Project/Area Number |
23K05204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Allocation Type | Multi-year Fund |
Section | 一般 |
Review Section |
Basic Section 39030:Horticultural science-related
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 一幾 東北大学, 農学研究科, 准教授 (30613517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金山 喜則 東北大学, 農学研究科, 教授 (10233868)
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Project Period (FY) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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Project Status |
Granted (Fiscal Year 2023)
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Budget Amount *help |
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,820,000 (Direct Cost: ¥1,400,000、Indirect Cost: ¥420,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,690,000 (Direct Cost: ¥1,300,000、Indirect Cost: ¥390,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
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Keywords | プラズマ農業 / プラズマ水 / 活性酸素種 / 活性窒素種 / 葉菜類 / 果菜類 / 生育 / 品質 / プラズマ |
Outline of Research at the Start |
プラズマを照射した水(プラズマ水)には6種類以上の活性酸素種(ROS)および活性窒素種(RNS)が含まれるため、生育促進や機能性成分含量の増大、ストレス耐性の獲得など植物への様々な効果が期待されるが、園芸学分野における報告は希少である。特に効果については既知の分子種のみならず植物への機能が未知の分子種が混在しており、新たな効果が期待できることから、プラズマ水の植物への未知なる効果を明らかにし、園芸学分野において新規利用技術を開発することができれば初めての知見となる。本研究では、プラズマ水が果菜および葉菜の生産と品質に及ぼす影響を調べるとともに、その生理機構を解明し、新たな利用技術を開発する。
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Outline of Annual Research Achievements |
プラズマは固体、液体、気体のいずれとも異なる特有の性質を持っており、物質の第4の状態とされている。プラズマを照射した水(プラズマ水)には6種類以上の活性酸素種(ROS)および活性窒素種(RNS)が含まれるため、機能性成分の増加など植物への様々な効果が期待されるが、園芸学分野における報告は希少である。特に効果については既知の分子種のみならず植物への機能が未知の分子種が混在しており、新たな効果が期待できることから、プラズマ水の植物への未知なる効果を明らかにし、園芸学分野において新規利用技術を開発することができれば初めての知見となる。プラズマは大気を原料として作成され、プラズマ水に含まれる分子種は最終的には水や硝酸イオンに変換されて植物に利用されるため環境に優しく、生成時の消費エネルギーは少ないためカーボンニュートラルにも貢献し得る。そこで本研究では、プラズマ水が果菜類および葉菜類の生産と品質に及ぼす影響を調べるとともに、その生理機構を解明し、新たな利用技術を開発することを目的とした。 本研究では葉菜類(コマツナ)と果菜類(トマト)を用いて、プラズマ水の生育や品質への影響について調査する。本年度は、まずコマツナへのプラズマ水の効果について検証した。その結果、葉身長はプラズマ水処理により有意に短かくなったが、葉柄長は対照区と比較して有意差が認められなかった。そして、葉全長(葉柄と葉身)はプラズマ水処理により有意に短かくなった。葉数はプラズマ水処理による影響は認められなかったが、地上部新鮮重がプラズマ水処理により有意に小さくなった。以上の結果から、本研究の環境下において、プラズマ水処理はコマツナの生育を抑制することが考えられた。一方で、葉色はプラズマ水処理により有意に濃くなった。さらに、抗酸化能の指標であるDPPHのラジカル消去活性はプラズマ照射区で増加する傾向であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
葉菜類(コマツナ)の栽培において、プラズマ水の処理方法について検討した。具体的にはコマツナ‘いなむら’を自然光型ファイトトロンにおいて,25℃/23℃(昼温/夜温)で栽培した。播種7日後からプラズマ水噴霧装置による処理を開始した。プラズマ水区では1回目は1秒/株,2回目から3秒/株で処理した。対照区にはプラズマ照射しない水を同様に処理した。本条件では、生育へのポジティブな効果は得られなかったものの、機能性が高まる可能性が示唆された。今後は栽培環境条件やプラズマ水処理方法の検討が必要である。 果菜類については今年度の栽培試験は予定していなかったが、果菜類(トマト)の栽培試験も開始した。トマトの試験は次年度に引き継ぎ、栽培、分析を行う。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の果菜類の栽培試験を引き継ぎ、2024年度もトマトの栽培試験を行う。トマトの生育への影響だけではく、果実品質への影響も調査する。また、コマツナやトマトを用いて、プラズマ水処理が生育や品質に影響を与えた条件で、トランスクリプトーム解析を行い、プラズマ水が遺伝子発現に与える影響を網羅的に調査する。
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