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イネ科作物の栄養器官におけるデンプン合成制御メカニズムの解明

Research Project

Project/Area Number 23K05183
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 39020:Crop production science-related
Research InstitutionKobe University

Principal Investigator

深山 浩  神戸大学, 農学研究科, 教授 (60373255)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Keywordsデンプン / 遺伝子発現 / 転写因子 / イネ / 糖応答 / 光合成
Outline of Research at the Start

CRCTは主に維管束で発現しているが,デンプンが蓄積するのは主に貯蔵柔細胞である.CRCTが組織間を移動している可能性を,CRCTを様々な組織で特異的に発現させることにより明らかにする.CRCTは14-3-3タンパク質と相互作用することがわかっているが,その意義を14-3-3タンパク質と相互作用できない変異型CRCTを用いて解明する.CRCTの機能の品種間差をイネ・コアコレクションを用いたGWAS解析により明らかにする.イネ以外の単子葉植物(トウモロコシ,ソルガム,コムギなど)におけるCRCTオーソログについて高発現系統,CRCT欠損系統の作出を行い,生理機能を明らかにする.

Outline of Annual Research Achievements

「CRCTの分子機能の解明」に関しては,CRCTが組織間を移動している可能性を検証するために,維管束特異的に発現するSUT1プロモーターとRPP16プロモーター,緑色組織特異的に発現するCabプロモーター,構成的に発現するActinプロモーターで制御したCRCTをCRCT欠損変異体に導入した.得られた形質転換イネのデンプン合成関連遺伝子の発現,デンプン蓄積量の解析を行ったところ,SUT1プロモーター,Cabプロモーター,ActinプロモーターでCRCTを制御した場合は,デンプン合成関連遺伝子の発現,デンプン蓄積量が増加した.これらの結果から,CRCTが組織間を移動することが強く示唆された.また,CRCTの14-3-3タンパク質結合サイト(リン酸化サイト)である217番目のセリンをアラニンに置換し,14-3-3タンパク質と結合できない変異型CRCT(CRCT-S217A)をCRCT欠損変異体に導入した形質転換イネ(OX-CRCT-S217A)を作出した.
「CRCTの作用のイネ品種間差の解析」に関しては,イネ6品種(日本晴,コシヒカリ,ハバタキ,タカナリ,モミロマン,リーフスター)に関して葉身を使ってスクロース処理を行い,デンプン合成関連酵素の発現解析を行った.CRCTに対するデンプン合成関連遺伝子の発現誘導性は,ハバタキ,タカナリで低い傾向が見られた.この結果は,イネの生育段階で比較した結果と一致し,CRCTの作用に品種間差が存在することが示唆された.
「イネ以外の単子葉植物におけるCRCTの機能解析」に関しては,トウモロコシではなくソルガムを用いて進めることとした.ソルガムCRCTの完全長cDNAをイネActinプロモーターに連結したコンストラクトを作成し,アグロバクテリウム法でソルガム未熟胚に遺伝子導入を行っている.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

「CRCTの分子機能の解明」に関しては形質転換イネの作出と生理解析を進めており,予定通りに進んでいる.ただ,維管束特異的なRPP16プロモーターは発現が弱く,CRCTの効果を見るのは難しいことが判明した.CabプロモーターでCRCTを制御した場合は,予想外に効果が高いことがわかり,有用な知見が得られた.また,CRCTと14-3-3タンパク質の相互作用を解析するための形質転換イネの作出も行ったが,こちらは発現量の高い形質転換イネが得られておらず,研究方針の再検討が必要である可能性がある.
「CRCTの作用のイネ品種間差の解析」に関しては,CRCTの作用を見る上でスクロース処理が有効と考えたため,予定にしていなかったスクロース処理の実験を行った.予想通り,明確な品種間差を得ることができた.イーストワンハイブリッド法,ルシフェラーゼアッセイ法,ゲルシフトアッセイ法による解析は本年度は行っていない.
「イネ以外の単子葉植物におけるCRCTの機能解析」に関しては,トウモロコシで行う計画であったが,形質転換が困難であるという情報から断念することとした.イネ以外の単子葉植物ではトウモロコシよりもソルガムの形質転換効率が高く,ソルガムを用いることとした.ソルガムの中でも形質転換可能なRTx430系統を用いて,ソルガムCRCTの完全長cDNAをPCRで増幅し,イネActinプロモーターに連結したコンストラクトを作成した.現在,このコンストラクトを用いてアグロバクテリウム法でソルガム未熟胚に遺伝子導入を行っている.

Strategy for Future Research Activity

「CRCTの分子機能の解明」に関しては,維管束特異的なRPP16プロモーターではCRCTの効果を見ることができなかった.しかし,維管束特異的プロモーターとしてはSUT1プロモーターで良好な結果が出ており問題はないと考えている.予想外に効果の高かったCabプロモーターに関して,本当に葉肉細胞特異的に発現しているのかを明らかにするために,プロモーターGUS解析を行う予定である.14-3-3タンパク質と結合できない変異型CRCT(CRCT-S217A)のActinプロモーターでの高発現は,理由は不明であるが,満足な結果が得られなかった.本年度は,より発現量の高い系統を得るために,形質転換体の作出を再度行う予定である.また,Actinプロモーターよりも効果的であった,Cabプロモーターに変異型CRCT(CRCT-S217A)を連結させたコンストラクトも作成し,こちらに関しても形質転換体の作出を行う予定である.
「CRCTの作用のイネ品種間差の解析」に関しては,昨年度に行ったスクロース処理の条件で,イネ・コアコレクションを育成し,葉身を用いてデンプン合成関連遺伝子の発現解析を行う予定である.得られた結果からGWAS解析を行い,その結果を踏まえてイーストワンハイブリッド法,ルシフェラーゼアッセイ法,ゲルシフトアッセイ法による解析を検討する予定である.
「イネ以外の単子葉植物におけるCRCTの機能解析」に関しては,引き続きソルガムの形質転換を進める予定である.また,高発現だけでなくCRISPR/Cas9法によるソルガムCRCTのノックアウトも行う予定である.

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (7 results)

All 2024 2023

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results) Presentation (5 results)

  • [Journal Article] Effects of knockout of CO2-responsive CCT protein, a regulator of starch synthesis on physiological characteristics of rice2023

    • Author(s)
      Fumihiro Miyagawa, Naoki Shibatani, Ryutaro Morita, Daisuke Sasayama, Tomoko Hatanaka, Tetsushi Azuma and Hiroshi Fukayama
    • Journal Title

      Plant Production Science

      Volume: 26 Issue: 3 Pages: 273-286

    • DOI

      10.1080/1343943x.2023.2233161

    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] The relationship between beta-amylase and the degradation of starch temporarily stored in rice leaf blades2023

    • Author(s)
      Yu Sugimura, Hiroshi Fukayama, Hiroyasu Michiyama, Tatsuya Hirano
    • Journal Title

      BIOSCIENCE BIOTECHNOLOGY AND BIOCHEMISTRY

      Volume: 87 Issue: 7 Pages: 736-741

    • DOI

      10.1093/bbb/zbad052

    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Peer Reviewed
  • [Presentation] イネ栄養器官におけるCRCTに対するデンプン合成関連遺伝子の応答性の解析2024

    • Author(s)
      宮川文宏, 森田隆太郎, 笹山大輔, 畠中知子, 東哲司, 深山浩
    • Organizer
      日本作物学会 第257回講演会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] バレイショのCRCTホモログがデンプン合成制御に与える影響2024

    • Author(s)
      戸毛亮輔・山下駿平・宮川文宏・森田隆太郎・笹山大輔・畠中知子・東哲司・深山浩
    • Organizer
      日本作物学会 第257回講演会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] 102番目のアミノ酸が異なるC4植物RbcSとイネRbcLのハブリッドRubisco を発現する形質転換イネの生理生化学的解析2024

    • Author(s)
      大河世生・塩見慶太・笹山大輔・畠中知子・東哲司・深山浩
    • Organizer
      日本作物学会 第257回講演会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] ソルガムにおけるRca発現量と光合成誘導速度の関係の解析2024

    • Author(s)
      細川航輝・笹山大輔・畠中知子・東哲司・深山浩
    • Organizer
      日本作物学会 第257回講演会
    • Related Report
      2023 Research-status Report
  • [Presentation] ジャガイモのCRCTホモログとデンプン合成制御との関係2023

    • Author(s)
      戸毛亮輔・山下駿平・宮川文宏・笹山大輔・畠中知子・東哲司・深山浩
    • Organizer
      光合成学会
    • Related Report
      2023 Research-status Report

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Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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