Project/Area Number |
23K04936
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 37010:Bio-related chemistry
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
張 功幸 徳島文理大学, 薬学部, 教授 (50347423)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 核酸化学 |
Outline of Research at the Start |
核酸の塩基部は通常anti配座をとり、syn配座は熱力学的に不安定です。しかし生体内では、核酸中のsyn配座をとったプリンヌクレオシドが核酸の高次構造の形成に重要な役割を担っています。そこで本研究において、syn配座のみをとる人工プリンヌクレオシドの開発し、その物性評価を行います。本研究の達成は、新たな生体内機能の発見や医薬品の開発につながることが期待できます。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、塩基部のsyn配座固定型プリンヌクレオシドを合成し、syn配座をもつ核酸高次構造に導入して物性・機能評価を行う。それを通して、選択的高次構造形成のための分子ツールあるいは創薬材料として、本研究で開発したsyn配座固定型プリンヌクレオシドの有用性を例示することを目指す。そのような中、研究初年度は下記の成果を得た。 本年度の研究開始前に2'-デオキシアデノシンのsyn配座固定アナログを微量ながら合成できていたため、まずは、その量の供給を行った。種々反応条件を検討した結果、数百mgのアナログを得ることができた。その後、オリゴ核酸合成に利用するビルディングブロック体へと変換し、syn配座固定型2'-デオキシアデノシンアナログを1か所導入したオリゴ核酸の合成に成功した。 今回合成したsyn配座固定型2'-デオキシアデノシンを含むオリゴ核酸の物性評価として、パラレル型二重鎖形成能、Z-DNA形成能を評価した。結果、CDスペクトルを用いたZ-DNA形成能評価において、今回合成した修飾核酸はZ-DNAを形成しやすくなる可能性が示唆された(より低塩濃度で、B-Z遷移を50%起こすことが示された)。 一方、もう一つのプリンヌクレオシドである2'-デオキシグアノシンのsyn配座固定アナログは種々反応条件を検討したが、trace量しか得ることができなかった。しかし、グアニン塩基の代わりにイノシン塩基を持つアナログについては、望みのsyn配座固定アナログを合成することに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、syn配座固定型2'-デオキシアデノシンを含むオリゴ核酸の合成に成功し、Z-DNA形成能をはじめとする物性評価を行うことができた。また、syn配座固定型2'-デオキシイノシンアナログモノマーの合成にも成功し、次年度以降の研究につながる成果を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
計画調書に従い、引き続きsyn配座型プリンヌクレオシドの合成とその修飾体が核酸の高次構造に与える影響を調べる。修飾体としては、イノシンアナログならびにグアノシンアナログのモノマー合成を行い、それらを導入した修飾オリゴ核酸合成へとつなげる。その後、アデノシンアナログを含むオリゴ核酸とともに核酸高次構造形成能の評価を行う。さらに、デコイ核酸への応用を目指して、Z-DNA結合タンパクとの結合能を調べる。さらに可能であればsyn配座を含むリボザイムの触媒活性を調べる。 最終的には、本研究で開発したsyn配座固定型プリンヌクレオシドが、選択的高次構造形成のための分子ツールあるいは創薬材料として有用であることを例示する。
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