Project/Area Number |
23K05017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38020:Applied microbiology-related
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Research Institution | Kyoto Sangyo University |
Principal Investigator |
高田 啓 京都産業大学, 生命科学部, 研究員 (70747899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 圭吾 京都産業大学, 生命科学部, 研究員 (10814907)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
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Keywords | 翻訳制御 / 枯草菌 / ABCF / 翻訳 / リボソーム |
Outline of Research at the Start |
生命現象の全体像を分子レベルで理解するためには、その担い手であるタンパク質の機能を十分に熟知することが不可欠である。一方、機能未知な遺伝子が依然として多数あり、生命現象の統合的理解は道半ばである。本研究では、真核生物・アーキア・真正細菌に広く保存されている機能未知ABCF遺伝子群に着目し、申請者らの発見によってこれらABC-F因子がリボソームのE-siteに結合する活性を有することが示唆された点を踏まえ、真正細菌の翻訳制御機構におけるABC-F因子群の機能を解明することを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
生命現象の全体像を分子レベルで理解するためには、その担い手であるタンパク質の機能を十分に熟知することが不可欠である。一方、機能未知な遺伝子が依然として多数あり、生命現象の統合的理解は道半ばである。本研究では、真核生物・アーキア・真正細菌に広く保存されている機能未知ABCF遺伝子群に着目し、申請者らの発見によってこれらABC-F因子がリボソームのE-siteに結合する活性を有することが示唆された点を踏まえ、真正細菌の翻訳制御機構におけるABC-F因子群の機能を解明することを目的とした。 本年度は、モデル微生物である枯草菌を対象にefp変異との二重変異によって合成致死となる変異の探索を行い、機能未知ABCF(ATP-binding cassette-F protein subfamily )遺伝子であるyfmRを同定した。レポーターを用いた解析からefp変異体においてはプロリンの連続配列に加え、アスパラギン酸のような酸性アミノ酸とプロリンが交互に続く配列においても翻訳停滞が生じること、さらに、これら翻訳停滞がYfmRの過剰発現によって解消されることを明らかにした。また、他のABCF因子群のうち、YkpAに関しては、酸性及び塩基性のアミノ酸の連続配列によって誘導される翻訳停滞を解消する活性を有していることを明らかにした。これら機能未知ABCF因子であるYfmRお及びYkpAは微生物種間で広く保存されており、リボソームの不完全さを補うため、微生物は進化の過程でこのような翻訳促進因子を獲得・発達させてきたと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
研究開始当初に予定していた研究計画を概ね実施することができ、機能未知ABCF遺伝子群の翻訳制御機構への関与を明らかにすることができた。翻訳促進因子として個々のABCF因子がクライアントとしている翻訳停滞配列は多様である一方で、その機能には冗長性があることも明らかにした。さらに、こういった翻訳促進因子として作用するABCF因子を共通祖先とし、多剤耐性遺伝子として注目されているARE(antibiotic resistance)-ABCF因子群が進化してきたことを明らかにすることができた。これらの結果をまとめ、現在国際誌に投稿している段階であることから、当初の計画以上に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
翻訳促進因子として個々のABCF因子がクライアントとしている翻訳停滞配列は多様であることが明らかになってきたので、次の課題は、"これらABCF因子がどのようにして、クライアントである停滞したリボソームを認識し、翻訳停滞を解消しているか"である。リボソームの活性中心であるPTCに作用すると想定しているInter-ABC domain linkerの変異解析および、リボソームへの結合活性などを評価し、最終的には海外の研究グループとの共同研究によって、構造解析を実施し、上記の課題に取り組む予定である。
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