Project/Area Number |
23K05097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38050:Food sciences-related
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
清水 宗茂 東海大学, 海洋学部, 准教授 (30521968)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀田 豊 千葉工業大学, 創造工学部, 教授 (60397081)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
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Keywords | マイクロプラスチック / 分析 / 回収率 / 難消化食素材 |
Outline of Research at the Start |
ヒトが摂取しているさまざまな食品にマイクロプラスチックが含まれていること、さらにヒト便中にもマイクロプラスチックが存在することが明らかとなり、マイクロプラスチックは地球環境だけでなく、人体の体内環境に対しても深刻な影響を及ぼす存在となっている。 そのため、食事から摂取した微小マイクロプラスチックが、腸管を介して体内に吸収することを阻害あるいは速やかに排泄できれば、生体への影響を最小限に留めることができると考えられる。 本研究では、難消化性食素材の継続摂取が、微小マイクロプラスチックの体外排泄作用および血中バイオマーカーに影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的とする。
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Outline of Annual Research Achievements |
本年度の研究目的は、ラット組織における微小マイクロプラスチック(MP)の分析法を確立することであった。
AIN93M精製飼料にて飼育したSD系ラット・雄性・10週齢を用いた。12時間以上の絶食下にて解剖し、消化管(胃~大腸)、肝臓、腎臓、脂肪(腎周囲及び精巣上体)、糞を採取した。均一化した各サンプルに規定数の微小MP(粒径30um、ポリエチレン製)を添加し、KOH、KOH+過酸化水素、KOH+酵素液の3条件にて反応後、メンブレン上にMPを回収した。その後、顕微鏡を用いてMP数を計測することで、MPの回収率を算出した。
MPの回収率は、KOH+酵素液による反応条件の場合、すべてのラット組織に対して、KOHのみの反応と比べて高い回収率を示した(消化管:KOH 59%, KOH+酵素液 95%、肝臓:KOH 86%, KOH+酵素液 91%、腎臓:KOH 92%, KOH+酵素液 93%、脂肪:KOH 75%, KOH+酵素液 85%、糞:KOH 56%, KOH+酵素液 85%)。一方、KOH+過酸化水素の反応では、すべてのラット組織において、KOHのみと比べて低い回収率となった。 これより、ラット組織における微小MP分析法には、高い回収率が認められたKOH+酵素液による前処理が有効であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度の目標としていた、ラット組織における微小マイクロプラスチック(MP)分析法については、KOH+酵素液による前処理を行うことで、すべての組織において、MPの回収率が85%以上の結果となったことから、目標を達成することができたと考えている。
そのため、2年目に計画している「微小MPの体外排泄作用を有する難消化性食素材の選抜」に向けた準備(動物実験委員会での諸手続きなど)にも着手できる環境にあるため、おおむね順調に進展しているとした。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、「微小マイクロプラスチック(MP)の体外排泄作用を有する難消化性食素材の候補を明らかにすること」を目的としている。そのため、以下に示す実験概要をもとに、研究を推進したく考えている。
候補素材として、「難消化性デキストリン」「βグルカン」「フコイダン」「キトサン」を準備する。9週齢のSD系ラット・雄性を馴化させたのち、体重をもとに群分けし、微小MPを添加した各精製飼料を2週間にわたり継続摂取させる。飼育期間中、定期的に糞を回収し、解剖時には組織等(消化管、肝臓、腎臓、脂肪、血液)をサンプリングし、凍結保存する。
昨年度の研究を通じて確立したMPの分析条件に従い、各サンプルを前処理した後、顕微鏡を用いてMPの分析を行う。各サンプル中に検出されたMP数をもとにデータ化し、難消化性食素材を含まない餌を摂取した「コントロール群」との違いが認められるのか統計解析を行う。特に、糞を含む消化管中に存在するMP数を定量することで、コントロール群と比べてより多くのMPが存在した群を明らかにする。その結果、微小MPの体外排泄作用を有する難消化性候補素材が選択できる見込みである。
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