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複数のFTパラログによる多年生植物の休眠調節機構の解明

Research Project

Project/Area Number 23K05212
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Allocation TypeMulti-year Fund
Section一般
Review Section Basic Section 39030:Horticultural science-related
Research InstitutionTokai University

Principal Investigator

高橋 秀行  東海大学, 農学部, 准教授 (00455247)

Project Period (FY) 2023-04-01 – 2027-03-31
Project Status Granted (Fiscal Year 2023)
Budget Amount *help
¥4,680,000 (Direct Cost: ¥3,600,000、Indirect Cost: ¥1,080,000)
Fiscal Year 2026: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2025: ¥1,170,000 (Direct Cost: ¥900,000、Indirect Cost: ¥270,000)
Fiscal Year 2024: ¥1,040,000 (Direct Cost: ¥800,000、Indirect Cost: ¥240,000)
Fiscal Year 2023: ¥1,430,000 (Direct Cost: ¥1,100,000、Indirect Cost: ¥330,000)
Keywords花卉 / リンドウ / 休眠 / FLOWERING LOCUS T
Outline of Research at the Start

休眠は多年生植物の生存戦略の一つである。休眠器官である冬芽には3種の休眠期があり、その転換は遺伝子レベルで厳密に制御されていると考えられる。本研究では、リンドウFLOWERING LOCUS T (GtFT)が多面的な機能を有しており、発現する時期の違いにより、休眠制御を分担・調節している可能性を検証する。本研究でGtFTを介した休眠調節機構が明らかとなれば、多年生植物の安定栽培や新たな作型開発による収量増加へと繋がることが期待できる。

Outline of Annual Research Achievements

多年生植物のリンドウは休眠器官である冬芽を形成し,相関休眠期、自発休眠期、他発休眠期という3つの休眠期を順次転換させることで越冬し,春に萌芽する.先行研究から,3種のFLOWERING LOCUS T パラログ(GtFT1/2/3 )が異なる休眠期の転換に関与する可能性が見出されている.本研究では,GtFTパラログおよび関連遺伝子の機能同定から,多年生植物の休眠調節機構の解明を目的とする.
本年度は,GtFT1およびGtFT3について,ゲノム編集により機能を消失した変異体の作出を試みた.それぞれの遺伝子についてゲノム配列を決定し,標的となるsgRNA配列を選出した.リンドウに最適化したCRISPR-Cas9システムを用いて形質転換体を作成したのち,ゲノム編集の有無をサンガーシークエンスにより確認した.GtFT1に関して,約70個体の形質転換体を調査したが,ゲノム編集は確認できたもののフレームシフト変異を起こした変異体は得られなかった.GtFT3変異体については,引き続き選抜を行なう予定である.
さらに,年度別スケジュールを前倒しして,FTパラログの発現を誘導する条件を調査した.温度に対する影響を調査した結果,GtFT1の発現には全く影響が見られないのに対して,GtFT2では低温処理で明らかな発現誘導が観察された.この結果は,GtFTパラログ間で明らかに異なる調節機構が存在することを意味しており,季節に応じた環境変化をそれぞれのGtFTが認識し,休眠状態を変化させていることが示唆された.今後,その他の環境条件についても同様に調査を進め,各GtFTパラログの発現誘導条件を明らかにする予定である.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本課題では,サブテーマI「GtFT パラログのゲノム編集個体の作成と機能解析」,サブテーマII「GtFT パラログの発現を調節する環境条件の探索」,サブテーマIII「GtFT パラログの発現調節遺伝子の探索」,サブテーマIV「GtFT パラログの下流遺伝子の探索」の4つのサブテーマから,複数のFTによる多年生植物の休眠調節機構の解明を進めている.年度別スケジュールに従い,本年度はサブテーマIのGtFT パラログのゲノム編集個体の作成と機能解析を実施した.GtFT1に関して,約70個体の形質転換体からゲノムDNAを抽出し,サンガーシークエンスで標的配列を確認しところ,50個体以上でゲノム編集が検出されたが,その全てでフレームシフト変異は起きていなかった.そこで,再分化前の形質転換カルスで同様にゲノム編集を確認すると,フレームシフト変異が複数件確認された.即ち,GtFT1は再分化のいずれかの過程に関与しており,本手法ではGtFT1変異体を得ることは困難であることが示唆された.変異体を得るため当初の計画数よりも多く形質転換体を展開させたため,計画にはやや遅れが生じている.しかしながら,GtFT1には多面的な機能があり,花成誘導と冬芽の萌芽誘導以外にも機能する可能性が見出された.GtFT3に関しては形質転換体を育成中であり,GtFT1と同様にサンガーシークエンスにより選抜を進めている.
サブテーマIに遅れが生じたため,年度別スケジュールを早め,GtFTパラログの発現誘導条件および発現調節遺伝子の探索を開始した.低温処理の影響を明らかにし,さらに各FTパラログのプロモーター領域の一部配列を同定済みである.したがって,全体計画として進捗状況は概ね良好である.

Strategy for Future Research Activity

次年度は,サブテーマI,II,IIIについて解析を実施する.サブテーマIについて,本年度GtFT1変異体の作出が困難である可能性が生じたため,本変異体に関してはRNAiなど発現抑制体の作出を試みる.GtFT3については引き続き変異体の選抜を進める.得られた変異体または発現抑制体は馴化し,閉鎖系温室での土壌栽培へと移行する.形成された冬芽について,ゲンチオビオースと各休眠期特異的に発現する遺伝子をマーカーとして用い,休眠転換への影響を調査する予定である.さらに,それぞれの変異体でGtFTパラログの発現挙動を調査し,GtFTパラログ間の制御機構の解明を試みる.サブテーマIIについては,計画を前倒しして本年度から解析を開始している.温度に対する影響は調査済であり,次年度は日長や光波長の影響を調査する予定である.植物ホルモンに関しても,本年度,測定条件が確立できており,次年度に解析を始めることができる.サブテーマIIIも計画を早めて本年度から解析を開始し,各GtFTパラログに先立って発現が変動した遺伝子を選抜した.次年度は,レポーター遺伝子アッセイの準備段階として,各GtFTパラログのプロモーター配列を決定する.

Report

(1 results)
  • 2023 Research-status Report
  • Research Products

    (1 results)

All 2023

All Presentation (1 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Presentation] Plant dormancy and agriculture2023

    • Author(s)
      Hideyuki Takahashi
    • Organizer
      The 19th Asian Agricultural Symposium
    • Related Report
      2023 Research-status Report
    • Int'l Joint Research / Invited

URL: 

Published: 2023-04-13   Modified: 2024-12-25  

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