構造未成熟な基質蛋白質を見極めながら触媒的に促進する。一方、酸化ストレス等により細胞内の酸化還元バランスが崩壊すると、PDI機能が低下するとともにSS結合を掛け違えた構造不全蛋白質の生成・凝集が誘発され、ひいては致命的な神経変性疾患などの原因となる。本研究では、PDIの代替触媒として機能し得る、新たな機能性分子の創製を目指す。 初年度は、PDIの構造と機能にならい、基質蛋白質のS-S関連反応を促す酸化還元活性部位と超分子相互作用による基質捕捉センサーを統合した新しいフォールディング触媒をデザインし合成を試みた。構造未成熟な蛋白質が有する溶媒露出した疎水性アミノ酸残基と非結合性相互作用を形成しうる特殊糖鎖を基質補足センサーとして選定した。蛋白質の酸化的フォールディングを促進するredox制御部位として機能するジセレニド結合と特殊糖鎖を統合した数種類のPDI様触媒候補を良好な収率で合成することに成功した。 エンドセリン1およびインスリンの酸化的フォールディングに得られた化合物を触媒として応用したところ、合成したいずれの化合物も酸化的フォールディングを劇的に加速させることを明らかにした。興味深いことに、これらの化合物の触媒活性は、特殊糖鎖を持たない単純なジセレニド化合物よりも著しく高いことも明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画調書に記載した年次計画では、初年度に触媒候補を合成し、その後に酸化的フォールディングへの応用を想定していた。当初のロードマップに記載した通りの結果を蓄積しており、おおむね順調な進展を見せているといえる。
|
Strategy for Future Research Activity |
PDIは、構造未成熟な蛋白質の疎水性領域を認識し、捕捉することで、基質蛋白質間の相互作用を阻害し、病原性凝集体の形成を抑制する、いわゆる「シャペロン活性」を有する。次年度は、合成化合物のシャペロン様活性を評価する。合成化合物の存在下/非存在下において、ニワトリ卵白リゾチームの凝集を熱変性によって誘発する。冷却後のサンプル溶液の濁度ならびにHELの酵素活性回復率から凝集体形成阻害活性を定量的に見積もる。同様に、温和な環境下 (37 ℃)で凝集挙動を示すルシフェラーゼをモデルとして、生理条件下における化合物のシャペロン様活性も評価する。 ここまでの結果を総合的に判断し、化合物のデザインと合成工程へフィードバックする。特殊糖鎖の構造を改良し、基質蛋白質との親和性を調節するなど、現在の分子構造に固執せず、柔軟にデザインを再考し、蛋白質との親和性の最適化を図る。
|
Report
(1 results)
Research Products
(20 results)