Project/Area Number |
23K05098
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 38050:Food sciences-related
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Research Institution | Tokyo University of Agriculture |
Principal Investigator |
戸塚 護 東京農業大学, 生命科学部, 教授 (70227601)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
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Keywords | 腸管上皮細胞 / 腸管オルガノイド / タフト細胞 / 不死化細胞株 / 杯細胞 |
Outline of Research at the Start |
腸管は機能性食品の作用点として重要であり、特に食品成分や腸内共生菌と直接相互作用する腸管上皮細胞が大きな役割を担う。食品機能研究においては動物実験代替法の拡充が求められていることから、本研究では新規腸管上皮細胞株を樹立することにより、腸管機能を制御する機能性食品成分の探索、作用機構解析を可能とするin vitroシステムを構築することを目的とする。マウス腸管オルガノイドを構築した後、不死化遺伝子発現系を導入することで、小腸上皮細胞を構成する5つの異なる機能をもつ細胞の培養細胞株を樹立し、新規食品機能評価系の構築を目指す。
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Outline of Annual Research Achievements |
腸管は機能性食品の作用点として重要であり、特に食品成分や腸内共生菌と直接相互作用する腸管上皮細胞が大きな役割を担う。食品機能研究においては動物実験代替法の拡充が求められていることから、本研究では新規腸管上皮細胞株を樹立することにより、腸管機能を制御する機能性食品成分の探索、作用機構解析を可能とするin vitroシステムを構築することを目的とした。マウス腸管オルガノイドを構築した後、不死化遺伝子発現系を導入することで、小腸上皮細胞を構成する異なる機能をもつ細胞の培養細胞株を樹立し、新規食品機能評価系の構築を目指している。 成体マウス小腸を摘出して小さな組織片に断片化し、EDTA溶液処理により、Lgr-5陽性の腸管上皮幹細胞を含む陰窩(クリプト)部分を調製した。Wntシグナルを増強するR-spondin1、BMP阻害タンパク質であるNoggin、上皮成長因子(EGF)を添加した培地を用い、ラミニンとコラーゲンを豊富に含む基底膜を模倣したマトリゲル中で7-10日間培養することで、腸管オルガノイドを調製した。分泌系上皮細胞であるタフト細胞・杯細胞への分化にはインターロイキン4(IL-4)・IL-13の関与が知られている。rIL-13を添加して培養することにより腸管オルガノイド内のタフト細胞(DLCK1陽性細胞)の割合が増加することが確認できた。また、得られた腸管オルガノイドを単細胞懸濁液とした後、マトリゲルでコーティングした細胞培養プレート上に播種し、Rhoキナーゼ阻害剤Y-27632の存在下で培養することで、オルガノイド由来腸管上皮細胞を単層平面培養することができた。今後この平面培養細胞への不死化遺伝子の導入により細胞株の樹立を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マウス小腸の腸管上皮幹細胞を含む陰窩(クリプト)を調製し、各種因子を含むマトリゲル中で培養することで腸管オルガノイドを再現性よく培養する実験系を確立することができた。また、腸管オルガノイドにrIL-13を添加して培養することで、タフト細胞(DLCK1陽性細胞)の存在比率が高まることが、蛍光免疫染色により確認できた。さらに3Dで構築した腸管オルガノイドを単層平面培養する方法を確立することができたことから、次年度以降に実施する不死化遺伝子導入による細胞株樹立の基礎を確立することができたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き分泌系上皮細胞のうち、杯細胞の分化誘導条件、および蛍光免疫染色による検出条件について検討する。腸管オルガノイド培養に必要な因子であるR-spondin 1、Nogginについては現在試薬として購入しているが、これら因子の動物細胞発現系を構築し、その培養上清をオルガノイド培養に用いることを検討している。今後腸管オルガノイドを平面培養した後、不死化遺伝子の導入による細胞株の樹立を行う。次年度は不死化遺伝子として、SV40ウイルスLarge T抗原遺伝子をレンチウイルスベクターを用いて導入することにより不死化細胞株の樹立を試みる予定である。
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