Project/Area Number |
23K05010
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38020:Applied microbiology-related
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
中岡 秀憲 京都大学, 生命科学研究科, 助教 (50724423)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,340,000 (Direct Cost: ¥1,800,000、Indirect Cost: ¥540,000)
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Keywords | 栄養飢餓 / 細胞内pH / 環境ストレス応答 / 分子生物学 / イメージング / マイクロデバイス / 分裂酵母 |
Outline of Research at the Start |
炭素源に乏しい環境におかれた酵母細胞が休眠状態に至る過程における細胞内部の様々な分子状態の変化をライブイメージングで追跡する。また、透過電子顕微鏡観察により、細胞内小器官などの形状変化を高解像度で明らかにする。次に、近年注目を浴びている細胞生理状態の指標の一つである細胞質流動性を計測し、それが厳しい栄養環境における細胞の生存とどのように関係するのかを調べる。また、休眠過程を制御する分子メカニズムを明らかにするために、遺伝子発現や代謝産物の網羅的な解析を行うとともに、遺伝学的スクリーニングによって炭素源飢餓応答において必須な遺伝子を同定することを試みる。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、分裂酵母を低濃度のグルコース(炭素源)を含む培地中で数日間培養した場合に生じる細胞内部状態の特徴的な変化と、その分子メカニズムを明らかにすることを目指しており、最終的にはそのような細胞応答の適応的な意義について理解することを目標としている。初年度に取り組む実験として、光学顕微鏡下でマイクロ流体デバイスと培地灌流系を組み合わせたシステムを構築し、低グルコース環境で長期培養を行う過程における細胞の内部状態を様々な蛍光バイオセンサーを利用したライブイメージングによって調べることを計画していた。分裂酵母の場合、典型的な富栄養培地は2%のグルコースを含んでいる。過去のグルコース飢餓研究では富栄養培地で培養した細胞をすぐにグルコース不含培地(0%グルコース培地)に移した場合の細胞応答を調べることが殆どであるが、本研究では上記マイクロデバイス灌流系を用いて富栄養培地で細胞培養を2日間行なった後、0.02%のグルコースを含む培地に切り替えて培養継続するような実験を行なった。0.02%グルコース培地で培養される細胞の細胞質pHの変化を調べるため、蛍光pHセンサーであるpHluorin2を発現する分裂酵母株を用いた観察を行なったところ、細胞質pHが徐々に低下し、数日間経過するとある下限値でプラトーに達することが分かった。対照として従来のような急激なグルコース飢餓条件(2%から0%への切り替え)で同じ株を観察したところ、細胞質pHは急激に低下しており、かつ酸性度も高いことが分かった。従って、低グルコース培地に対する応答の時間スケールはdayのオーダーであることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
飢餓応答時の細胞内部状態変化について、ライブイメージングによる一定の成果は得られたものの、当初計画していた飢餓応答遺伝子同定のための遺伝学的スクリーニングは実施できなかった。所属研究室閉鎖に伴う整理業務や自身の異動先確保のために多忙であったこと、および所属研究室のスタッフが異動したことに伴って研究室運営や教育に係る仕事が増えたことが理由で本研究に対して当初想定していたエフォートが割けなかった。また、本研究を協力して推進できる学生を確保できなかったことも理由の一つである。
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Strategy for Future Research Activity |
徳島大学先端推進研究センターのバイオイメージング部門に着任したことで、共焦点顕微鏡や超解像顕微鏡など、当初利用を想定していなかった機器が利用できるようになった。特にオルガネライメージングについて詳細なデータが取得できる可能性があるので計画を進めている。その一方で、オミクス解析のような生化学的な研究計画については新たな共同研究先を探す必要が生じている。
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