Synthetic studies on maize phytoalexins oriented towards antimicrobial applications.
Project/Area Number |
23K05062
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38040:Bioorganic chemistry-related
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
松島 芳隆 東京農業大学, 応用生物科学部, 教授 (20282816)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,030,000 (Direct Cost: ¥3,100,000、Indirect Cost: ¥930,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | トウモロコシ / フィトアレキシン / ゼアレキシン / β-コスト酸 / 抗菌剤 / 殺ダニ活性 / 抗トリパノソーマ原虫活性 / 有機合成 |
Outline of Research at the Start |
トウモロコシのフィトアレキシンとして、ゼアレキシンやコスト酸などが報告されている。これらの供給は、イネ科穀物の生物活性物質の化学、生合成、抗菌活性研究の推進力となる。また、天然の抗菌剤として食品保存の観点からも期待されるが、植物体からは極めて微量しか得られないため、有機合成による物質供給が必須である。ゼアレキシン類の合成例はわずかであり、β-コスト酸の合成も工程数が多い合成に限られるなど、これらの有機合成化学的研究は十分とは言えない。 本研究では、ゼアレキシンA2およびC1の合成、ゼアレキシンC3の両エナンチオマー合成による立体化学の決定を行う。さらに、β-コスト酸の合成法を確立する。
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Outline of Annual Research Achievements |
トウモロコシのフィトアレキシンとして、ゼアレキシンやβ-コスト酸などが報告されている。これらの供給は、イネ科穀物の生物活性物質の化学、生合成、抗菌活性研究の推進力となる。また、天然の抗菌剤として食品保存の観点からも期待されるが、植物体からは極めて微量しか得られないため、有機合成による物質供給が必須である。また、β-コスト酸については、抗菌活性以外にもミツバチに寄生しバロア病の原因となるミツバチヘギイダニVarroa destructorに対する殺ダニ活性や、シャーガス病治療薬につながる抗トリパノソーマ原虫活性を有することが報告され、その効率的な入手法の開発が求められている。ゼアレキシン類の合成例はわずかであり、β-コスト酸の合成も工程数が多い合成に限られるなど、これらの有機合成化学的研究は十分とは言えない。本研究では、ゼアレキシンA2およびC1の合成、ゼアレキシンC2の両エナンチオマー合成をすることによって、天然物の立体化学の決定を行う。さらに、β-コスト酸の合成法を確立することも目的にしている。本年度においては、ゼアレキシンC1、C2の合成の達成に加え、ゼアレキシンA2の合成研究を推進した。また、β-コスト酸については、セロリシードオイルからβ-セリネンを単離し、そのアリル位のうち、イソプロペニル基を選択的に酸化する方法を開拓し、その効率的な合成を達成することができた。研究成果については、学会発表・特許出願などに結びつけることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
トウモロコシのフィトアレキシンであるゼアレキシン類については、ゼアレキシンC1、C2の合成を達成し、学会発表しており(栗原洸、石井航平、飯島章太、松島芳隆/日本農芸化学会2024年度大会(東京)/トウモロコシが産生するフィトアレキシンzealexin類の合成研究)、その後も、ゼアレキシンA2の合成研究に取りかかっている。鍵となる求核付加反応における問題など、課題も多いが、一定の結果を得ることができている。また、β-コスト酸については、β-セリネンの選択的に酸化によって効率的な合成を達成することができ、学会発表・特許出願などに結びつけることができた。このように、概ね当初の合成計画に従った研究が進行していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度においては、ゼアレキシンC1、C2の合成を達成したが、ゼアレキシンC2の両エナンチオマー合成 、および天然物の立体化学の決定においては、解決するべき問題が残っている。また、ゼアレキシンA2の合成研究を推進するにあたっては、求核付加反応の収率がかなり低い結果に終わっているので、この問題点の解決が鍵となる。また、ゼアレキシン類やβ-コスト酸以外の生物活性物質の合成研究についても追加で研究を行いたい。
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Report
(1 results)
Research Products
(2 results)