Project/Area Number |
23K05009
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38020:Applied microbiology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
加藤 紀彦 京都大学, 生命科学研究科, 准教授 (40724612)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 糖鎖結合ドメイン / ムチン / 腸内細菌 / ビフィズス菌 / 糖質加水分解酵素 / Mucin / Glycan / microbiome / Bifidobacterium bifidum / glycoside hydrolase |
Outline of Research at the Start |
本研究はヒト腸管が分泌するムチンを介したヒトと腸内細菌の共生メカニズムを明らかにするものです。特にヒトのムチンに多く見られる硫酸基修飾された糖鎖の特定の構造が、ヒト-腸内細菌間の共生に重要であるとの仮説を検証するために、ビフィズス菌をはじめとする代表的なヒト腸内細菌が持つ糖質分解酵素の解析を行います。酵素の分子的特徴の解析を通して、微生物がどのように宿主糖質を利用するのか、あるいは宿主が作る硫酸化糖鎖がどのように腸内細菌叢を制御しているのか双方の視点から共生にについて明らかにします。
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Outline of Annual Research Achievements |
Bifidobacterium bifidum由来GH136酵素内に見出された2つの推定糖鎖結合ドメインCBMX1およびCBMX2について、N末端ヒスタグ融合タンパク質をそれぞれ調製し、結合解析に供した。CBMX1はCBMX2に比べてタンパク質の安定性が低く、取り扱いに注意を要したものの、ELISAによる固相化ムチンに対しての結合性の検討を行った結果、ブタ結腸ムチン、ブタ胃ムチン、ヒト糞便ムチンのいずれにも顕著な結合活性を示すことが明らかとなった。また、前述の各ムチンから遊離糖を調製し、ヒト糞便ムチンに対するELISAに添加すると、ヒト糞便由来遊離糖が最も低濃度で阻害効果を示したことから、ヒトムチンが最も豊富にCBMX1およびCBMX2リガンドとなる糖鎖構造を含むことが明らかとなった。また、さらに糖標品の存在下で同実験を行うことで、リガンド構造の絞り込みを行った。顕著な結合阻害効果を示した複数の糖基質に関して、SPR法を用いて、チップに固定化したCBMX1/2に対する結合性をより詳細に評価した。これらの結果から、CBMX1とCBMX2はおおむね同様の結合特異性を示し、その結合は(3′-sulfo-)Gal1β1-3GlcNAcβ1-Rに特異的であることがわかった。また糖鎖リガンド構造中のガラクトース3位の硫酸基の有無は、結合に大きな影響を与えないことが示された。さらに、X線結晶構造解析によってCBMX1に関してアポ型立体構造を得ることに成功した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的として以下の3つについて計画していた。1) Bifidobacterium bifidum由来のGH136酵素に見出された新規糖質結合ドメインの生化学的解析と立体構造解析による機能・結合様式の解明。2) 遺伝子欠損株を用いたin vitro解析、マウスモデルを用いたin vivo解析による本酵素の定着における機能・重要性の評価。3) 比較グライコームによる硫酸化type-1 LacNAcの特異性の検討。このうち、1)についてはおおむね実施・達成した。また2)に関しても遺伝子欠損株を用いたin vitro解析はおおむね完了し、興味深いデータをすでに得ている。このような現状から、全体の研究計画としておおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度以降は、GH136酵素の新規糖鎖結合ドメイン解析結果について精査し、不足する実験結果を補うとともに論文としてまとめる。さらには硫酸化糖鎖の腸内における代謝経路・代謝網に関する検討のために、in vitro、in vivoの両面から実験・検討を進める。また比較グライコーム解析に向けて、さまざまな動物種からの糞便、粘膜組織のサンプリングと糖鎖分析を実施していく。
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