Hybridization-induced epigenetic repression of plant transposable elements
Project/Area Number |
23K05163
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39010:Science in plant genetics and breeding-related
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
深井 英吾 新潟大学, 自然科学系, 准教授 (00570657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀 秋人 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 作物研究部門, 主席研究員 (30391551)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,470,000 (Direct Cost: ¥1,900,000、Indirect Cost: ¥570,000)
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Keywords | トランスポゾン / 交雑 / ミヤコグサ / イネ / ダイズ / エピジェネティクス |
Outline of Research at the Start |
トランスポゾンは、ゲノムの中を動くDNA配列であるが、実際に動いている最中のトランスポゾンを観察できる機会は限られている。このように、通常は動かない状態にあるトランスポゾンは、何らかの刺激で動き出すと考えられている。その刺激のひとつとして、遠縁交雑などの、普段はなかなか起こらない交雑が、ゲノムにストレスを与え、トランスポゾンを活性化するという説がある。しかし本研究では、交雑によるトランスポゾンの活性化現象は、遠縁交雑にかぎらず、交雑一般に普遍的な現象なのではないかと考え、その可能性について検証することを目指している。
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Outline of Annual Research Achievements |
真核生物の核ゲノムには多くのトランスポゾンが含まれているが、それらのほとんどはエピジェネティックな抑制を受けており、転移は極めて稀にしか起こらない。しかし私たちは、マメ科のモデル植物ミヤコグサの組換え近交系 (Recombinant inbred lines; RIL) 集団において、6種類のLTR (Long terminal repeats) レトロトランスポゾンがエピジェネティックに活性化され転移していることを明らかにした。このことはトランスポゾンが、遠縁交雑のようなイレギュラーな交雑ではなく、同一種の系統間で行われる「普通の交雑」で活性化されうることを示唆している。本研究では、この現象が普遍的なものなのかを検証するために、ミヤコグサに加えてイネでも解析を行う。また、このような現象が起こる仕組みを分子レベルで明らかにすることを目指す。23年度は以下3つの研究を行なった。 (1)イネのRIL集団におけるLTRレトロトランスポゾン転移の解析 (2)ミヤコグサのRIL集団におけるLTRレトロトランスポゾン転移の解析 (3)ダイズのエピジェネティクス制御系変異体の解析
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
以下に述べるように、(3)において予想していなかった事態が起きたため、研究進捗はやや遅れていると判断した。 (1)について、岩手生物工学研究所の阿部博士らにより育成されたイネのNAM (Nested Associate Mapping)集団において起きたLTRレトロトランスポゾンの転移について、転移したファミリーや新規挿入位置などの詳細情報を解析した。またPCRによりそれら新規挿入のの検出を行なった。NAM集団においてLTRレトロトランスポゾンが転移していた集団の両親系統間で改めて人工交配を行い、F1種子を得た。 (2)について、RIL集団の両親間の交雑がきっかけとなり、LTRレトロトランスポゾンが活性化されたと考えられることから、F1個体におけるLTRレトロトランスポゾンの転写レベルの解析を行なった。2023年度は、3通りの組み合わせの交配で得た29個体のF1個体で、6種類のLTRレトロトランスポゾンについてqRT-PCR解析を行なったが、いずれのLTRレトロトランスポゾンにおいても、顕著な転写上昇は検出されなかった。ただし、F1個体間での転写レベルのばらつきや、転写レベルにおけるparent-of-origin効果などが観察された。 (3)本研究では、ミヤコグサと同じくマメ科の重要作物であるダイズにおいて転移するトランスポゾンを同定するために、エピジェネティクス制御系遺伝子の機能欠損ダイズ変異体の解析を行なっている。この遺伝子はダイズに2コピー存在し、ダブルミュータントは発芽後致死となるが、それ以外の変異体は生育する。以前、ダブルミュータントをレスキューする方法を確立したので、2023年度は処理個体数を増やし本格的にそれを運用したが、レスキューは全て不成功に終わった。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)については、2023年度にイネNAM集団の2組み合わせの親系統間の正逆交配を改めて行って新たに得たF1個体を用いた解析を行う。 (2)については、2023年度の解析ではミヤコグサのF1個体におけるLTRレトロトランスポゾンの活性化が観察できなかった事から、①活性化が起こる頻度が低い可能性、②LTRレトロトランスポゾンの活性化を転写レベル以外の指標で検討する必要性、等が示唆された。解析対象とするF1個体数を増やすべきと考え、2023年度に改めて2組み合わせのミヤコグサ系統間の正逆交配を行い、4通りの交配からそれぞれ100粒以上のF1候補種子を得た。2024年度以降、これら多数のF1個体を用いた解析を行う。また、LTRレトロトランスポゾンの活性化の指標として、DNAメチル化レベルの低下に着目した解析も行う。 (3)については、ダブルミュータントのレスキューは継続して試みるが、ダブルミュータント以外の変異体(1つだけ機能型アリルを持つ変異体など)において、ジャーミナルに転移するトランスポゾンを探索するための実験を行う。具体的には、ダブルミュータント以外の変異体の配偶体のRNA-seq解析などを予定している。
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Report
(1 results)
Research Products
(3 results)