Project/Area Number |
23K05030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38030:Applied biochemistry-related
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
吉村 和也 中部大学, 応用生物学部, 教授 (90379561)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,810,000 (Direct Cost: ¥3,700,000、Indirect Cost: ¥1,110,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,950,000 (Direct Cost: ¥1,500,000、Indirect Cost: ¥450,000)
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Keywords | アスコルビン酸ペルオキシダーゼ / 選択的スプライシング / 活性酸素代謝 / アスコルビン酸 |
Outline of Research at the Start |
植物には、アスコルビン酸ペルオキシダーゼ(APX)が葉緑体内のチラコイド膜(tAPX)およびストロマ(sAPX)に局在し、迅速かつ厳重な活性酸素種(ROS)代謝系を構成することで、光合成の健全性維持や適切なROSシグナルの発信に機能している。tAPXおよびsAPXは一つの遺伝子から転写後調節機構の選択的スプライシング(AS)により生成するがその制御機構は不明である。そこで本研究では、AS効率を簡便に評価できるように工夫した遺伝学的スクリーニング手法を用いて、葉緑体型APX遺伝子のAS制御因子を同定し、種々の植物種におけるAPXを含めた様々な遺伝子のAS機構における役割を明らかにする。
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Outline of Annual Research Achievements |
植物の葉緑体では、アスコルビン酸を電子供与体としてH2O2消去反応を触媒するアスコルビン酸ペルオキシダーゼ(APX)がチラコイド膜(tAPX)およびストロマ(sAPX)に局在し、迅速かつ厳重な活性酸素種(ROS)代謝系を構成することで、光合成の健全性維持や適切なROSシグナルの発信に機能している。注目すべきは、tAPXおよびsAPXは一つの遺伝子から転写後調節機構の選択的スプライシング(AS)により生成することである。ホウレンソウの葉緑体型APXをコードする遺伝子(ApxII)は13個のエキソンで構成されるが、そのAS効率はエキソン12と13の間に存在する制御配列、Splicing Regulatory Element(SRE)に何らかの因子が結合することで組織特異的に制御されている。しかし、そのAS機構の制御に関わる因子は未だ不明である。そこで本研究では、SRE配列に結合し、葉緑体型APX遺伝子のAS機構に関与する制御因子の同定、その葉緑体型APXを含めた様々な遺伝子のAS制御における役割や重要性、および他の植物種のASへの役割を明らかにすることを目的とする。これまでに、シロイヌナズナを用いて葉緑体型APX遺伝子のAS効率の変化を簡便にモニタリングできる様に工夫した遺伝学的スクリーニング手法を確立し、tAPX-I型mRNAの生成効率が低下もしくは亢進した変異株を複数単離した。次世代シーケンス解析により、いくつかの変異株において変異が生じた候補原因遺伝子を特定することができた。現在、それら候補原因遺伝子を過剰発現もしくは遺伝子破壊したタバコを作出し、葉緑体型APX遺伝子のAS効率に及ぼす影響を解析している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
これまでに、ホタルルシフェラーゼ(Fluc)遺伝子を用いて葉緑体型APX遺伝子のAS効率の変化を簡便にモニタリングできるシロイヌナズナ株を作出し、そのEMS処理による変異株からFluc発光強度の変化を指標にtAPX-I型mRNAの生成効率が低下もしくは亢進した株をそれぞれ9株(apsi1, 3~9)および3株(apse1~3)単離した。さらに、Fluc発光が変化した変異株の戻し交配により得られたF2世代のFluc発光の分離比から、asi3~7およびase1は劣性変異、asi10およびase2,3は優性変異を有していることを明らかにした。次世代シーケンス解析により、未変異株と変異株F2世代のゲノム配列を比較することで、asi3, 4およびase1~3において変異が生じた候補原因遺伝子を特定することができた。現在、特定できた候補原因遺伝子が葉緑体型APX遺伝子のAS効率に及ぼす影響を明らかにするために、それらを個々に過剰発現させるためのプラスミドを構築している。同時に、CRISPR-Cas9により遺伝子破壊したタバコ株も作出している。この様に、本研究はほぼ当初の計画通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
概ね、研究計画どおりに進捗している。ただし、次世代シークエンス解析により特定した候補原因遺伝子の数が予想以上に多いため、それらの機能解析のための人的リソースを拡充する予定である。
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