Project/Area Number |
23K05007
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38020:Applied microbiology-related
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 雅恵 (今野雅恵) 東京大学, 物性研究所, 特任研究員 (60459732)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥780,000 (Direct Cost: ¥600,000、Indirect Cost: ¥180,000)
Fiscal Year 2023: ¥3,120,000 (Direct Cost: ¥2,400,000、Indirect Cost: ¥720,000)
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Keywords | 微生物ロドプシン / 植物ー微生物間相互作用 / 土壌細菌 / 光受容 / 光応答 / 土壌微生物 / 植物成長促進根粒菌 |
Outline of Research at the Start |
本研究では、P.putida近縁種とモデル植物であるシロイヌナズナArabidopsis thalianaの共培養系を用いて「土壌微生物が微生物ロドプシンの光駆動プロトンポンプ機能を介した光利用により植物の生長を制御する」という仮説を検証することを目的とする。土壌微生物が光を利用できる環境は非常に限られているため、その光利用は注目されてこなかったが、本研究により植物-土壌微生物間相互作用における微生物側での光利用の詳細を明らかにできる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、「土壌微生物が微生物ロドプシンの光駆動プロトンポンプ機能を介した光利用により植物の生長を制御する」という仮説を検証することである。この目的を達成するにあたり、本年度は対象となる土壌細菌Pseudomonas fulva NBRC16637株の培養系の確立、及び土壌細菌の増殖に対する光及び有機酸の効果の検証を行った。P. fulva NBRC16637株については生理学的な知見がないため、まず最初に土壌細菌の増殖に最適とされる液体培地を用い、暗黒下、及び光照射下で培養した土壌細菌について、30℃での経時的な生育測定を行った。また、異なる光条件下で培養した土壌細菌について、菌体外液のpH変化を指標として光駆動プロトンポンプの活性測定を行った。これまでに試行した実験条件では増殖速度及び光駆動プロトンポンプ活性に対する明確な光、及び有機酸の効果は観察されなかった。今年度は主に土壌細菌の生育に至適な条件を中心に実験を行ったが、光駆動プロトンポンプの発現が植物との共生に最適な特定の生育環境で誘導されている可能性が考えられる。今年度の結果を踏まえ、今後は生育温度・栄養条件・固体培地を用いた植物との共培養等の各培養条件について、土壌細菌における光駆動プロトンポンプの発現量を遺伝子レベルで確認すると共に、それぞれの培養条件における土壌細菌増殖の光依存性について引き続き調べる。また、植物との共培養系においては、植物の生育速度や形態形成に着目して、これらに対して土壌細菌が及ぼす効果を明らかにする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は対象となる土壌細菌Pseudomonas fulva NBRC16637株の培養系の確立、及び土壌細菌の増殖に対する光及び有機酸の効果の検証を行った。P. fulva NBRC16637株については生理学的な知見がないため、まず最初に土壌細菌の増殖に最適とされる液体培地を用い、暗黒下、及び光照射下で培養した土壌細菌について、30℃での経時的な生育測定を行った。また、異なる光条件下で培養した土壌細菌について、我々の研究グループが大腸菌異種発現系で既に確立して用いている方法で、菌体外液のpH変化を指標として光駆動プロトンポンプの活性測定を行った。これまでに試行した実験条件では増殖速度及び光駆動プロトンポンプ活性に対する明確な光、及び有機酸の効果は観察されなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は主に土壌細菌の生育に至適な条件を中心に実験を行ったが、光駆動プロトンポンプの発現が植物との共生に最適な特定の生育環境で誘導されている可能性が考えられる。そこで今年度の結果を踏まえ、今後は生育温度・栄養条件・固体培地を用いた植物との共培養等の各培養条件について、土壌細菌における光駆動プロトンポンプの発現量を遺伝子レベルで確認すると共に、それぞれの培養条件における土壌細菌増殖の光依存性について引き続き調べる。光駆動プロトンポンプの発現量と土壌細菌の増殖及びプロトンポンプ活性の光依存性の相関関係について調べることで、土壌細菌そのものの生育における光駆動プロトンポンプの存在意義を明らかにする。また、植物との共培養系においては、植物の生育速度や形態形成に着目して、これらに対して土壌細菌が及ぼす効果を明らかにする。
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