Characterization of carbohydrate-binding proteins and their applications
Project/Area Number |
23K05034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38030:Applied biochemistry-related
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
田上 貴祥 北海道大学, 農学研究院, 助教 (70709849)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,080,000 (Direct Cost: ¥1,600,000、Indirect Cost: ¥480,000)
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Keywords | 溶質結合タンパク質 / オリゴ糖 / 輸送 / 糖質 |
Outline of Research at the Start |
エネルギー貯蔵物質であるデンプンやフルクタン、骨格形成をになうセルロースやキチン、情報伝達物質として機能するヌクレオシドやタンパク質結合型糖鎖など、糖質は互いの役割を相補することができない独自の機能を有している。生物は似て非なる多彩な糖質構造をどのように認識しているのか?本研究ではこの問いに答えるために、これまで積極的な研究がなされてこなかった糖質輸送タンパク質の機能と構造を分子レベルで明らかにすることを目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、これまで積極的な研究がなされてこなかった糖質輸送タンパク質に焦点をあてたものである。なかでも原核生物において糖輸送の初発段階をになう溶質結合タンパク質(Solute-binding protein, SBP)の特異性と構造を網羅的に理解し、応用につなげることを目的としている。 令和5年度は、新規SBPの探索を実施した。原核生物のゲノム情報を参照し、周辺遺伝子情報からリガンド候補を推定できた3種のSBP(SBP1, SBP2, SBP3と略)を選択した。SBP1については、大腸菌による組換えタンパク質の生産と精製および等温滴定カロリメトリーを用いた相互作用解析を実施し、SBP1がニゲロオリゴ糖に特異性を有することを明らかにした。SBP1と既知のニゲロオリゴ糖結合SBPとのアミノ酸配列類似性は67%であり、4%のギャップを含んでいた。SBP1の結晶化条件探索もすでに開始している。今後は既知SBPとの立体構造比較を通じて、両者のニゲロオリゴ糖認識の分子機構を明らかにする計画である。SBP2については、大腸菌による組換えタンパク質の生産系を確立した。SBP3については、遺伝子を取得して発現用プラスミドベクターを構築済みであり、大腸菌による組換えタンパク質生産実験に移行中である。 また令和5年度は、IG2-SBPのアフィニティー精製タグとしての応用を検証した。IG2-SBP融合タンパク質は市販の安価なクロマトグラフィー担体に特異的に吸着し、グルコースによって解離することを明らかにした。現在のアフィニティー精製タグの主流であるヒスチジンタグよりも、簡便かつ高倍率で目的タンパク質を精製できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
組換えタンパク質生産においてトラブルがなかったことが大きな要因である。選択したSBPがどれも大腸菌発現系によって可溶性タンパク質として生産できているために、スムーズに機能構造解析に移行できており、当初計画以上に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
SBP2とSBP3については、精製後に候補リガンド糖質との相互作用を等温滴定カロリメトリーで測定する。また、SBP1を含めて、結晶化条件の探索とX線結晶構造解析を進める。すでに2024年6月に放射光施設のビームタイムを取得しており、その後も3ヶ月に1回のペースで放射光施設を利用可能である。 SBP1については、IG2-SBPと同様にアフィニティー精製タグとしての利用を検証する。SBP1はニゲロオリゴ糖に特異性を有することから、その不溶性多糖であるシュードニゲランを担体としたアフィニティー精製について検証する。シュードニゲランはすでに取得済みである。 SBPの新たな応用法の検討として、SBPへの酵素活性の付与に挑戦する。まずは、大腸菌の細胞表層にSBPを提示するための発現ベクターを構築する。次いで、細胞表層提示SBPにランダム変異を導入したプラスミドDNAライブラリで大腸菌を形質転換し、栄養要求性で組換え大腸菌を選抜する。SBPが糖質分解活性を発現している場合にのみ、培地中の糖質を分解し、大腸菌が生育できるように実験をデザインしている。酵素活性を発現したSBPが得られた場合には、シーケンス解析で変異箇所を同定するとともに、酵素反応の触媒機構を解析する。
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Report
(1 results)
Research Products
(6 results)