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サツマイモ塊根の高温糖化現象の解明

Research Project

Project/Area Number 23K05189
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 39020:Crop production science-related
Research InstitutionIshikawa Prefectural University

Principal Investigator

坂本 知昭  石川県立大学, 生物資源環境学部, 准教授 (00345183)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2026-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2024: ¥910,000 (Direct Cost: ¥700,000、Indirect Cost: ¥210,000)
Fiscal Year 2023: ¥2,860,000 (Direct Cost: ¥2,200,000、Indirect Cost: ¥660,000)
Keywordsサツマイモ / 高温処理 / ショ糖 / ショ糖リン酸合成酵素 / 発現制御
Outline of Research at the Start

本研究はサツマイモ塊根の迅速糖化技術に結びつく高温糖化現象のメカニズムを解明し、効果的な応用技術の開発に結びつけることを目的に行う。甘味はサツマイモの主要品質であり、貯蔵中にデンプンが糖へ変換する「糖化」により甘味が強くなる。申請者はサツマイモ塊根を55℃で12時間処理するとショ糖含量が約1.4倍に急増する現象を発見した。そこでまず 55℃処理によりショ糖合成が活性化されることを確認し、ショ糖合成酵素SPSやSPS活性抑制因子の発現制御機構を明らかにする。さらに迅速糖化技術への応用を目指し処理条件の最適化と効果の品種間差異の評価を進め、複数回処理によるさらなる高糖化の可能性を探る。

Outline of Annual Research Achievements

①SPSおよびINV活性の測定:55℃処理した「兼六」塊根のSPS活性は、処理6h後に約4倍、12h後には約7倍に達したことから、高温処理塊根ではIbSPS1の発現が強く抑制されたにも関わらず、IbSPS2の発現が増加したことに伴いSPS活性も上昇したと考えられた。一方、AINV活性は漸減し処理12h後には処理前の約7割となった。
②SPSと相互作用する14-3-3の同定:SPSを結合標的としその活性を抑制すると考えられている14-3-3の候補として6種類の配列を得た。酵母two-hybrid法により2種類のSPSと6種類の14-3-3間のタンパク質相互作用の有無を明らかにした結果、IbSPS1、IbSPS2ともにIb14-3-3dとIb14-3-3gと相互作用した。IbSPS1はIb14-3-3c1、Ib14-3-3c2、Ib14-3-3fとも弱い相互作用が認められた。一方、IbSPS1、IbSPS2ともにIb14-3-3eとは相互作用しなかった。
③処理温度と時間の最適化:65℃および60℃処理でショ糖含量は約1.1倍に上昇したが高温障害も観察され実用化は難しいと考えられた。55℃処理では処理12h後まで上昇し続け、その時点で高温障害は発生していなかった。50℃処理では処理24h後までショ糖含量は上昇し続け、その時点で高温障害は発生していなかった。高温処理後に13℃で一週間貯蔵し高温障害の発生とその程度を調査した結果、55℃12h処理では高温障害が生じたが10h処理では認められなかった。一方、50℃24hおよび22h処理塊根では認められたが20h処理では認められなかった。45℃および40℃処理では処理24h後でもショ糖含量は有意に増加せず、高温障害も発生しなかったことから、45℃以下では高温糖化現象は起こらないと考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初計画で、本年度予定していた研究内容は全て実施することができた。

Strategy for Future Research Activity

高温によりショ糖が蓄積するメカニズムを酵素・タンパク質レベルで明らかにするため、以下の5つの実験を行う。
①IbSPSおよびIb14-3-3の量的変化:2種のIbSPSと6種のIb14-3-3のアミノ酸配列は相同性が高いが、ペプチド抗体によるタンパク質検出を試みる。得られた特異的抗体を用いて、55℃処理時のタンパク質発現消長を定量化し、IbSPS活性にどう寄与しているか明確にする。
②Ib14-3-3がIbSPS活性に及ぼす影響:Ib14-3-3はIbSPSと結合しその活性を抑制すると考えられているが、活性を高める可能性も否定できない。そこで、サツマイモ塊根から抽出したIbSPS粗酵素液に大腸菌で発現・精製した組換えIb14-3-3タンパク質を添加することで、IbSPS活性が減少するのか、増加するのか明らかにする。
③RNA-seqによる発現変動遺伝子の網羅的解析:IbSPS、Ib14-3-3、インベルターゼ以外に55℃処理したサツマイモ塊根内でどのような生理的変化が生じているか明らかにするため、RNA-seq法を用いて発現変動遺伝子を網羅的に解析する。特に糖代謝関連遺伝子や熱ショックタンパク質、熱ショック転写因子、ストレス応答関連遺伝子に着目し、55℃処理の効果や障害発生のマーカーとなり得る候補を絞り込む。
④品種間差異の評価:「ベニアズマ」や「高系14号」など代表的な品種について55℃処理を行い、遊離糖含量と高温障害の発生について調査し、処理効果の品種間差を評価する。
⑤高温処理後の経時的変化と重複処理:高温処理を繰り返すことでショ糖含量をさらに高められないか検討する。②で作成した抗14-3-3抗体を活用し、IbSPSの活性を阻害するIb14-3-3が消失・低減する時間を明らかにし、IbSPSの活性阻害や高温障害の発生を回避することができる高温処理間のインターバルを決定する。

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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