Project/Area Number |
23K05177
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39010:Science in plant genetics and breeding-related
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
末松 恵祐 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, 研究員 (30807996)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大谷 基泰 石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (20223860)
森田 隆太郎 東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 助教 (30866075)
田中 勝 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 九州沖縄農業研究センター, グループ長補佐 (60391455)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,560,000 (Direct Cost: ¥1,200,000、Indirect Cost: ¥360,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,300,000 (Direct Cost: ¥1,000,000、Indirect Cost: ¥300,000)
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Keywords | サツマイモ / Ipomoea trifida / 野生種 / 塊根形成 / 根の肥大性 |
Outline of Research at the Start |
サツマイモ(Ipomoea batatas)の近縁野生種であるトリフィーダ(Ipomoea trifida)は、一般的に塊根を形成しないことが知られているが、塊根様の太い根を形成する系統が見出された。この系統を用いた先行研究によりトリフィーダの根の肥大性に関与するQTL(qRT1)を特定し、その領域からサツマイモの塊根において組織特異的に発現する遺伝子を発見した。本研究では、遺伝子組換え技術を用いて、この候補遺伝子の機能解析を試みる。また、これまでの調査から根の肥大性に関してqRT1とは異なるQTLが存在することが示唆されている。本研究では、根の肥大に関わる新規QTLを特定する。
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Outline of Annual Research Achievements |
これまでの研究では、サツマイモおよびサツマイモ野生種において根の肥大を制御する遺伝子座(qRT1)の候補遺伝子RT1(Root thickness 1)を特定している。そこで本年度は、サツマイモにおけるRT1の機能を明らかにするために、サツマイモの形質転換を行った。本研究では、まずRACE法を用いて根肥大性2倍体野生種におけるItRT1の完全長cDNA配列を決定した。また、同様に6倍体サツマイモ(品種white star)におけるIbRT1のcDNA配列をクローニングし、4種類の対立遺伝子を特定した。クローニングした配列の一部を35Sプロモーターの下流に連結して、バイナリーベクターpZH2Bに組み込むことで、過剰発現用のベクターと発現抑制用(RNA干渉用)のベクターを構築した。本ベクターを用いてアグロバクテリウム法によりサツマイモ(品種 花らんまん)の形質転換を行った。その結果、複数系統の形質転換カルスが得られ、植物体の再分化にも成功した。現在はin vitroで維持し、実験に供試できる段階にある。 また、根の肥大性に関わるqRT1以外の新規QTLを特定するために、qRT1を有するが根の肥大性が多様な集団を用いて遺伝解析を行った。QTL-seq法を用いて、根の肥大が小さい系統群と根の肥大が大きい系統群の全ゲノムにわたるDNA多型を比較したが、これらの系統群間で明瞭な差異は検出できなかった。そこで、新たな解析集団の作成に着手した。6倍体サツマイモと6倍体野生種のF1系統に対し、6倍体野生種を2度戻し交配した種子117粒を得た。また、6倍体サツマイモと2倍体野生種を交配して得られた4倍体雑種と4倍体野生種を交配して、新たに25粒の種子を得た。次年度以降、これらの集団を用いてサツマイモ塊根の進化に関わる新規QTLの探索を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、サツマイモの形質転換体が複数系統得られた。 また、新規QTLの特定には至らなかったが、新たな解析集団が準備できたため次年度以降も滞りなく研究を遂行できる。
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Strategy for Future Research Activity |
2024年度は、作成したサツマイモ形質転換体から遺伝子発現量が変化している系統を絞り込む。さらに、対象遺伝子が抑制または過剰発現された系統を実際に栽培し、表現型の変化を調査する予定である。また、6倍体サツマイモと6倍体野生種の戻し交配集団を用いて、塊根形成能に関わる遺伝解析を実施し、新規QTLを特定する。
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