Project/Area Number |
23K04972
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 37030:Chemical biology-related
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Research Institution | Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
江越 脩祐 国立研究開発法人理化学研究所, 開拓研究本部, 研究員 (60755932)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | ラマンイメージング / 鉄イオン / ラマンセンサー / 鉄イオンセンサー |
Outline of Research at the Start |
近年,細胞内の遊離鉄イオンに依存したプログラム細胞死としてフェロトーシスが注目を集めている.細胞内の遊離二価鉄イオンが過酸化水素からヒドロキシラジカルを生産して,様々な酸化ストレス応答を引き起こして細胞死へと導くことが知られている.フェロトーシスの作用機序解明にはヒドロラジカルを検出することが重要であるが、その反応性の高さから細胞内で特異的に検出することは難しい.この問題を解決するため,本研究ではヒドロキシラジカルの生成に関わる細胞内の鉄イオンの動態を観察できるラマンセンサーの開発を行う.
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Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度は,当研究室のラマン顕微鏡での測定に適した鉄イオン特異的なラマンセンサーの開発に取り組んだ.その結果,ナトリウムイオン,カリウムイオン,マグネシウムイオン,カルシウムイオン,一価銅イオン,二価銅イオン,亜鉛イオン,鉄三価イオンなどの生体内に多く存在する金属イオンではなく,二価鉄イオンを特異的に検出可能なラマンセンサーXを開発することができた.そして,ラマンセンサーXは生体内金属イオンが存在する溶液中でも,二価鉄イオンを選択的に観察できることが明らかになった.続いて,開発したラマンセンサーXに構造が類似した7種の誘導体を合成して比較検討を行った結果,鉄二価イオンへの選択性を維持したままで,シグナル強度が向上したラマンセンサーYを見出すことができた.この改良したラマンセンサーYを用いて生細胞ラマンイメージング実験を行った結果,細胞内でも特異的にそのシグナルを検出することができ,HeLa細胞における細胞内の遊離二価鉄イオンの局在を可視化することに成功した.また,ラマンセンサーYのシグナルは非常に強いため,通常の生細胞ラマンイメージングよりも短い測定時間で可視化することができ,細胞内の遊離二価鉄イオンを経時的に観察することができることが分かった.現在は,ラマンセンサーのさらなる改良,細胞内の遊離二価鉄イオンの動態解析および遊離三価鉄イオン選択的なラマンセンサーの開発に取り組んでいる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標通りに,生細胞内の遊離鉄イオンを選択的に観察できるラマンプローブを開発できたため.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り,開発したラマンプローブを用いた生細胞解析を続け,細胞内の遊離二価鉄イオンの動態解析法の確立および同手法を生物活性化合物解析への応用展開を目指す.
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